国会議員年金 現行は廃止・抜本改革を
国民から厳しい批判を浴びている国会議員の年金について、公明党は現行制度の廃止・抜本改革を一貫して主張している。現行制度で指摘されている問題点と公明党の取り組みをまとめるとともに、参考に海外の議員年金制度を紹介する。
手直しでは解決できぬ
国民に理解される公正な制度に
公明が調査会で意見陳述
国会議員年金は、1958年に制定された国会議員互助年金法に基づき、支給されている。国会法第36条には「議員は、別に定めるところにより、退職金を受けることができる」との規定があり、議員年金は退職金代わりに導入された。
給付は大別すると、在職10年以上を対象とする互助年金と、在職3年以上10年未満を対象とする互助一時金(在職期間に納めた納付金の80%)の2種類があり、それぞれに遺族年金も設けられている。
このうち互助年金の受給額は現在、<表上>の通りで、在職10年で月34万3333円。最高額は在職50年で月61万8000円となる。
議員年金の問題点として指摘されているのは、(1)給付財源の不足が国庫負担で賄われている(現在約70%)(2)在職10年で高額の年金を受給できる(3)他の公的被用者年金(2階部分)や地方議員年金との併給が可能である――ことなどだ。
公的年金において、基礎年金の国庫負担割合を33%から50%に引き上げるのに必死の努力を重ねている一方で、議員年金の国庫負担が既に約70%に達していることが、不公平感を生み出す一つの象徴となっている。
海外では、ほとんどの先進国で国会議員の退職(老齢)年金制度が存在する(イギリス上院、ドイツ連邦参議院、スイス議会はない)。<表下>に欧州諸国と日本の制度を比較した。
青年局長ら 272万人の署名提出
公明党は国会議員年金について、議論が活発化した本年初頭から、公正な第3者機関による検討を主張。党内的には2月に「議員年金・秘書問題検討ワーキングチーム」(座長=西博義衆院議員)を設置し、議論を重ねてきた。
そして5月14日の党代議士会で、現行制度は廃止して、抜本改革をめざすことを確認。同日、東順治国会対策委員長が河野洋平衆院議長に会い、公明党の考えを伝えるとともに、衆参両院議長のもとに第3者機関を早急に設置して、検討を急ぐよう求めた。
また、6月15日には遠山清彦青年局長らが河野衆院議長と倉田寛之参院議長(当時)に会い、約272万人の署名を添えて、現行制度の廃止・抜本改革ならびに第3者機関での審議促進を申し入れた。
こうした公明党の取り組みを受けて、同月16日に第3者機関「国会議員の互助年金等に関する調査会」が発足。9月22日までに8回の会合を開き、関係者からのヒアリングを精力的に展開した。
公明党は同調査会での意見陳述で、「国民の理解が得られる公正な制度の確立を」(9月8日、西衆院議員)、「手直しで解決できるものではない」(同22日、木庭健太郎参院議員)などと、現行制度の廃止・抜本改革を強く主張した。
調査会は年内にも答申をまとめる方針だ。
日本の国会議員互助年金の受給額 |
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在職年数 |
年額 |
月額 |
10年 |
412万0000円 |
34万3333円 |
20年 |
494万4000円 |
41万2000円 |
35年 |
618万0000円 |
51万5000円 |
50年 |
741万6000円 |
61万8000円 |
(参考)本人の拠出は月10万3000円と期末手当の0.5% |
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| 欧州諸国と日本の国会議員退職年金制度の比較 | ||||
| 国 | イギリス | フランス | ドイツ | 日本 |
| 制度の名称 | <下院議員対象> 英国議会拠出年金基金 (上院議員は制度なし) |
<上院議員対象> 元上院議員退職独立金庫 <下院議員対象> 元下院議員年金金庫 |
<連邦議会議員対象> 老齢補償給付 |
<国会議員対象> 国会議員互助年金制度 |
| 財源 | 本人の拠出金 歳費の9% 国の拠出金 歳費の7.5% |
本人の拠出金 <上院>歳費の6% <下院>歳費の7.85% 議会の拠出金 本人の拠出金の2倍 国庫負担 <下院>不足財源を補てん |
本人の拠出金 なし 国庫負担 全額を負担 |
本人の拠出金 歳費月額の10%と期末手当の0.5% 国庫負担 不足財源を補てん |
| 退職年金(満額)の受給要件 | ・65歳以上 ・在職16年かつ64歳以上 ・在職17年かつ63歳以上 ・在職18年かつ62歳以上 ・在職19年かつ61歳以上 ・在職20年かつ60歳以上 |
<上院>53歳以上 <下院>60歳以上 |
在職8年かつ65歳以上 (在職が1年増えるごとに支給開始年齢を1歳引き下げ。最低支給開始年齢は満55歳) |
在職10年かつ65歳以上 (支給開始年齢については経過措置あり) |
| 給付額の算定式 | 基準歳費×2.5%×在職年数 *基準歳費=最終12カ月分 |
歳費×2.25%×在職年数 | 歳費×3%×在職年数 | 在職1?10年目 基準歳費×5/150×在職年数 在職11年目? 基準歳費×1/150×(在職年数?10) *基準歳費=退職時歳費年額 |
| 給付実績 | (2002年度) 受給者数 493人 平均給付額 年269万円 |
(2003年現在) 平均給付額 <上院>年496万円 <下院>年352万円 |
(2003年度予算ベース) 給付総額 35億8718万円 *ただし遺族給付を含む |
(2003年度予算ベース) 受給者数 450人 平均給付額 年約432万円 |
| 在職10年の給付額 | 年272万円 | 年244万円 | 年338万円 | 年412万円 |
| 在職20年の給付額 | 年544万円 | 年487万円 | 年676万円 | 年494万円 |
| (参考) 現行歳費 |
(2003年4月?) 1088万円 |
(2004年) 1083万円 |
(2003年) 1127万円 |
(2003年度) 約2059万円(期末手当を含む) |
| (注) 為替レートの換算率は、2004年3月分報告省令レートに基づき、1ドル=106円、1ポンド=193円、1ユーロ=134円。 「欧州主要国の国会議員年金制度」(国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 445)をもとに作成 |
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(公明新聞:2004年10月6日付)






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