みなさん、こんにちは。夏らしい天候が続いていますね。夏の甲子園大会も盛り上 がっているようで。昔は私も野球少年で、欠かさずテレビ観戦をしていましたが、英 国留学した10年ほど前から見ることが少なくなり、今は忙しくてほとんど見られない のが残念です。でも、選手の皆さんの健闘を心から祈っています。
さて、今日インターネットを見ていたら、参院与野党幹部で作る参院改革協議会(座 長・青木自民党参院幹事長)が、政府開発援助(ODA)の実情を現地調査するた め、来年度から(私も現在所属する)参院決算委員会から調査団を派遣することを決 定した旨、配信されていました。大変な英断であると、心から歓迎したいと思いま す。
鈴木宗男代議士(現在逮捕・拘留中)に関する問題をはじめ、ODAに関してはここ 数年多くのスキャンダルが暴露され、国民が日本政府の外交に不信を増幅させた最大 の背景になってきました。ODAを主に所管する外務省は、この1年ほど、同省の改 革行動計画の中でODA改革を柱にすえ、その中身はすでに実行に移されてきていま す。
しかし、改革は途上であり、まだまだ十分といえないと私は思っています。先の通常 国会の決算委員会等の審議でも、ODAをめぐる不正や疑惑が取り上げられており、 私自身も釈然としない部分が残っていました。そんな中での、今日のニュース。私自 身が調査団に参加できるかどうかは、今の時点でわかりませんが、全力でこの動きを 後押ししたいと考えています。
景気の見通しはここ数週間で好転してきましたが、国民の生活実感としては、とても 楽観できる状態ではありません。従来の経済セオリーからいけば、ここで政府がどか んと景気対策の公共投資を強化するのでしょうが、日本の国と地方の借金まみれの財 政状況を考えるとそれもできません(といって何も景気対策をしないわけではあり ませんが、派手な景気対策は問題の先送りと未来の世代への負担押しつけになるの で、おのずと限度があります)。こういう中で今公明党が力を入れているのは、とに かく行政・政府サイドの無駄遣い(特に民間からみて非常識な特権や特典制度)を減 らすということです。その一環としてODA見直しも行うべきなのです。
ちなみに、公明党のマニフェスト原案では、国家公務員と地方公務員の1割削減を実 現することを掲げていますが、これによっておそらく2兆円程度の人件費節約ができ るのではないかと思います。これは個人的意見ですが、私は、国会議員も1割削減す るべきではないか、と真剣に思っています(そういえば、自民党若手議員がその趣 旨の政策をマニフェストに入れたという報道がありましたね)。国会議員が自らの職 業の数を減らす決定をするというのは、心情的に難しいのかもしれませんが、私は自 分たちだけ例外にするのはよくないと思っています(ただ、人件費的に言うと、こ こ2年ほど、国会議員の歳費は全員1割カットしているので、すでに1割分は削減され ています)。
話をODAに戻します。私が現行のODAで気になっているのは、海外の発展途上国 で行われている個別のODAプロジェクトが本当にその国の要請で始まったのかどう か、という点と、海外での資材調達費や人件費は日本と比較にならないほど安価であ ることが実際の予算執行に忠実に反映されているのか、という点です。現地でこれら のことを国会が調査することで、さまざまな具体的改善点が明らかになるのではない かと期待するところです。
参院議員は、6年の固定任期があり、いつ解散があってもおかしくない衆院議員に比 べると安定した政治活動が行えるという特徴があります。この特徴を最大にいかすひ とつの方向性は、参院が中心になって議会外交の強化を図ることです。
永田町の一部では、「外交や防衛は(選挙で)票にならないから、がんばってもしょ うがない」という声があります。しかし、ここ数年日本の国民の外交意識は高まって きており、近い将来国会議員で「私は外交は全然知りません」などと言う人は、見放 されかねないと感じています。だとしても、衆院議員は、小選挙区で、まだまだ外交 以外の分野での努力も求められているのは事実ですから、やはり参院議員がもっとが んばらなければならないと私は思います。
今回のODA改革への取り組みを契機として、さらに「外交は参院」という新たな伝 統を確立すべきだと思います。
話は変わりますが、昨日、近所の古本屋で、偶然『汚名』(毎日新聞社)という本を 見つけて購入しました。これは油井喜夫という元共産党員が書いた本で、1970年代に 自分が体験した日本共産党本部での「査問」(疑惑を持たれた党員を監禁し、幹部が 査問官となって、長時間にわたり尋問すること)の中身を克明に描いたものです(油井氏は、1998年に同党を離党して、この本を出版)。
この本を読んであらためて共産党の非人間的体質を知り、驚きと強い不安を抱きまし た。油井氏は、肝臓病で入院している最中に本部に突然呼び出され、そのまま4日間 本部の建物内で監禁された上、連日過酷な尋問を受けたとのこと。その間「党員権は 停止」され、「釈明権もない」状態で、ひたすら幹部に詰問され続け、幹部が納得す る供述をするまでそれが終わらなかったといいます。
30年前のこととはいえ、戦後日本でこのようなことをしていた政党が、いまだに国会 で議席を占め公党然としているのは、信じがたいことです。油井氏も本の中で指摘し ていますが、この査問という行為が本で描かれている通りであれば、憲法違反の人権 侵害行為であることはほぼ間違いないと思います。その共産党が「護憲!」と叫んで いることは、一体どういうことなんでしょうか。
最後に油井氏の言葉を引用しておきます。
「私は本書でどのような査問が行われてきたか述べてきた。共産党の査問は近代民主 主義政党にはみられないものである。それは、一般社会でいう調べとはおよそかけ離 れた非人間的なものだった。しかし、それを調べであったと(1998年9月の記者会見 で不破委員長が:引用者注)サラリといってのけた。私は、この感覚に驚かざるをえ ない。それなら、疑わしい党員を調べるため、今後も監禁のうえ、人権無視の査問を 行うというのか。共産党の政治倫理とは、意見を持つ党員を、派閥をつくる問題にな るから調べの対象にするというのか。」(p.273-274) 「私は党の体質を思い切って民主的・公開的に改革する時代がやってきたと考える。 共産党はさしあたり査問体質を公然と廃絶すべきである。政権をめざすなら、なおさ らのことだ。この体質を廃絶しないかぎり、この党は『いざというとき、何をするか わからない』といわれても仕方がないと思う。」 (p.282)
私は寡聞のためか、共産党が査問体質を廃絶したと、聞いたことはありません。