デイリーメッセージ

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タイからの報告(1)

みなさん、こんにちは。私は今タイ国のプーケット近くのカオラック地域に滞在しています。今年は乾期にも関わらずタイ南部では雨が降ることが多い異常気象で、昨夜もかなり激しくスコールのようなものが降っていました。タイの人たちも地球温暖化のせいではないか、と話す人が多いようです。環境問題は、もはや世界共通の最大課題といえるかもしれません。

<旧友との出会い>
12月24日夕刻にバンコク国際空港に到着し、ホテルでチェックイン。タイは仏教国ですが、バンコク市中心部はクリスマス・イブのためか、大勢の若者が街に繰り出し活況と呈していました。日本と同じですね。実際バンコク市内の開発は急ピッチで進み、デパートやショッピングモールの内外の様子は東京のそれと少しも変わりません。(ただし、バンコクがタイ社会の全体を代表しているわけではありません。貧困地域は、まだまだ多いことに留意する必要があります。)

小一時間ホテルで休んでから在バンコク日本大使館の小林大使公邸へ向かい、旧知のプラパット・タイ大量高速輸送公社顧問と夕食を共にしました。私がプラパット氏と会ったのは、昨年8月、参議院ODA調査団の一員としてタイを訪問した際でした。同氏は、タイのタマサート大学卒業後、米国の大学院で犯罪学修士号を取得し、帰国。その後法律事務所勤務を経て高速道路公社に入り、1997年には42歳の若さでタイ大量高速輸送公社(MRTA)総裁に就任しています。

プラパット氏は、とにかくエネルギッシュで、意見を率直に表明する方。米国留学経験があるので、非常に流暢な英語を操ります。今回の会食でも、首都バンコクの地下鉄延伸問題を皮切りに、政治・経済・外交問題など多岐にわたる話題について意見交換しました。「また会いましょう」と握手して別れましたが、ああいうどんな外国人が相手でもズバズバ英語で意見が言える人は、日本でもあまりいません。さらに活躍されるのではないか、と期待大です。

<プーケット地域を初訪問>
翌日早朝にバンコク空港を出発し、プーケットに向かいました。プーケット島は、私は初めて訪問するのですが、緑豊か(ゴムの木が多い)で以外に山が多いところでした。美しいアンダマン海沿いに多数のビーチがあり、世界有数のビーチ・リゾート地域として発展してきた歴史を、車に同乗して案内してくれたプーケット日本人会の山口副会長からうかがいました。最近は多くの日本人もプーケット島およびその周辺地域に居住し、主に観光関連業に従事しているとのことでした。ただ、昨年の津波の後、なかなか観光客の出足が鈍く、廃業に追い込まれている人も多いとのことで、日本の観光客にとにかく戻ってきてほしい、ということを何度もおっしゃっていました。

<慰霊之碑除幕式に参加>
しばらく車で南下して、ビーチの中でも最も有名なパトン・ビーチに到着。海岸を歩いてタイ政府が建設した津波警報施設を視察。午後に入り、1時半からカマラ・ビーチという別の場所に、プーケット日本人会が建立した慰霊碑の除幕式に参加して、外務大臣政務官として式辞を述べました。慰霊碑の前で手を合わせ、心から亡くなられた皆様を追悼させていただきました。

除幕式の会場には、ご遺族の方々もいらしており、ご挨拶申し上げました。この1年間大変なご苦労をされたわけですが、嬉しかったのは、皆口々に「現地の外務省職員が本当にがんばってくれた。遺体の捜索からアフターケアまで、本当によくしてくれました」とおっしゃっていたことでした。その後、関係者から若い女性の書記官が被災現場で何十という遺体の中を邦人を探して奔走したり、津波の数ヶ月後まで遺留品を探すために被災現場で土を掘り返して発見した話をきき、私は率直に感動しました。外務省職員は、日本の雑誌のスキャンダル記事のターゲットによくなりますが、日の当たらない辛い仕事を海外で地道に行っている人が多いことは、国民の皆さんに知ってもらいたいと思います。

<東京消防庁のハイパーレスキュー隊も活躍>
除幕式の後、再びパトンビーチに戻り、タイのレスキュー隊の訓練視察を行いました。この部隊は、日本の東京消防庁から派遣された4名の隊員がこの1ヶ月間訓練したもので、当日の訓練も日本人の隊員が指揮を執って実施されました。(倒壊した建物から逃げ遅れた人を救助する訓練等)タイのJICA事務所所長によると、ODA支援の一環として防災関係の支援をこのような形でするのは珍しいとのこと。(中国北京では既に実施済み。)私も4名の隊員を直接激励しましたが、かの有名なハイパーレスキュー隊のメンバーも含まれており、非常に嬉しかったです。

タイの防災関係者ともその場で懇談しましたが、日本が訓練したこの部隊の隊員が今後教官となって、他のレスキュー部隊を養成し、ゆくゆくはタイの全自治体(現地語でタンボン、と呼ばれる)に一つの部隊を常設したいとのこと。日本の消防庁の支援に非常に感謝している、とのことでした。

過日インドネシアで視察した警察署といい、タイのレスキュー隊といい、日本が防災防犯の人材育成分野でこれほど活躍できるとは、こうやって現場視察をするまでしっかり理解しておりませんでした。日本のODA改革議論でも、箱物建設型から人材育成・ソフト支援型に移行させるべきとの主張がなされていますが、まさに正しい方向性だと思います。特に、アジア諸国においては、日本的アプローチがスムーズに入るようで、今後環境対策分野と並んで防災・防犯分野での海外援助も強化すべきだと感じました。

いよいよ明日26日は、タイ政府主催の式典が挙行されます。その様子は次の報告に譲ります。夜は涼しく、日本の秋のように鈴虫が鳴いています・・・。

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