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法務省の仕事

遠山清彦です。参院法務委員長をさせていただいているので、毎日のように法務省職員の来訪を受け、色々な説明を聞いたり、意見交換をしたりします。法務省というと多くの国民にとっては、なにか専門的で敷居が高く、縁遠い感じがする役所だと思います。が、こうやって日常的な関係を持つと、他の省庁と同様に国民生活に大きな関わりを持つところだなあ、と私自身感じ始めました。

先週には、「成人年齢を現在の20歳から18歳に下げるべきかどうか」について、法制審議会という所で1年かけた本格的議論が始まることについて、説明を受けました。これは、憲法改正の手続法である国民投票法が成立した際、その選挙権を18歳にする方針が明記されたため、「だいたい選挙権が18歳の国は、成人年齢も18歳だ」という国際的現実もあり、本格的に検討されることになったわけです。成人年齢をもし変更することになると、日本の民法上の大変革であり、仕事や結婚、飲酒やたばこなど様々な面で私達の生活に大きな影響が出ます。直接的に影響が出る法律も190本ほどあるとか。

私自身は、公明党の青年局長を5年間務める間、ずっと「選挙権を18歳に引き下げるべきだ!」という主張をしてきましたから、その延長で考えるとそれを実現するために成人年齢を引き下げることには、思わず賛成したい気持ちが出てきます。忘れられないのは、同じ与党の自民党議員とこの件で議論したときに、「18歳や19歳の若者自ら選挙権を望んでいないのでは」とか「20歳前の日本の若者は未成熟で国民の代表たる議員を選ぶ判断力は弱い」とか、反論されて、ムッとして「だったら、なぜ18歳で運転免許証を取れるのか」「諸外国の18歳の若者はそういう判断力があって、日本の18歳にそういう判断力がないという生物学的・民族学的根拠はあるのか」などと再反論したことがあります。ただ、その時は、自民党が本当にやる気がなくて、議論は棚上げになりました。それが、国民投票法成立を契機として法制審議会という法改正のための最も権威ある機関で議論されることになり、嬉しくて仕方ありません。

ただ、結論がどうなるかは、わかりません。選挙権だけならともかく、仕事や生活面での影響、あるいは高校生の段階で成人することの教育現場への影響など、色々と難しい論点が出てくる可能性もあります。18歳選挙権は公明党の公約ですから、それが実現することを祈りつつも、成人年齢の引き下げについては国民的議論をしなくちゃなりませんし、そういう意味では慎重に見守る姿勢も重要かな、と感じています。

ところで、昨日は、二重国籍の問題で法務省の担当官と意見交換しました。日本の法律では重国籍は原則禁止です。父母両系血統主義というとよくわからないかもしれませんが、要するに父母のどちらかが日本人であればその子供は一応日本国籍を取得します。しかし、海外で出生し、その生まれた外国の国籍も属地主義で付与された場合、22歳になった時点で日本かその外国の国籍を選択しなければなりません。ところが、国際結婚し海外居住する日本人親の中には様々な理由から自分の子供に2つの国籍を維持させたい人たちが少なからずおり、私にも海外から「どうして重国籍で駄目なんですか?」という問い合わせがきます。

法務省の説明では、重国籍は法律上認められていないので、「駄目は駄目」と言うしかないのですが、しかし、そうやって国籍を選択しなかった(=つまり重国籍のままいる)人に対して法務大臣は国籍選択するよう催告を出したことが過去一度もないのです。催告が届いた場合は、1ヶ月以内に日本か外国国籍どちらを選択したか当局に届け出ないと、自動的に日本国籍を失うことになっていますが、何しろ誰もそういう催告をもらった人がいないので、そうやって日本国籍を失った人も過去に一人もいないのです。法律では禁じられているが、現実には許されている?という奇妙な実態が重国籍問題にはあります。私個人としては、海外で重国籍を容認する国が増えていることもあり、それほど国籍選択を厳格にする必要があるのか、と感じていますが、法律で明示的に容認することに対する反発も政府与党内にはあるようです。今後、この問題が大きくクローズアップされる時がくるかもしれません。

最近、東野圭吾氏のベストセラー小説『手紙』を読んだので、犯罪加害者とその家族の問題についても書きたいのですが、長くなるのでまたの機会に譲ります。犯罪をめぐる加害者・被害者の諸問題も、法務省の世界です。私も委員会で議事采配をしているだけでなく、これらの深刻な課題を日々勉強していきたいと決意しています。

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2008年02月05日 13:25に投稿されたエントリーのページです。

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