みなさん、こんにちは。東京の今日の天候は、春らしい気持ちのいいものです。
昨日、ロシアの首都モスクワへの公務出張から無事日本に帰国しました。毎週飛行機に乗っていてふと思いました。私は(国内便も含めると)100回以上飛行機に乗っていますが、やはり何回乗っても、「墜落の恐怖」を感じることがあります(特に、離陸着陸時の「クリティカル・イレブン」=11分間)。興味があって関係書籍を読んだりしますが、事故の知識が深まるとかえって心配になるところもあって、あまり良くないですね。(ただ、最近の飛行機の死亡事故率は100万便に1つ程度で、極めて稀だと雑誌の特集記事にありましたので、基本的に大丈夫だと言い聞かせていますが。)
<ロシアの第一印象>
私にとって今回は初めてのロシア訪問でしたので、大変興味がありました。モスクワは人口がすでに1000万近い大都会ですが、まず道路の車線が多いのに渋滞がひどいのに驚きました。現地の外交官に聞くと、都市計画があまりしっかりしていないのと、最近の原油高に支えられた景気拡大の影響で車の台数が急激に増えたことが背景にあるようです。
ロシアの景気が良いことは、車窓から見る風景でもだいたい察しがつきます。新しい郊外型の大型ショッピングセンターもありましたし、市中心部の「赤の広場」前の高級デパートで並ぶ品物の値段は、東京のそれとあまり変わりがありません。ただ、経済発展の仕方はまだら模様という印象です。言葉を変えれば、街の様子をみても格差が拡大しながらの成長だということです。車も日本製の新車からソ連時代の黒鉛をはく車まで多様ですし、市民が住んでいるアパートやマンションの格差はかなり大きいという印象でした。
卑近な話ですが、モスクワ市内でいわゆる法人化されたタクシーを全く見かけなかったことには、少なからず驚きました。現地筋いわく、メーターをつけたタクシーはいまだほとんどなく、素人が客と値段交渉の末乗せる「白タク」が一般的とのこと。また市中心部から空港へ行く高速バスの類もあまりないとのことで、こういう基本的部分のインフラ整備が遅れている点に、まだら模様の成長が象徴されている気がしました。
<G8会議は成功>
ロシアは今年G8議長国で、7月に各国首脳の参加を得てサンクトペテルブルグでサミットを主催します。エネルギー自給率が100%を越え、天然ガスや原油の輸出国であるロシアは今回のサミットの主要議題にエネルギー問題を設定しています。今回の会議は各国のエネルギー担当閣僚を集めて事前に議論する会議でした。日本政府からは経済産業省を代表して西野副大臣、外務省から私が参加させていただき、会議でそれぞれ発言しました。
私が申し上げた点は4点です。(1)既存のエネルギー関連の国際的枠組みの活用強化(特に緊急時の備蓄資源放出)(2)環境配慮型の技術の普及(3)開発途上国の多様な状況に見合ったエネルギー開発のあり方(4)ロシア政府の早期のエネルギー憲章批准の督促。西野副大臣はエネルギー庁を所管する経済産業省の立場から、さらに多くの論点に言及しておられました。他国代表からも活発な意見表明があり、非常に有意義な会合だったと思います。
<日本だけが代理出席>
ところで、自分が政府代表で出席をさせていただいてこんなことを書くのも恐縮ですが、他の参加国はほとんど大臣が出席しておりました。日本も本来であれば二階・麻生両大臣が参加すべき会議なのですが、主に国会日程の関係で参加できず私たちが代理出席をしているわけです。正直言って、これは外交上良い形ではありません。やはり一国を代表する閣僚の国際会議にこそ閣僚が出るべきであり、国内対応で副大臣や政務官が代理答弁することをもっと国会で許容すべきではないか、と個人的には感じます。そのために、副大臣や政務官制度を導入したのに、結局それが有効活用されていないのが現実です。
G8各国の大臣は、年に何度も会議などで顔をあわせ、二国間対談もこなしているので、お互いにかなり親密な人間関係を築いてるのが常です。今回の会議の際も、3度も同じテーブルで食事をしましたので、個人的なことも含めて色々会話します。(私も、しました。)食事の際の会話の中でも、結構重要な話題が出ますし、何よりもリラックスして話せるので、お互いの考え方をじっくり知る良い機会になります。
<国会で与野党を越えた改革議論をすべき>
私個人のことだけ考えれば、若造の政務官の身で各国の大臣と会話できるのは、光栄ですし、政治家として非常にいい勉強になることは間違いありません。しかし、国際社会での日本の国益というものを考えた場合、やはり政策決定権を国内的に有している閣僚自らがこういう外交舞台の中で日本の立場をアピールする、何度もそれをやり、人間関係も築いていくことが何よりも重要だと思います。
この問題に対処するには、政府よりも国会での改革が重要です。特に野党側が「大臣答弁しか認めない」という原則に固執したり、時には与党国対幹部が「大臣がいないのは、国会に対して失礼だ」などと主張するために、現状があるわけで、本当にグローバル化時代の政策決定のスピードが勝負の時代に、日本だけがこのような旧態依然たる状態で政治をやっていていいのか、私はそろそろ真剣に見直す時期がきているのではないか、と思います。
確かに憲法で国権の最高機関と位置づけられている国会を政府が軽視してはなりません。しかし、これだけ相互依存が進んだ現代世界にあって、政府が外交分野で充分に国益を増進できなければ、国会での議論も実態の伴わない言葉のやりとりに終わってしまう可能性があります。実際日本の議院内閣制のモデルとも言える英国では、政府要人(特に外務大臣)は、日本と比べて比較にならないほど国際会議に参加しており、それは与野党が認めています。
アジア外交、ODA改革、エネルギー資源問題、テロ対策、感染症問題、北朝鮮問題等々、外交分野の課題が山積し、それらの問題の改善抜きでは国内状況の改善ができない今の時代状況を考えれば、閣僚を国内に縛り付けることはそろそろやめたほうが良い、と思っているのは私だけではないと確信します。与野党で早急に改革の議論をすべきです。
なおロシア滞在中は、中国やロシア政府との二国間会談、ロシア連邦議員等との交流など、他にも大変有意義な機会がありましたが、今日はすでに長く書いたのでまた後日に譲りたいと思います。また、近い将来、ロシアに行きたいと念願しています。