遠山清彦です。沖縄から東京に戻りましたが、本当に寒いですね。(北海道、東北は、もっと寒いでしょうが。)昨日は、静岡県富士市の党総支部の会合に日帰りで行き、国会事務所に戻りました。東京は大雪になりそうです。お互い、体調管理には気をつけ、この冬を乗り切りたいと思います。
さて、前回のメルマガでつなぎ法案のことを書きましたが、周知のとおり、衆参両院議長の仲介により与野党の幹事長が合意・署名して、つなぎ法案は取り下げられ、国会は正常化。参院予算委員会では、粛々と平成19年度補正予算の審議が行われています。来週半ばには、採決が行われますが、野党が多数を占める参院で否決されても衆院で再可決されれば、無事成立します。
つなぎ法案をめぐる与野党幹事長の合意内容は、私にとっては嬉しいものでした。理由の第一は、道路特定財源の問題について、「年度内に一定の結論を得る」という決定がなされたことです。表現があいまいなので、民主党の鳩山幹事長は、年度内に採決するとは限らないと盛んに示唆しているようですが、同党出身の江田参院議長は、河野衆院議長と同様、年度内(3月31日まで)に国会としてこの問題に決着をつける意味と発言をしているわけですから、民主党および他の野党は約束をきちんと履行してもらいたいと思います。万が一、この問題を政争の具として悪用し、ガソリン料金が一時的に乱高下するような事態に陥れば、国民生活に甚大な影響を及ぼします。その全責任は民主党にあると今から断言しておきます。
第二に、合意の2項で、与野党で合意した場合に、税法の修正をする、ということが明言されたことを歓迎します。今後、国会審議や与野党協議を通じ、暫定税率の問題、道路事業の水準およびその財源について、徹底審議が行われ、もし与野党で修正合意できる部分が出てくれば、今の政府与党案も変わる可能性が出てきました。すでに民主党幹部も、暫定税率の全廃ではなく、暫定税率維持の期間(政府案では10年)の短縮で妥協する可能性を示唆したりして、ぶれています。公明党は、10年間で59兆円の道路整備中期計画の見直しのための与野党協議機関の設置を提案しています。もし、この整備事業の総額が変われば、必要となる財源規模も変わります。余剰財源が発生した場合は、その財源を一般財源化して道路整備以外の目的で使うか、あるいは減税して自動車ユーザーに還元するか、の判断が必要になってくると思います。私個人としては、一定の、小規模の一般財源化は容認しますが、余剰財源の見込みが出た場合は、二重課税になっている消費税相当分や自動車重量税の暫定税率分あるいは軽油引取税の暫定税率分などを減税してもいいのではないか、と考えています。
今日の一連の関連報道を見ると、民主党内はかなり混乱しているようです。同党所属の参院議員9名が、直嶋政調会長に暫定税率廃止(2.6兆円の減収)の場合の「代替財源の明示」を求める質問書を出したり、今日の民主党全国政策責任者の会合でも、地方の減収分を補う財源案の具体的中身の提示を求める厳しい意見が相次いだようです。民主党本部は、2.6兆円削っても、地方の道路整備の現行水準は維持すると主張していますが、代替財源を明示しない限り、絵に描いた餅にすぎません。(いつものパターンですが。)
同党が主張する代替財源らしきものは、道路整備事業の地方負担分をなくして全て国が負担するようにするという案ですが、仮に暫定税率を廃止されると国の道路財源は約1.7兆円減るわけで、そのうえさらに地方負担分(都道府県分は、0.6兆、市町村分は0.3兆円)を肩代わりするとなると、建設国債(=未来世代の借金)の乱発でまかなうか、他の財源から道路予算を確保するか、いずれにしても非現実的か無責任極まりない机上の空論になります。私が言うまでもなく、民主党の地方組織からもこの点について不安の声が出ているわけですから、目も当てられない、とはこのことです。
それにしても、無惨というか、あわれなのは、民主党の『ガソリン値下げ隊』の諸君です。「ガソリン料金(リッターあたり)を、25円値上げします!いや、値下げします!」などと、街頭で気勢をあげ、つなぎ法案騒動の際には、国会内に腕まくりで現れ「議場封鎖も辞さない!」などと意気軒昂だったわけですが、あっさり与党と合意した民主党幹部にはしごをはずされ、今振り返れば「茶番の極み」を演じていたにすぎません。民主党の当初戦略は、暫定税率の一時的な期限切れを3月末に実現し、それで生じた国民生活の混乱を追い風として衆院解散・総選挙に打って出るというものでしたが、今や小沢代表自身が「選挙は、1年半以内」という当たり前のこと(任期が来年9月)を言い出し、『ガソリン値下げ隊』の諸君の役割というか戦略的価値は限りなくゼロに近いことが露呈する始末。『ガソリン値下げ隊』の解隊式が行われたという話は全く聞きませんが、国民もマスコミも誰も期待していないことは、本人たちが一番自覚しているのではないでしょうか。まことに、哀れと言うしか、ありません。
最後に、一部の評論家が、「暫定税率廃止で2・6兆円減税が実現できる。これは、以前の所得税の定率減税と同規模なので、景気浮揚につながる」などと主張しているようですが、暴論だと指摘しておきます。そもそも、道路特定財源の減税の恩恵は国民全体ではなくあくまで自動車ユーザーという特定の国民にしか及びません。それに、燃料税の減税によって公害が進んだ場合、その対策コストが上がりますし、2.6兆円もの公共事業費削減により生じる失業や給与の低下などへの対応コストもあがるので、単純に国家経済が好転すると断ずるには大きな無理があると思います。
繰り返しになりますが、私の立場は「国民生活を向上させたり地域活性化につながる必要な道路を作る財源と、道路の維持管理・補修に必要な財源は確保するべきだが、その上で余剰財源(の少なくとも一部)は減税という形で自動車ユーザーに還元できるよう政府は努力すべきだ」というものです。民主党の案は、ポピュリスト的暴論であるがゆえに、反対です。ただ、今後の議論で、実現可能性のある道路整備計画の縮小や暫定税率の縮小が出てくるよう、政治家は知恵を絞る必要があると思っているのです。







