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国会論戦:ODA改革

遠山清彦です。去る10月29日、久しぶりに参議院決算委員会の質疑に立ち、40分間政府に対し、質問を行いました。私は2年前に、集中的にODA改革をテーマに政府(特に外務省)の予算執行のあり方の改善を求めた経緯がありますが、今回は国民にもあまり知られていない外務省以外の他省庁のODAの問題について取り上げました。そして、決算委員会として会計検査院に新たな検査要請をするよう提案をさせていただきました。(これは、必ず実現すると思います。)以下、質疑の中で他省庁ODAに関する部分のみ抜粋して配信します。

参議院決算委員会2007年10月29日議事録(抜粋)

○遠山清彦君 是非、今後似たような問題が発生しないようによろしくお願いをいたします。
 続きまして、ちょっと時間の関係で一問、次の外務省の無償資金プロジェクトの事後評価の質問は飛ばさせていただきます。
 この事後評価の関連で、私、今日お伺いをしたかったのは、外務省以外の各省庁も実はODA予算、プロジェクト、持っております。これについて質問したいと思います。
 まず、財務省に伺いますが、平成十八年度一般会計予算ベースで外務省以外の各省庁に振り分けられているODA予算の中身と総額についてお答えください。

○政府参考人(香川俊介君) 平成十八年度の一般会計のODA予算は七千五百九十七億円ございますが、このうち外務省所管が四千七百三十三億円、その他省庁の所管が二千八百六十四億円となっております。
 この二千八百六十四億円でございますが、うち千九百三十二億円が財務省。このうち、JBICへの出資金が大宗を占めます、千六百五十九億でございます。それから、文部科学省が四百三十二億円。これは留学生交流が大宗を占めることとなります。それから、厚生労働省が九十九億円ございますが、これはWHO、ILO等への拠出金がほとんどでございます。それから、経済産業省が三百二十三億円ございまして、これは専門家の派遣でありますとか研修生の受入れといった技術協力、それからジェトロへの交付金でございます。それから、内閣本府、警察庁、金融庁、総務省、法務省、農林水産省、国土交通省、環境省、合わせて七十八億円。これはほとんどが技術協力、専門家の派遣でありますとか留学生の受入れとか、そういった予算でございます。

○遠山清彦君 外務省にお伺いします。
 今御答弁あったように、政府全体のODA予算、ずっと削られてきているわけでありますが、十八年度、昨年度の予算ベースで七千五百九十七億円あると。外務省はそのうち大体六二%分ぐらいを使っておるわけでございまして、残りは他省庁の所管で使われているわけでございます。一般的にODAというと外務省というイメージがあるわけですが、この予算の数字を見ても、他省庁もかなりの割合を実際には占めているということでございます。
 そこで、外務省にお伺いをいたしますが、外務省は、他省庁のODA予算の使われ方についてどの程度把握をし、また、例えばその使われ方等について国際標準的なODAの評価基準から問題があった場合に助言や勧告を行っているのか、そういう権限は与えられていないかもしれませんけれども。また、他省庁が行った技術協力分野などのODAプロジェクトの事後評価等にかかわっているでしょうか、お答えください。

○政府参考人(小田克起君) 外務省以外の各省庁は、所管する政策目的の実現のため、各々設置法に基づき、それぞれの専門性を生かしつつ事業を実施しているものと承知しております。これらの事業につきましては、国際協力をその内容とすることから、外交政策との整合性の確保や重複を回避することにより我が国ODAの効率的実施に努める必要があると考えております。
 外務省といたしましては、外務省設置法上定められた所掌事務に照らしまして、技術協力連絡会議を開催して各省庁が実施する個別事業について情報交換を行い、また平成十八年度当初からは各省庁の実施予定案件に関する情報をデータベース化しております。こうして得られました情報につきましては、関係在外公館とも共有し、我が国の援助方針とそごがないかの確認はしております。また、各省庁が実施しましたODA事業に関する評価結果につきましても、外務省は毎年、経済協力評価報告書として取りまとめているところでございます。
 なお、各省庁の予算について、各省それぞれが取得したものでございますので、外務省がその執行について勧告を行ったということはございません。
 以上でございます。

