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テロ特措法について(3)

遠山清彦です。昨日の自民党総裁選で福田元官房長官が、新総裁として選出されました。週明けの国会の本会議で正式に総理大臣に就任する予定です。福田さんはなんと言っても「安定感とバランス感覚」の政治家です。それに加えて、意外と頑固なリーダーシップを発揮する人、と私は感じています。誰が総理になっても難局の政界状況ですから、火中の栗を拾ったともいえます。とにかく国民の政治信頼回復のために、福田新総理には粉骨砕身働いていただきたいと思います。

さて、テロ特措法の話題の続きです。テロ特措法が2001年の秋の臨時国会で迅速に成立した背景には、「いかなる理由があってもテロリズムは容認しない」という与野党の国会議員のコンセンサスと、9・11テロで日本人も20人以上犠牲になっているという冷厳な事実があります。さらに、アフガニスタンという国の安定は輸入石油の9割以上を中東地域に依存する日本の国益にとって重大な意義を持つ点にも留意すべきです。

テロ特措法の延長に反対する民主党は参院選に勝利しました。しかし、一見不思議なことに、テロ特措法の延長=海上自衛隊の給油活動継続についての各種世論調査では、継続賛成が常に反対を上回っております。これは、おそらく国民の多くがイラクとアフガニスタンでの国際貢献の違いを理解し、後者については日本の国益にもかなっていると判断しているからだと思います。民主党の国会議員は参院選後、なにかと「民意、民意」とさわいでおりますが、テロ特措法に関する「民意」は、明らかに活動継続ではないでしょうか。

テロ特措法という法律は、国民に幅広く読まれてはおりません。だからあまり知られていないのですが、この法律には次の3つの基本原則があります。

(1)武力による威嚇又は武力の行使を禁止
(2)いわゆる非戦闘地域で活動する
(3)外国での活動は、当該外国の同意がある場合に限る

2001年当時の政府は、この3原則に合致する活動を慎重に検討した結果、現在の海上阻止活動における後方支援としての給油活動を選択し、基本計画に盛り込み国会に報告し、民主党も含めて承認をいただいているわけです。

実際、海上阻止活動は、武力の行使を前提としておりません。アフガニスタン周辺海域を航行する船舶に対し、任意で点検をし、テロリストに密かに物資を供給する流通ルートを制限する作戦を展開しているわけです。それでも、政府は「非戦闘地域」原則に抵触しないよう、給油活動というほとんど武力行使の可能性がない活動に自衛隊のそれを限定したわけです。小沢代表は、国連のお墨付きのあるISAFの治安維持活動ならば日本の自衛隊が参加しても良いとの考えを示唆していますが、日本の憲法の枠内での活動形態を念頭に置くならば、ISAFの活動の方が武力行使禁止原則に抵触する恐れが高いのです。このことからも、政府与党がいかに慎重に自衛隊の活動を決定したか、わかっていただけると思います。

残る最大の問題は、自衛隊が給油した他国の海軍艦船がOEF以外の作戦(例えば、イラク関連の海上作戦)に参加していないか、という問題です。いわゆる給油燃料の目的外使用の問題です。これについては、米国国防省のHPの記述で、あたかも目的外使用をしているかのような誤解を与えるものが掲載されていたため、国会でも大きな問題になりました。しかし、米国防省の報道官は、この記述が誤りであることを記者会見で認め、該当する記述はすでに削除されています。また、日本政府として給油対象国の政府とは、国際約束(交換公文)を締結し、目的外使用をしないということを合意しています。

だた、私も自信がちょっとないのは、日本の海上自衛隊が給油した外国艦船のリストが開示されていないため、具体的な根拠を示して主張を裏付けることができない点があるからです。「軍事機密に関わる」「開示すればテロ組織の知るところとなり、活動に支障をきたす」等の理由は理解できますが、本当に目的外使用をしていないという点は、少なくとも国民には納得できるよう他国の政府および防衛省はもっと説明すべきだと思います。この点さえクリアーされれば、民主党の反対の論拠はほぼ全面的に崩れます。ここは、今後の国会論戦でも焦点の一つになりますから、私も注視をしていきたいと思います。

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2007年09月24日 10:43に投稿されたエントリーのページです。

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