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議員座談会 21世紀の政治を拓く公明党<3>

世界の中の日本
人権、環境、人材育成支援など
「人間の安全保障」を基本に

冬柴 最近、公明党が苦慮した問題に小泉首相の靖国神社参拝があります。これは、8月15日に首相参拝となると、国民は靖国神社を特別扱いしていると意識しますので、それでは取り返しがつかないことになると私は思っていました。

 もう一つは、8月15日は戦前と戦後を分ける非常に重要な日ということです。韓国では「光復節」ということで、祭日の中で最も重要な日にしているわけです。

 その日に首相が靖国神社に参拝することは、私にはどうしても応じられないことでした。一部の新聞で、私が(公明党の)政権離脱うんぬんを言ったと報道されましたが、私が言ったことは、「政権離脱は私が言えることではありません。これは国政全体が大混乱することですから、党がしかるべき機関で協議することです。しかし、冬柴鉄三が個人としてどう思うかは別ですよ。15日に行かれるのであれば、私は協力はできない。幹事長は辞めます」と。そういう気持ちでした。

白浜 結果として、首相は15日には参拝せず、前倒しして13日に参拝した。もし参拝が15日より後だったら、中国の主張に屈したなどとして、おそらく小泉政権は持たなかったのではないでしょうか。そういう意味で首相は13日を選択したのかな、という感じがします。

冬柴 こういうことが毎年起きるのは困るので、公明党は米国のパンチボールやアーリントンのような国立墓地か、戦没者や殉職者の追悼施設を早急につくるよう提言しています。具体的な議論は始まっていませんが、近隣諸国のことも考えると、こうした形での解決しかないのでは、という気がしていますし、今後も、強く働きかけていきます。

木庭 われわれ公明党が靖国神社や歴史教科書の問題に対していろいろ努力していることを、日本国内だけでなく、韓国も中国の方々も高く評価してくださっていることは、いろいろな人からの情報で承知しています。「与党の中に公明党がいてよかった」ともおっしゃっていただいています。

山口 そうした問題と連動する形で今、21世紀の日本がどういう国であるべきかが、国際社会の中で問われていると言えます。つまり、「平和立国」として、日本が国際社会をどうリードしていくか、ということであり、わが国外交も正念場を迎えています。

積極的に「非核」化支援を

山本 まさにその通りで、一つには、近隣諸国との外交を成熟させることが大切だと思います。

 私は外務省勤務時代、カザフスタンにいたことがありますが、同国は旧ソ連時代、何度も原爆実験が行われたところです。日本政府としてこれまで同国へ医療分野の支援をやっていますが、あまり知られていません。日本は唯一の被爆国という立場からこうした支援のほか、「非核」化支援を積極的に行い、国際社会の中で、それをアピールしていくという、長期的な展望に立った政策を打ち出していく必要があると思います。

遠山 外務省の来年度予算概算要求の中に、NGO(非政府組織)との連携強化ということがODA(政府開発援助)予算の大きな項目として挙げられています。こういう動きは非常に歓迎したいと思います。

 というのも、アメリカやドイツでは、ODA予算の10%近くをNGOに振り分けています。日本では、NGOに政府がお金を出すことに対し、政府、NGOの双方から懸念があり、進んできませんでした。政府ではない民間のNGOだからこそできる援助活動、開発支援もあるというのが国際的な流れであり、このNGOとの連携をもっと強化し、積極的に支援しなければなりません。

 昨年、国際緊急援助を迅速に行う「ジャパン・プラットホーム」というシステムが外務省、経団連、NGOの三者が連携を密にして発足しましたが、こういったものを、もっと力強く進めていくべきではないでしょうか。

山口 平和創出への日本の役割ですが、概算要求の中で紛争予防、平和構築の予算として100億円が計上されています。紛争予防というと軍事的な活動を連想しがちですが、現在、世界各地で起きている紛争を軍事活動になる前に防ぐということです。これは、貧富の格差是正など、軍隊が絡まなくてもいい平和構築活動があるという点から世界的に認知されてきています。こうした面にはもっと積極的に力をいれるべきです。

沖縄をアジアの平和拠点に

遠山 私は、沖縄に国連機関を誘致したいと参院選の公約に掲げて、大きな支援をいただきました。沖縄は、地理的、歴史的、現在の政治の流れという三つの点で、平和構築に大きな役割を果たせると思っています。

 地理的には、本土よりも中国、台湾に近く、アジア太平洋の中心的な位置にあり、この沖縄を「平和の拠点」にしていくことで、日本のアジア太平洋地域における外交戦略の選択肢が広がると思います。

 歴史的には琉球王朝時代から、武器を全く使わずに貿易立国として生きてきました。文化的・歴史的に非武装・非暴力という精神が沖縄には流れていますが、戦後、米軍基地が集中し、不幸な事件が起きています。

 こうした地理的、歴史的、そして米軍基地の負担を一手に担い、苦しんできた現代史の上からも、沖縄を国連シティー(都市)、国際シティーにすることを政府としてしっかり支援し、沖縄を観光と基地だけでなく、国際平和、特にアジア太平洋地域の平和の拠点にしていくべきです。

冬柴 日本では、ともすると国際貢献というのは武力行使を目的にしたところに顔を出すことのように思われています。例えば法律で参加を縛られているPKF(国連平和維持隊)の凍結解除の議論もそうです。それは国際社会への貢献の一部であっても外交のすべてではないのですが、外交そのもののように思われがちなのです。

 そういうことを考え合わせると私は、今後、外交の基軸は「人間の安全保障」に力を入れるべきだと思います。人材育成、環境などへの支援や、人権など人間の尊厳に目を向けた基金などに日本が資金を拠出し、それを日本の外交の起点に据えていくべきだと思います。

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