○遠山清彦君 今の審議官の御答弁にあったように、高村大臣はよく御存じだと思いますが、他省庁に振り分けられたODA予算というのは実はデータとして集約されていないんですね。私、参議院には今、ODA特別委員会もありますし、それから私、決算委員会でいろんなODAの案件を扱ってきましたけれども、外務省所管のODAとか、あるいは、まあ財務省ですけれども、JBICの関係とかというのはかなり透明性の高い、今まで国民にいろんな御批判もありましたので透明化を図り評価基準も公表してやっているわけでありますが、他省庁というのはほとんどないんですね。
 後ほど若林大臣、農水省のプロジェクトを具体的に取り上げてお聞きしますけれども、例えば農水省所管のODA予算でやっているプロジェクトは、多分、農水委員会ではほとんど取り上げられたことがないんですね。かといって、じゃ外交防衛委員会でも取り上げられないし、あえて言えば予算委員会とか決算委員会、こういうところで取り上げるしかないんですけれども、国民の皆さんも国会議員のほとんどの皆さんもODAイコール外務省になっていますから、ほとんど聞かないんですね。聞かない中で、世界的には事後評価ちゃんとやれというふうになっているのに、そこだけ実は抜けているというふうに私は感じているんです。
 それからもう一つは、政府全体のODA事業を総合的にモニターする機能あるいは援助効果が本当にある事業をやっているのかどうかということを統括する、チェックする機能が政府に欠けておるわけです。これは、国会でも従来から開発援助庁みたいなところをつくればいいんだとかいろんな議論ありましたが、財政再建やっているさなかにそういう新しい行政官庁をつくるわけにはいかないので、私自身としては、後ほど聞きたいと思っていますけれども、何らかの形で政府のODA全体を見る機能なり部署なりをそろそろ明確化した方がいいんではないかというふうに思っているわけです。
 ところで、この私が申し上げた一点目の、他省庁のODAの事業が余りかいま見られていないということの一つの例として、私、若林大臣に意趣はないんですが、農水省のODA予算に焦点を当てて聞かせていただきたいと思います。
 平成十八年度の同省ODA予算は、約四十八億円でございます。その四分の一に当たる約十二億二千七百万円が財団法人海外漁業協力財団に拠出をされております。私、この財団を調べましたけれども、財団の理事長は元水産庁長官、それから常勤の専務理事一名は元財務省、それからもう一名は水産庁の資源管理部審議官、それから非常勤の理事、監事十名ほどおりますけれども、水産庁次長、林野庁長官、水産庁次長、水産庁研究部長と、四名水産庁のOBが入っております。誠に申し訳ないんですが、これ普通に見たら典型的な役人の天下り組織なんですね。そこに農水省のODA予算の四分の一が委託をされているわけでございます。
 そうしますと、大臣、ここで御答弁いただきたいんですが、これ見方によっては何か、農水省のODA予算少ないんですよ、四十八億ですから。しかし、何か農水省というか、この場合、水産庁、林野庁が出てくるわけです。しかも、長官ですけれども、その農水省の役人のOBの天下り先確保というか仕事確保のために農水省のODA予算が使われているという非難をされても致し方ない面があるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(若林正俊君) 海外漁業協力財団におきます役員の構成につきましては、委員が御指摘のとおりでございます。
 しかし、そういう天下りをねらってこういうものをつくったというんではなくて、二百海里の問題が起きまして、公海におきます我が国漁業の領域というのが、大変に今までどおり漁獲をすることが難しい環境が出てきました。そこで、アフリカでありますとかアジアでありますとか、そういう沿岸諸国の水産業の振興開発というものに支援をしながら、我が国の海外漁場を確保するための協力事業というのがないと我が国の漁業が海外において活動する場がだんだんと縮小されていってしまうと、そういう事態に直面したわけでございます。そういう中で、海外漁業の協力を通じまして、我が国の海外漁場を確保するための協力事業を実施するという趣旨で設けられたものでございます。
 この財団が、農林水産省出身の理事等が委員御指摘のとおりおられるわけでありますが、水産行政とか開発途上国への支援の経験と、これは従来から公海におきます漁業の活動というものは海外と、海外諸国と非常に関連が深い、連携を取りながらやってきたということがございますので、それらの経験を有する人たちを、それぞれ財団の運営に必要な見識があり、役員としてふさわしい人材であるということで、これ財団でございます、その財団自身の判断によりまして理事への就任が依頼され、そしてそれぞれが理事に就任したものと、このように理解をしております。

