遠山清彦です。最近、私は時局講演会や街頭演説で年金の話に時間を多く割くようになりました。5000万件の年金の加入記録が宙に浮いた問題について、野党の議員が「消えた年金」などと騒いでいますが、捏造に近い発言で非常に遺憾に思います。年金の加入記録の未統合が、即年金が「消える」ことにはなりません。しかも記録が未統合である背景には、選挙になると野党を応援している社会保険庁職員労働組合の怠慢体質にあることが明白なわけですから、厚顔無恥とはこのことです。
以前から野党は、「公的年金は破綻している」などと国民の不安を煽ることにご執心のようですが、破綻と言うからには年金が遅配したり不払いになったりしているという事実がなければ言えないはずです。しかし、圧倒的大多数の国民は年金の給付を遅滞なく受けているわけであり、大げさにいっても「破綻」という表現は使えないはずです。何しろ3000万人もの国民が年金の給付を受けているわけですから、もし仮に日本の年金制度が野党の言うように本当に「破綻」していたら、今頃大暴動が起こっているはずですが、現実には起こっていません。
今、政府・与党は「1年間で5000万件の年金加入記録の調査・統合を図る」ということを法律も国会に提出して国民の皆様にお約束しているわけですが、これについても野党議員がテレビなどで「できない、できない」と否定形の発言を連発して騒いでいます。私は、同じ政治家として情けなく思います。政治家は、本来、「やるか、やらないか」の決断をする職業であり、「できるか、できないか」という議論は評論家にまかせておけばいいのです。私たち公明党の議員は、「やる」と決断したわけですから、万難を排し、あらゆる施策を動員して、約束を実行するのみです。
そもそも野党第1党の民主党こそ、「できない」年金対案を国民に提示して顰蹙を買ってきた政党です。年金保険料を払っていない人も含めた全ての国民に全額税財源の基礎年金を給付すると主張していますが、肝心のこの財源をどこから持ってくるかについてはいまだに明快な説明をしていません。以前は消費税を増税するとはっきり言っていたのですが、最近はそれはやめたようで、余計に実現可能性があやしい「眉唾案」になりました。
また、国民年金と厚生年金の一元化も民主党の元来の主張ですが、国民年金加入者の多くは自営業者であり、厚生年金に加入している給与所得者と違って保険料を半分負担してくれる雇用主=会社が存在しません。自営業者の雇用主は、自分自身なのです。もし民主党案が実現すると、自営業者は所得に応じてサラリーマンよりも倍の保険料を払わされ、それでいて老後に受け取る年金額はサラリーマンと同じという不利益を被ることになります。こういう民主党案の弱点を本当に国民が理解したら、支持する人はほとんどいないと私は考えます。
面白いのは、国会の論戦でこういう民主党の年金案の根本問題を指摘すると、「我々は野党で、官僚が欲しいデータをくれないから、具体的数字で説明できないのだ。何が悪い」と開き直ってきたことです。「よく言うわ!」と私は思っています。なぜなら、民主党のマニフェストを見ると「脱官僚政治」、すなわち「官僚には頼らない」ということをスローガンにして前面に出してきたからです。そのくせ、自党の年金案の弱点を衝かれたら、その責任を官僚のせいにしているわけですから、あいた口が塞がりません。結局、官僚に頼らなければ、自分の年金案の財政的裏づけも提示できない程度のレベルなのです。だったら最初から「脱官僚政治」などとかっこつけなければいいのに、と思います。
要するに民主党の公約と言うのは、実現可能性を無視して、「美味しい結論」だけを国民に提示したものがあまりに多いのです。そこには、「政権さえ奪えればそれでいい、その後日本がどうなるかは、わからん」という無責任な政治姿勢がどうしても見えてきます。その象徴的な事例は年金案だけでなく、例えば以前大騒ぎをしていた「高速道路無料化」という民主党マニフェストの目玉商品もそうです。前々回の衆院選の時は、口を開けば「高速道路無料化」を民主党議員の多くは叫んでいましたが、今となっては、民主党議員の誰もこの公約を叫ぶ人はいません。私が個人的に知っている民主党議員に確認したら、「遠山さん、あんなの最初から実現は無理なんだ。上が勝手に決めて、走り出したから私たちも困ってね」と言うありさまで、国民が実態を知ったら、本当に怒ると思います。
もちろん民主党にも個人的に立派だな、と思う政治家がいることを私も知っています。しかし、党全体としての政策や理念はばらばらで、国民のために団結して日本を良くしよう、という姿勢も極めて弱い政党であることは間違いありません。現状の民主党にもし国の舵取りを任せたら、奇しくも以前の民主党テレビCMが暗示していたように、日本丸という船の舵取りを党首自らが投げ出し、日本丸は難破してしまうでしょう。
この夏の参院選挙を境に、日本が沈没するような状況にしないためにも、是非とも「未来に責任を持つ政治」を推進する公明党を勝たせていただきたいと思います。







