遠山清彦参院議員が党中央幹事会で報告
日本の支援に高い評価
公明党の遠山清彦参院議員は、パキスタンでのアフガニスタン難民の現状調査のため、米英によるタリバン空爆が始まる前の今月5日から4日間、現地を視察した。11日の党中央幹事会で遠山氏は、パキスタンの国内情勢などについて次のように報告した(要旨)。
空爆直後も国内は平静
自衛隊の難民救援を期待
5日にパキスタンのイスラマバードに入り、6日には、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の関係者らと情報交換を行った。6日夜、以前から協力関係にあるNGO(非政府組織)の力添えを得て、アフガニスタンとの国境まで50キロほどのペシャワルという街に入った。
翌7日、難民キャンプを視察するつもりだったが、治安状況の悪化で政府関係ルートでは許可が下りず、結局、NGOの個人的な関係を生かし、パキスタンの伝統衣装を着てパキスタン人にまぎれ込む形で、ようやく1時間ほど一つの難民キャンプを視察することができた。その日の夜10時ごろに空爆が始まり、イスラマバードに引き返す、という行程だった。
8割以上が大統領の方針を支持
まず、パキスタン国内の現状だが、一言で言って、日本のメディアの報道とは少し違う印象を受けた。反米デモが盛んに展開されているように報道されているが、約1億4000万人のパキスタン国民の少なくとも8割から9割は、米国の行動を支持したムシャラフ大統領の方針を強く支持しているというのが、私が現地で得た感触だ。
確かに反米デモは空爆の前にも後にもクエッタやカラチ、ペシャワルで起きていた。しかし、例えば人口約600万人のペシャワルで仮に1万人のデモが行われたとしても、社会的に大きな影響はない。事実、空爆が開始された夜、私はペシャワルからイスラマバードまで移動したが、非常に平穏だった。3日間ほど滞在したイスラマバードでも大きな暴動や米国への怒りの行動などを見ることはなかった。クエッタではかなり激しい反応があったが、クエッタはタリバン幹部の子弟が学ぶ神学校が集中している地域でもあり、そこで何も起きない方がむしろ不思議だ。そうした特殊な地域を除けばパキスタン国内は、いたって平穏といっていい状況だった。
日本の支援では、まず日本が最初に表明した47億円の支援がある。これについては、国連とパキスタン政府の両方から大変に感謝されていることが分かった。その一番大きな特徴は5億円の人道支援。日本が5億円をパキスタン政府に供与し、パキスタン政府がUNHCRに寄託して人道支援を行うもので、外貨不足で苦しむパキスタン政府の財政を助けると同時に、国連も2国間援助で確実に資金を受けられる。この日本の貢献については、私も国連事務所で、直接、非常に高い評価の声を聞いてきた。
PKO(国連平和維持活動)協力法に基づいて自衛隊が輸送した難民キャンプ向けのテントなどの援助物資も、現地で非常に歓迎されていた。パキスタン国内には約200万人の難民がいて、120万人がキャンプで生活している(203の難民村に居住。これらは127のグループに分けられており、このうち105グループがペシャワルを中心とした北西国境地帯にある)。しかし、残念ながら80万人の難民がスラム街などに流入して路上生活を強いられており、人道的に大変に厳しい状況にあるという。今後、さらに100万人程度の新たな難民が発生すると見られていて、国連事務所の関係者が言うには、援助物資はもっとほしいくらいだというのが率直な感想で、日本の迅速な対応に大変に感謝していた。
日本の貢献、具体策提示が急務
日本が行おうとしている、新法による自衛隊の難民・医療支援などについても、現地で多くの人から意見を聞いてみた。
そのなかに、日本が一体何ができるのかというメニューを国際社会とパキスタン政府に提示することがまず大事だ、という意見があった。
先ほど報告した通り、難民の増加で予想される人道的被害は誠に甚大だ。これに対応するには、国連機関やNGOだけでは無理で、統率のとれた組織がかかわらなければ流入する難民の援助は不可能だというのが、現地の専門家たちの一致した見解だ。
その一方で、パキスタン軍が難民支援を行うかどうかが焦点となるが、パキスタン軍には人道支援や災害救助の経験がなく、国連もあまり期待していない。
そうした状況の中で、日本が「自衛隊による難民支援、人道支援ができますよ」と具体策を提示することによって、これをパキスタン側が断れば、逆にパキスタン政府は自国の軍隊を使って人道支援をしなければならなくなることから、日本が具体的な支援策を提示すること自体に大きな意味があると、国連関係者から指摘されたのが強く印象に残った。
自衛隊の活動として何ができるのかについても、ペシャワルのUNHCR事務所で具体的に話を聞いてきた。
一つは、アフガニスタンとパキスタンの国境には山岳地帯が広がっていて、道路の状況が非常に悪い。そこで、道路の整備等が緊急の課題になっている。
もう一つは、車両の整備だ。パキスタン政府は外国の新車輸入に280%の関税をかけていて、なかなか車を調達できない。国連も、仕方なく質の悪い中古車を使用しているが、50?60台が動かないという。一部のNGOが行っているようだが、1台の車を修理するのに1カ月かかっているとのことで、日本の自衛隊が来て車の修理をやってくれれば物資の輸送に大いに役立つのでありがたい、とのことだった。
ともあれ、衛生状態もわるいし、アフガニスタンとの国境に行けば、普通の村人たちまでが銃を持っているという状況で、自衛隊とかNGOとかにかかわらず、非常に厳しい状況で、自衛隊とかNGOとかにかかわらず、非常に厳しい環境の中で仕事をすることになる。もし送り出すのであれば、精神的にも物理的にも行く人たちが思う存分活動できるような環境を整えなければいけないと、私自身、現地に身を置いて実感してきた。
(公明新聞)