• 前衆議院議員 遠山清彦(公明党・九州沖縄ブロック)
  • 遠山とつながる
  • 遠山とともに変える
  • 遠山を知る
  • 遠山清彦 島を行く

我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 参考人質疑(平成27年6月22日・議事速報)

衆議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会速記録(議事速報)

○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。五人の参考人の先生方、きょうは大変貴重な御意見、ありがとうございました。

私も、昨年から一年間、昨年の閣議決定、そして今般の平和安全法制の整備のたたき台をつくった与党の安保協議の一員として、先生方の御意見を伺いまして、大変共感する部分もございましたし、また、一部、私どもが考えたことと違うところがございましたので、それを整理するためにも貴重な機会だと思いましたので、お話を聞かせていただきたいと思います。

まず、森本参考人に伺いたいと思います。

民主党政権時代に防衛大臣を経験されたお立場から、二つのことを簡潔にお答えいただきたいと思うんですが、まず一つは、切れ目のない安保法制の必要性について、これは参考人の皆様のお話の中にもありましたけれども、なぜ今必要なのか。

それから、この後、私、ちょっと質問させていただきますが、論理的な帰結の部分である結論のところを、昭和四十七年見解ですけれども変えた。変えたのは、基本的論理ではなくて事実認識を変えたのだ、こういう立場を私どもはとっているわけでありますから、当然にこの事実認識に当たる部分、つまり、日本が置かれている安全保障環境がどのように変化をしたのか、これは変化といった場合には、質的な変化、量的な変化、そしてまた脅威というものの定義というものが時代の流れの中で変わってくると思うんですね。

私がイギリスの大学院で学んでいるときには、脅威というのは、潜在的に我が国の敵になり得る国の攻撃の意思と、そして実際に遂行する攻撃の能力、基本的には、意思と能力を正確に分析するところから脅威というものを算定するのであるということを、二十年前ですけれども、私は大学院で教わりました。

しかしながら、今は、この脅威の定義自体が変容しているわけですね。これはもう私の目の前にお座りの先生方はみんなおわかりだと思います。攻撃の意思とか能力をはかれないような主体によって我が国が攻撃を受ける可能性がありますし、その攻撃の手段も多様化しているわけです。

ですから、我が国ではそういう議論は余りまだ成熟しておりませんが、米国などでは、サイバー戦というものを第五の戦場と位置づけて、武力攻撃の対象にも公式に入れているというところまで来ております。

そういったことも踏まえまして、改めて、森本参考人から、日本が置かれた安全保障環境というのは今どうなっているのかということについてお聞きしたい。

それから、あわせて、当委員会の今までの審議を聞いておりますと、日米安保協力の重要性ということについての議論が少し不足しているのかなと私は感じております。やはり日本を守っていく、これは当然に一義的には日本政府の責務でございますが、同時に、この戦後の国際環境を考えたときに、やはり日米安保というものが一つの中核になって日本の安全を確保していかなければならないという観点から、日米安保協力体制の重要性、今日的な文脈の中でどうなっているのか、この二点についてお答えをいただきたいと思います。

○森本参考人 現在の我が国を取り巻く客観的な安全保障環境の変化をどのように説明するのかというのは、切り口が幾つかあると思うのですけれども、過去百年ぐらいの歴史を振り返ると、二十世紀はまさに戦争の世紀でした。第一次、第二次大戦、それから、後半は朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争。しかし、悪かったことだけではなくて、この百年にできた唯一のメリットは、戦争を禁止する国際法ができたということです。

ただ、それが制度的に、安保理の常任理事国の拒否権という制度があるがゆえに、必ずしもうまく機能しないという状態が今世紀に至ってもまだできていて、その結果、例えば、国際法を無視した解釈に基づいて、力による国際秩序を損なう行為がある。はっきり申し上げると、ロシアのクリミアへの主権の侵害というのもそうでしょうし、ISILによる非常に非人道的な行為もそうでしょうし、中国が行っている排他的経済水域の中を自国の海洋国土と称して軍事的な脅威を周辺国に与えている行為もそうでありましょう。これら全て、安保理決議は通らないわけであります。

こういう、力で国際法を勝手に解釈して周りに脅威を与えるという状態が常に出てきて、しかも、国家領域が未画定である領域、例えばどういうところかというと、海洋とか宇宙空間とかサイバー空間、これはどこからどこまでがどこの国の国境と決まっていないところに、力を使って外へ出てくるという行為が広がっている。この広がっている行為がどのような形で我が国に及ぶかわからないという問題が我々の周りに存在しているという
ことが、やはり一番大きいと思います。

