みなさん、こんにちは。一昨日、19日午後4時頃、無事イランから帰国しました。今 回の海外視察の詳細については、すでに公明新聞で報道されている通りですが、最初 スイスのジュネーブを訪問しUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)や国際赤十字社など の人道支援機関首脳と意見交換をし、その後イランに移動してイラク国境付近まで 行って難民キャンプなどを視察してきました。
かなりハードなスケジュールで、特にイランでは、毎朝4時5時代にホテルを出発しま した。特にイラク国境へ行った日は、航空機でテヘランからケルマンシャーという辺 境の町へ移動し、そこから陸路で合計600キロ走りながら国境のトランジットポイン ト、難民受け入れ予定地、そして既存の難民キャンプを視察、そしてまたテヘランへ とんぼ返りという強行軍でした。しかし、公明党派遣団の中で私が最年少、英語での 会談等では浜四津代表代行の通訳も務め、事務的なことも一切あずかっていたので、 気を抜かずがんばりぬく事ができました。無事を祈ってくださったみなさん、本当に ありがとうございました。
周知の通り、私達が帰国した時にはすでに米英西三カ国首脳の最後通牒が出されてお り、翌日(昨日)午前、攻撃が始まってしまいました。最後の最後まで外交努力に全 力を尽くしてきた私としては極めて遺憾な事態となってしまったわけですが、この上 は攻撃によっておこりうる人道的被害救済のために日本としてできることを最大限や るために、政府与党内で発言していこうと思っています。
昨日の夕方には、浜四津さんと北側政調会長とともに総理官邸に行き、小泉総理に直 接会って人道支援の申し入れを行ないました。総理は私達が攻撃直前までイランに 行っていたことに驚いていたようで、持参した難民キャンプの写真などに見いってい ました。
また、帰国して早々に国会対策委員長から連絡があり、来週月曜日の予算委員会集中 審議での質問(NHKテレビで生中継されます。時間は午前10時47分から11時10分で す)、火曜日の外交防衛委員会と沖縄北方特別委員会の質問を担当することを知 り、昨日から今日にかけて質問作成に追われています。
攻撃が開始された際、公明党が出したコメントについて、非常に多くの方々からメー ルをいただいております。今すぐにはご返事を出せないこと、ご容赦ください。物理 的に困難な状態です。
公明党は、最後の最後まで平和的解決を求めて外交活動をしてきました。私もこの2 週間は日本よりも海外にいた時間の方が長いです。しかし、最終的に国連安保理決議 がでず、米国英国主導の武力攻撃という事態にいたり、極めて残念に思っています。 ただ、党として、また個人として積極的に武力行使に反対していないのは、日本国民 の生命と財産をあずかる身として、あらゆる国内的・国際的条件を勘案し、苦渋の選 択としてそれを決断したということです。公明党の議員は、ひとりの人間として誰一 人として戦争にもろ手をあげて賛成する人はいません。このことは断言できます。た だ、日本の安全保障が米国に大きく依存している現実、9・11テロ事件後のテロが 頻発する世界の現実に目をそむけて、政治家として無責任な立場は取れないことを理 解していただきたいと思います。
私が思い出すのは、英国ブラッドフォード大学平和学部で研究しているとき、ユーゴ スラビア内戦が激化したときのことです。あのとき、サラエボという町がセルビア人 武装勢力に包囲され日々スナイパーの銃撃や迫撃砲で一般市民が攻撃されるという悲 劇がありました。そのころ、平和学部の教授のひとりが英国のラジオ番組に登場し、 「サラエボの人々を救うためにNATO軍は即時空爆を開始すべきだ。それしかもはや方 法はない」と主張し、「あなたは本当に平和学部の教授か」と一部で批判されたこと がありました。しかし、空爆は始まらず、しばらくたって、市場で買い物している 人々の多くが砲弾で殺されるという大事件がおき、最終的に空爆が開始されました。
もちろん、今回のイラク攻撃とあのときのNATO空爆は、いろいろな条件の違いがあ り、一概に同次元で論ずることはできません。しかし、今日の世界の現実は、時に平 和学を研究する教員に「空爆せよ」と言わせてしまうほど冷厳なものがある、という 点は強調したいと思います。その世界の現実の冷厳さを根本から変えるためには、時 間もかかりますし、多くの人々の努力が必要なことは言うまでもありません。評論家 ・傍観者が何千人いても、現実は変わりません。
私は今回のことで公明党が連立離脱をすることには反対してきました。公明党は政府 与党として政権内に残り、内外の諸課題が山積する中で、公明党にしかできない仕事 をすべきです。そういう仕事はまだ多くあります。
イラクの無実の国民が一人も亡くなる事がないよう、それだけを祈っております。そ して、日本は武力行使には参加しませんし、させません。人道支援をどの国よりも早 く力強くすべきです。そのために、来週の予算委員会でもさまざまな主張を総理に直 接ぶつけたいと思います。