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参院選の争点:年金、イラク多国籍軍

みなさん、こんにちは。国会が昨日無事終了しました。ほっと一息つきたいところですが、参院選投票日まで1ヶ月もありません。選挙戦に突撃です。よって、今後メルマガの配信頻度が減るかもしれませんが、ご了承のほど、よろしくお願いします(ただし、書ける時間があれば、遊説出張先でもどんどん書いて行きたいと思います)。

<過去5年間で最高の成果>
今国会は参院選があるため、延長は全くせず通常の150日間の会期で終えました。しかし、この国会で可決・成立した法案(政府提出)は、127本のうち120本であり、成立率は実に94%を超えました。調べてみたところ、120本という法案の数も、94%強の成立率も、過去5年間で最高記録であることが判明しました。

しかも、法案の中には、年金改革関連法、裁判員法、道路公団民営化関連法、有事関連7法、など多くの重要法案が含まれており、質・量ともに充実した国会といえます。公明党が与党になってちょうど5年でこのような成果が出たことに対して、私は公明党が責任与党として国民の期待に応える戦いをしている何よりの象徴的出来事ととらえています。

公明党は永遠に与党である、とは私は言いません。が、「政治の安定と改革」を実現するために政権内に入り約5年、政治で一番大切なことは結果=政策実現ですから、与党である限り、今後もさらに努力して公明党マニフェスト123の政策を中心に着実に実現を勝ち取りたいと思います。

<参院選の争点:年金改革>
さて、来る参院選の争点としてマスコミが取り上げている問題はいくつかありますが、まず年金改革があります。既に法案は成立していますが、野党側は今度の参院選を再度の国民の審判の機会と位置づけて論戦を挑んできていますから、私たちも受けて立たなければなりません。そこで、ここでは「よく聞く批判」に対し、簡潔に私の反論を記したいと思います。

(批判1)「国民の約7割が反対している年金改革法は撤回して、出直すべきだ」
→もし、今回の法案が通らなければ1年間の赤字額が約1兆円多くなり、そのツケは全て若い世代に回されることになります。しかも、その後に出てくる「新しい」年金制度においては、今以上の給付減・負担増になることが避けられません。野党は審議時間が十分ではなかったといいますが、そういいながら国会審議の際には、何時間も使って議員や閣僚の未納問題ばかり質問していたことは自己矛盾としかいいようがありません。しかも、政府与党は昨年から真剣に年金改革法案を策定したのに、野党の方は党内がまとまらなかったり準備不足でまともな中身のある対案を出せなかったのですから、無責任です。

(批判2)「今回の年金改革は抜本改革ではない」
→それは間違いです。今まで5年程度の財政計算で給付と負担を決めてきたのを、歴史上初めて100年単位で財政計算をして長期にわたる年金の給付と負担の水準の変化を提示したのが政府与党案です。未納金徴収対策や受給額通知制度でも豊富な改善策が盛り込まれており、今回の法案を通さないことこそ「改革先送り」になります。

(批判3)「給付が減り、負担があがるのは、国民いじめだ」
→野党の一部の議員は、国会審議の中で「給付は下げるな、負担はあげるな」という趣旨の意見を述べていましたが、今の厳しい財政事情のもとでは、どの政党がどんな年金改革案を出しても給付減・負担増は避けられません。民主党の対案は、肝心の給付・負担の水準について具体的数値を示しておらず、そもそも政府与党案を批判する資格もないといわざるをえません(13ページしかない民主党対案には具体的数字が出てくるのは2箇所だけです。「平成20年」、「20歳」→全然年金と関係ないじゃないか!)。

(批判4)「国民に負担を押し付ける法案は撤回すべき」
→そもそも公的年金制度は、国民同士の互助制度であり、世代間の仕送り制度であるのに、あたかも政府が負担を強いるかのような、こういう表現自体が不適切だと思います。人は誰しも老いますし、いつしか死を迎えるわけですが、しかし誰も自分の寿命というものはあらかじめ予測できません。ということは、自分が老いて仕事ができなくなっても生き続けている限り何らかの収入は必要になります。今の日本では公的年金制度だけが、しっかりと25年間以上加入していれば、自分が死ぬまで毎月年金という形で収入を保障してくれるわけであり、これは国民全体で支えていかなければならない重要な制度です。

(批判5)「平成15年の出生率が1.29(政府推計は1.32)だったので、年金改革の前提はすでに崩れているのではないか」
→これは、短絡的な主張で誤りです。そもそも年金改革の財政計算の前提は出生率だけではなく、物価上昇率、賃金上昇率などの経済指標もあり、こちらは最近改善しています。さらに、平成15年という1年間の出生率と女性一人の生涯の出生率は異なるわけで、現在40歳代後半の女性の出生率(コーホート出生率)は、1.98程度あります。ですから、昨年の出生率が落ちたからといって直ちに「100年安心プラン」が崩壊するわけではありません。その一方、少子化傾向が強まっていることは事実ですので、政府は少子化対策をさらに強化しなければなりません。そのため、公明党は児童手当の拡充などに全力を尽くしているのです(民主党は、児童手当の拡充に反対しました)。