○遠山清彦君 若林大臣、私、漁業における海外協力、それから二百海里の問題の重要性、認識をいたしております。
 ただ、例えば大臣、今のおっしゃったことからいうと、ランクでナンバーツーになっております専務理事の、常勤の専務理事の方は関東財務局長出身ですから、全然漁業に詳しくない方で、ただこれは財務省のOBですから、大臣が擁護する必要はないと思いますけれども、そういう面もございます。
 それからもう一つ、大臣、この財団がちゃんとODAの評価基準に堪え得る仕事をしていれば、私はそんなに批判的ではないんですね。この財団のホームページを私、拝見したんですが、評価委員会というのが設置をされていて、それで有識者評価委員による現地評価調査というのをやっていますと書いてあるんです。ただ、インターネットでは一般論しか書いていなくて、具体的にどういう評価をして、どういう成果を出したのかが全く国民の供覧に付されていないんですね。
 私、先週の金曜日、質問通告のときに要求をいたしまして、今朝、この三冊、今持っていますけれども、この財団が作った海外漁業協力事業評価報告書をいただきました。ちょっと苦言呈せば、二〇〇六年度のやつは、一ページ目開いたら全部逆さまの英語が出てきまして、製本ミスの評価書を持ってきて、ちょっと心情は害したんですが、それはおいておきまして、例えば直近の二〇〇七年の七月に財団が出された報告書なんですけれども、これは財団から聞いたら、大体一年間で二十件ぐらいの案件をODA、やっていると言っているんですけれども、事業評価したのは一件だけなんですね、キリバスの。だから、私はこの評価システム自体は、冒頭にずっとこれ毎年同じ内容が出されているんですが、冒頭の評価基準はこうですよ、視点はこうですよとか、フローチャートとか、これはなかなか専門性があるなと私は見直しました。
 しかしながら、それを使って実際に調査したプロジェクトは一個しかないというふうになりますと、やっぱり国民の血税を原資としたODA予算が十億円以上入っているわけですから、これは幾ら農水省といっても、だから、結局、若林大臣おっしゃったように、水産行政に明るい方々だから役人のOBが天下ってもいいんだと、そうおっしゃるならば、もっと専門家が見ても国民が見ても、ああ、これだけの事業をやってこれだけの評価をやって、これだけの国益に貢献しているんだなと分かるものじゃないと、これだとちょっと私は大臣の先ほどの御答弁が、大臣のせいじゃないですよ、現場でやっているこのプロジェクトとその評価の内容のレベルから見ると、ちょっと浮いてしまうのかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。これは水産庁長官、答えるの。

○政府参考人(山田修路君) 海外漁業協力財団におきますその評価でございますが、これはただいま遠山委員から御指摘がありましたように、ガイドラインをつくり実施をしているということで、実施の仕方につきましては委員からお話がありましたように、四つの段階で、事前評価、中間評価、それから終了時評価、事後評価という形でやっております。それから、評価の基準については、OECDのDACの委員会でつくりました五つの評価項目にプラスして、先ほど大臣からお話ししましたように、海外漁場の確保との関連性も見るということで、財団独自の基準もプラスして実施をしている状況でございます。
 それで、委員が御指摘がありましたその報告、あるいは実際にどういう形で実施をしているかということなんですが、この財団の評価につきましては、内部の委員会と外部の第三者委員会がございます。内部の委員会におきましては、対象となる事業についてはすべて目を通して実施をしております。ところが、外部の委員会にお願いをするのは、外部が実際に外部委員会の委員の方々、現地へ行って見るもの、それについてはそこに報告しております一件、外部委員会が現地へ行って調査をしたということでございまして、内部委員会の評価の結果はその外部委員会に出して、チェックをしていただいております。そこの報告書でまとまっておりますのは現地調査のものを詳細に報告しているということでございまして、一応その内部委員会ですべて見て、その状況は外部委員会に報告し、更に外部委員会が現地調査をしてその報告書がそこにまとまっていると、こういう形でございます。

○遠山清彦君 いや、そしたら何で私のところにその内部委員会が評価したものを持ってこないんですか。与党の議員でもね、資料要求したって持ってこないんだから。だから、そういう隠ぺい体質なんだ。
 で、大体、長官ね、そういうこと言うんだったら、じゃ、この海外漁業協力事業の評価なんて、私が多分取り上げるまでだれも興味ありませんよ、国会議員も国民も。だけど、国民の血税十億以上使っているんだから、ちゃんと私に言われなくたってインターネットに公表しなさいよ、自信あるんだったら。それをやらずに言い訳するから、言い訳するから、ちょっとこうやって怒っちゃうんですよ。
 それから、あと内部評価委員会が全部のプロジェクトちゃんと評価しているんだったら、それも見せてくださいよ。外務省は今やっていますよ、ちゃんとそういうことを。それはやる前は私、怒りましたけれどもね。あの無償協力のあの評価をちゃんとやってなかったから。今は物すごいやっている。だから、私は委員長に、ここに、もう時間なくなってきたので、怒って忘れる前に提案します。提案いたします。
 理事会の協議に後刻、付していただきたいと思いますが、会計検査院に対して、当委員会として、外務省以外の他省庁のODAのプロジェクトについて、特に援助効果が本当に上がっているのかどうか、こういう観点から検査を要請することを御検討いただきたいと思います。

○委員長(小川敏夫君) ただいまの申入れにつきましては、後刻理事会で協議いたします。

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2007年11月02日 12:49に投稿されたエントリーのページです。

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