もちろん、それに加えて、さっき先生の御指摘のように、非国家主体による不法な行為、いわゆるハイブリッド戦争などと言われるような、脅威の態様、脅威の様相が変わっていって、しかも、その中で、兵器の精密度、攻撃度、破壊力あるいは射程というものがどんどん伸びて、脅威がなかなか予見できない。しかも、あったとしても一つの国だけでは守れないといういろいろな環境の中で、今までのような、従来の安全保障の対応ではやっていけない環境が生まれつつあるし、また、将来はもっとこれが深刻になるという状況がある。

その中で、やはりアジア太平洋の安定というものをきちっと対応してくれる能力を持っている、その機能を持っているアメリカが、国防予算上、いわゆるリバランスという政策をとらざるを得なくなって、この地域を重視していると言いながらも、実際には、全ての地域の安定をアメリカだけで守ることができず、同盟国が彼らの、アメリカの持っておる機能や役割を相互補完しなければならない状況にあって、その意味でアメリカが日本や豪州に期待しているところは非常に大きいと思います。

大きいということは、今までの、従来の法解釈のもとで日本がやれたことでは、もはやアメリカと一緒になってアメリカのこの地域における抑止力を有効に発揮できないような実態が現に生まれているし、今後もっとこれが深刻になる。

したがって、平常時からは当然のことながら、緊急事態も、あるいは我が国にとっての有事も、我が国にとっての有事でも平時でもない、中間のあらゆる様相に常に対応できる法整備を平生から行って、実態として、何か起きたときに慌てて立法府で時間をかけて法整備をするのではなく、平生から法律上の根拠を明確にして自衛隊の体制を整えておくということが今日的な意味であり、この安保法制の最も重要なまさに肝ということになるんだろうと考えております。

以上でございます。

○遠山委員 ありがとうございます。森本参考人のお話の中に、なかなか予見できない脅威があるというお話がありました。

私ども、そういう感覚を強く持っているわけでありますが、しかし、そもそも論を考えてみますと、国家の安全保障というのは万が一への備えでございます。万が一というのは、一万分の一は〇・〇〇〇一%でございますから、これは議論として非常に難しい面が本質的にあるんですね。〇・〇〇〇一%、もしかしたらそれ以下の確率しか発生する可能性がないものについても想定をして議論するのが国家の安全保障でございます。

この後、阪田参考人にお伺いをしたいと思いますが、ただし、我々、この国会において国家の安全保障を論ずるときには、我が党の北側副代表が当委員会の総括質疑で申し上げましたように、憲法の適合性をまずしっかり考える。二つ目は、法制度、法治国家ですから、法制度に基づいてどう自衛隊を動かすかということを考える。最後に、そのさらに下に政策判断、運用というものがある。

この三つの次元を混乱せずにきちんとわかりやすく議論をするということがなかなかこの委員会でできていないので、国民の皆様の理解が進んでいないと私は個人的に感じております。

そこで、一番大事な憲法適合性のところについてお伺いをしたいと思います。

私どもは、一年間、与党安保協議で、昭和四十七年見解に基づいて、今回の新三要件というものを導き出す議論をしてまいりました。それは、端的に言えば、昭和四十七年見解の基本的論理を維持しながら、そこに、たった今森本参考人がおっしゃったような、新たな安全保障環境からくる事実認識を当てはめまして、そして、結論部分におきまして、先ほど宮﨑参考人は、そこの結論部分について、留保のない結論と表現されましたが、私どもはちょっと異なりまして、文章の中に、「そうだとすれば、」というところから始まるのが結論部分でありますから、ここは事実認識が変わって、基本的論理は変わっていないけれども、当てはめて導き出される結論の一部が変わるということは論理的にあり得る、それが新三要件だというふうに出しました。

この新三要件でございますが、阪田参考人にお伺いをしたいのは、私どもは、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、」ここは、「他国に対する武力攻撃が発生し、」と確かに書いております。これが契機で始まる事態なんですね。ただ、私どもとして実は強調したいのは、「これにより」なんです。「これにより」の五文字なんです。