<参院選の争点2:イラク多国籍軍への自衛隊の参加問題>
年金問題につぐ大きな争点はイラクの多国籍軍への自衛隊の参加問題です。

イラク復興に関わる国連の新決議1546に基づき、7月1日から結成される多国籍軍ですが、これに自衛隊が参加することについて憲法上の問題、あるいは新しい法律の必要性が一部で指摘されています。しかし、イラクのサマワで人道復興支援活動をしている自衛隊が今と全く同じ活動を継続する場合は基本的に法律的問題はありません。

しかし公明党は慎重を期する立場から、6月14日の政府与党連絡会議の席上神崎代表から了承の前提として次の4条件を小泉総理に提示しました。

1. 多国籍軍の指揮下に入らず、自衛隊の撤収や活動を独自の判断でできる
2. 活動地域が非戦闘地域となっている
3. イラク特措法の範囲を超えない
4. 自衛隊の活動が武力行使と一体化していない


これに対し政府側は翌日回答を示し、原則的にこの4条件は満たされました。これを受けて公明党内で部会、政調全体会等で活発な意見交換を行い、最終的に16日の中央幹事会で了承となりました。

最初の指揮権の問題に関し、「多国籍軍に自衛隊が参加するのに、多国籍軍統合司令部の指揮下に自衛隊が入らないというのは詭弁ではないか」との批判がありますが、それは違います。指揮下に入るということは司令部から自衛隊が「命令」を受け、これに背くことは許されないという強制的制約を日本が受けることを意味しますが、自衛隊の活動に関しての指揮権は全て日本政府に残る形となります。実は、この問題はさほど騒ぐ必要はない問題で、なぜなら国連の平和維持活動に参加している自衛隊も全て指揮権は同様に日本政府が確保してきたからです。ただし、司令部から「要請」を自衛隊が受け、それが憲法やイラク特措法などの日本の国内法の枠内で活動できるものであれば、それを実施することは可能であり、そのための連絡調整はするということです。

それでも「多国籍軍に参加するということは、憲法で禁じられている武力行使を自衛隊が行うことにつながるのではないか」という懸念を抱いている人がいるかもしれません。この背景には、日本で多国籍軍というと湾岸戦争時の多国籍軍を想起する人が多く、このときの多国籍軍(米英仏中心)は確かに武力行使(クウェート解放のための)が主な目的だったということがあるのだと思います。しかし、多国籍軍(multinational forces)という言葉は特定の定義と固有の使命を持った呼称ではなく、単に「複数の国からきた軍隊」をさす一般名詞であり、その活動内容と目的は多国籍軍ごとに異なります。今回のイラクの多国籍軍は、武力行使が主な目的ではなく、戦争後のイラク復興に際し治安維持と人道復興支援を提供することが主な目的の多国籍軍であるということを理解することが必要です。

政府の見解は、「武力行使を伴う任務と伴わない任務の両方が与えられる多国籍軍に参加することは、憲法上問題ない」(参院外交防衛委員会での秋山内閣法制局長答弁、6月1日)であり、マスコミにも「民主党は、自衛隊が多国籍軍に参加するにはイラク特措法にかわる新法が必要だとしている。だが、自衛隊の活動内容が全く変わらない以上、新法や法改正の必要は無い。(中略)憲法が禁じているのは、『国際紛争を解決する手段』としての武力行使だ。人道復興支援が『武力行使』であるはずがない」(読売新聞社説、6月10日)という意見があり、今回の公明党の判断も国民のみなさんからご支持いただけると確信しています。

多国籍軍参加に批判的な人の中には「国連PKOなら良かったんだが」という方もいるようですが、実質今回のイラクの多国籍軍と国連PKOにはほとんど違いがないと言っても過言ではありません。違いは、わかりやすくたとえれば、国連PKOは、国連の「直轄事業」であり、多国籍軍は、国連からの「委託事業」であるということです。この考え方からすれば、国連決議1546は「委託信任状」になります。国連PKOの場合は、国連が経費も人員も集めそれによって治安維持や停戦監視、人道支援などを行いますが、今回は有志連合としてすでにイラクに駐留している多国籍軍にそのままそれらの作業を委託したわけです。この多国籍軍の駐留継続と使命付与に関しては、イラク暫定政府のアラウィ首相も同意を正式表明しており、国際法上もなんら問題はないと考えます。

ただし、主権移譲を目前に控えたイラクの治安情勢は予断を許さないものであり、7月1日以降、イラク暫定政府、その後の選挙で選ばれる国民会議、またそのプロセスを主導的に助ける国連使節団への支援強化は非常に重要ですから、日本政府に引き続きこの点を強く訴えて行きたいと思います。また、公明党としてはメソポタミア湿原の復元をはじめ非軍事的貢献の強化も引き続き政府に強く求めていく方針です。

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