これは英文ではアズ・ア・リザルトと翻訳されておりますが、この密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生をした、これが契機なんですが、これによって我が国の存立が脅かされ、我が国の国民の生命、自由及び幸福の追求の権利が根底から覆される明白な危険のある場合と。ですから、ここは因果関係が必須だと、論理的に。だから、単に他国に武力攻撃が発生しただけでは絶対にいけない。その因果関係がしっかりある形で、我が国の国民の生命、自由、権利が覆されるということが明白な場合というふうにしております。

よって、我々与党安保協議会のメンバーの共通認識は、これは現行憲法のもとで日本がとり得る自衛の措置の限界を明らかにしたんだと。よって、高村自民党の副総裁が、与党協議がまとまった直後の記者会見で、これ以上のこと、つまり、みずからは攻撃されていないし死活的影響も来ていないのに、他国を専ら守るために武力を行使するということは、憲法を改正しなければできないんだ、ここが限界なんだというコメントをしているわけでございまして、私は、これは今までの政府の憲法解釈と論理的整合性はある、このように思っておりますが、阪田参考人の御意見を聞きたいと思います。

○阪田参考人 他国への攻撃によって何が侵害されるのかというところがポイントなんだと思うんです。それが契機であるということはおっしゃるとおりだと思うんですけれども、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、これはずっと、我が国が武力攻撃を受けたときの状態を指して使ってきた言葉なんです。また、我が国自身が武力攻撃を受けない限り、そんなことは起こり得ない。ですから、そこをはっきりさせていただきたいと思うんですね。どこか遠くで、油が入りにくくなった、備蓄が少なくなった、そんな話まで入るんだというのなら、それは満州事変のときの自衛と同じことになってしまうわけですから。

ですから、やはり、その結果何がもたらされるのか、我が国に対する攻撃が差し迫っているんだ、たまたま契機としてということなんだということをぜひとも明確にしていただきたいと思いますし、今、森本先生からもずっと、環境が変わったということについてお話がありましたけれども、それは、今の憲法自身は何も変わらないわけで、ずっと、何というんでしょうか、政策判断あるいは国際貢献をどうするかというふうなことが優位ではないので、憲法の中で、そういう変わった環境に対して日本として何ができるかということを考えるべきなので、変わった環境に軍事的に十分に応えなければいけないからこの憲法の中で何でもやってもいいということにはなりようがない。もしそれがどうしても必要であるとすれば、それができるような憲法に改正するというのが政治の王道なんだろうと思いますね。ということだけ申し上げておきたいと思います。

○遠山委員 我々、何でもやれるというふうに考えていないので新三要件を論理的に導き出したというふうに思っておりますし、戦前の満州事変と同じになるという参考人のお話がありましたが、私は、戦後の自衛隊と戦前の軍隊は根本的に違うと思っております。

戦前の日本軍は、ネガティブリストでございますので、自衛という大義名分のために、どこにも行けたし何でもできた、それは事実です。しかし、戦後の自衛隊は、まさに法制局長官の歴代の皆様が御答弁されているように、極めて抑制的に、しかもポジティブリスト、法律に書いていることしかできないということでございますので、そういう危険性はそもそも極めて少ないというふうに思っております。

時間の関係で、森本参考人にもう一回お伺いをしたいと思います。

海外に派遣される自衛隊のリスクについて、当委員会でも大分議論がございました。私ども公明党は、与党協議の中で、相当いろいろな歯どめをかけさせていただいたという自負がございます、自民党の皆様にも御理解をいただいた上ででございますが。

例えば、新たな後方支援をする新法、恒久法と言われている国際平和支援法におきましても、例外なき国会の事前承認がついておりますし、参加する国際共同対処事態も国連決議がなければならないと。そして、後方支援、協力支援活動に従事する自衛隊員の武器使用基準は自己保存型だけに限定をしておりますし、もちろん、戦闘現場でないところで活動を行う。また、PKO法の方は、PKO五原則の堅持もさせていただいておりますし、安全確保等についても新たな配慮規定を入れたわけでございます。

なぜ日本の国民の皆様が、この自衛隊の国際貢献、PKO活動等を今高い支持率で賛同してくださるかといえば、やはり私は実績だと思っております。

二十三年間、PKOに派遣された自衛官の数は三万人を超えます。一人も亡くなっておりません。そして、一人も撃っておりません。これは、運もあると言う方がおりますけれども、例えば、三万人の一%は三百人ですからね。一%の派遣された自衛隊員が戦闘に巻き込まれたとしても三百人、それがゼロです。これは偶然ではありません。これは、民主党政権時代も含めて、政府がいかに抑制的にやってきたか、そして、自衛隊の皆さんが練度が高く、なるべく武器使用をしなくてもいい状況になるように努力してきたからだというふうに思っております。

この実績をもとに、我々としては今後も同じ運用の姿勢で安全確保に配慮しながらやっていきたいと思っておりますが、この歯どめの部分と、そして、政府が今までやってきた運用、抑制的な運用という実績を踏まえた、今後、業務が拡大されたとしても、安全にやっていくことができるのだと我々は考えているわけですが、森本参考人の御意見をいただきたい。

○森本参考人 自衛隊が、過去、PKO、二十二年以上海外で勤務し、それ以外に、もちろん海賊対処あるいはインド洋の給油、現在は南スーダンにPKOを出したり、いろいろな法律に基づいて海外で多数の隊員が活動して、それが高い国際評価を受けてきたこと、それから、一発も撃たずに一発も撃たれずに今日まで済んできたこと、これは、国会でのいろいろな歯どめということもありますし、自衛隊の持っている管理の能力、隊員の
個々の高い自覚、任務意識、それがトータルで今日まで来たんだと思います。

今後ともこれが続くことを我々は期待するんですけれども、役割と仕事がふえると、やはり客観的に言うと、人間が住んでいるところというのは常にリスクがあるわけで、リスクがこれより減っていくということは少し考えにくい。そのリスクをいかにして管理していくか、危険を少ないものにしていくかというのは、これ以上の努力が必要だと思っています。

やはり重要なことは、周りで起こっていることに対する非常に高い情報収集の能力あるいは警戒監視の能力というのが一つだし、それから、外に出ていって活動する隊員の体制の整備、これは先ほど申し上げましたが、いろいろな整備のやり方があると思いますが、規則やマニュアル、あるいはそれに伴う訓練、あるいは関係諸国との事故防止協定や連絡メカニズムをきちっとするということも重要だと思います。

重要なことは、やはり同盟協力や多国間協力が多いわけですから、日米間でどのように情報交換をし、こちらが必要な情報を持っているかということと、それから、多国間協力にできるだけ参加することによって周りの状態、周りの国が考えていることを鋭く把握するということも必要だし、それがトータルなものとしてリスクの管理ができるということだと思うんです。

結局は、運がよかったか運が悪かったかということではなくて、リスクというものを、いかなる生物体であれ、人間が成り立っている社会というのは、リスクを予知し、これを予見し、予防し、対策を講じることによって防止をし、抑止ができるということなわけですから、その努力を今後とも続けるということによって、一方で任務を効率的に実施しながら、一方で隊員の安全を維持する、この二つをどのようにしてトータルでマネージしていくかということは、これから防衛省や自衛隊が真剣に考えてくれるのではないかと考えます。

しかしながら、現在の自衛隊というのは自衛隊の任務を行うために必要な体制と予算が認められてできているわけで、これ以上のことを諸外国に対して、例えばそれが後方支援であれ行うためには、今のような状態では少し不足の部分があって、何をふやさないとそれが実施できないのかということを考えること、そしてそれに必要な隊員の練度を向上するための訓練を行うこと、非常にたくさんのことをこれから実施機関である自衛隊・防衛省がやらないといけないということになるんだろうとは思います。

以上でございます

○遠山委員 ありがとうございました。終わります。

お知らせ

テレビ出演のお知らせ

5月31日(日)9:00~10:15・NHK「日曜討論(拡大版)」ラジオ第1でも放送されます。 6月1日(月)9:25~9:45・NHK中継「平和安全法制特別委員会」質疑 6月1日(月)22:00~23:00・BS日テレ …

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ツイッターの最新情報

遠山清彦 島を行く

遠山清彦発行のメルマガ登録

遠山から、
あなたの携帯/パソコンへ。
ズバリ直球メッセージ。
  • 熱い思いを一通250文字にギュッと圧縮。あなたの元に届けます。

    携帯電話限定メルマガ
    遠山スピリット


遠山清彦の政治理念、活動が良くわかる。PC向けメルマガ
メルマガ購読・解除
 
携帯電話でもしっかり読みたい。
  • facebook
  • twitter
  • twitter

カテゴリー一覧

アーカイブ