国会議事録

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テロ風評被害について

○遠山清彦君

公明党の遠山清彦でございます。

今、北の議論が続いておりましたのに、また南の方に戻しまして、沖縄 の問題を私は取り上げたいと思いますが、もうずっとテロが起こってから 長い間、沖縄の経済がテロの風評被害によって大きな打撃を受けたとい うことで議論になっております。

きょうの委員会では、尾身大臣の方から大分ムードが変わってきたとい うようなお話がありまして、政府の方も四億円を投じて「だいじょうぶさぁ ?沖縄」というキャンペーンをやられて大分雰囲気が変わってきたという ことなんですが、私も本年、沖縄に十二回ほど行っておりまして、テロの 前とテロが起こった後と比較をしてみますと、やはり数字でも、当然、宿 泊予約のキャンセルが今日まで延べ人数で約四十五万人という大規模 なものであります。修学旅行の話もきょう出ましたけれども、十七万六千 五百人がキャンセルをしている。実は、昨年修学旅行で沖縄を訪れた生 徒というのは合計で三十万三千六百人という数字がありますので、昨年 一年間の半数以上の修学旅行の生徒がキャンセルをしてしまったという ことなんですね。

ですから、今ムードが大分変わりつつあるということもあると思いますけ れども、しかし、このテロが起こってから二カ月、三カ月の間に受けた打 撃を回復するということは、これはやっぱり容易ならざるものじゃないかな というふうに私は思っておりますので、今後とも、この委員会も、あるいは 国会においても、あるいは政府におかれましても、これは気の緩むことな く取り組んでいかなきゃいけない問題かなというふうに思っております。

私は、十月十九日の参議院の本会議の代表質問で、観光業界、特に 政府の方は、先に中小企業の支援というものを沖縄公庫を通じてやる政 策を打ち出してこの段階でおりましたので、大手、中堅の観光業界の企 業が大変苦しんでいるというような窮状を訴えまして、大手の場合はパー トさんとかあるいは就職で新卒の学生を受け入れるという意味で非常に 雇用に大きな影響を与えるところでもありますので、ぜひ政府の一層の 支援をお願いしますということで言っておりました。

実は、この委員会で、もし何もこのフォローアップがなされていなかった ら、私は与党の一員なんですが、追及をさせていただこうと思っていたわ けですが、何と昨日、沖縄公庫で記者会見が朝十時にありまして、大手 観光関連業者への融資支援の強化というものが正式に打ち出されてきょ うからスタートするということで、私の怒りは感謝に変わりまして、尾身大 臣また仲村副大臣初め内閣府の皆様の御尽力に大変敬意と感謝を表 すものでございます。

それで、きょうはまず、このきのう発表された融資支援の強化について 若干突っ込んだお話を伺って、また、私の方からさらに新しい支援のあり 方について提言をさせていただこうというふうに思っております。

この大手の観光関連業者への融資支援でありますけれども、まず貸し 付けの限度額というところで、困っている企業が必要としている資金の七 割ということになっているわけでありますが、これはどうして七割なんで しょうか。

○政府参考人(武田宗高君)

御説明申し上げます。

政府では、沖縄への修学旅行等の大量キャンセルということを踏まえ て、観光業者が売り上げの急減とか資金繰りの悪化ということで苦労して いるということで、十月二十九日に中小についての融資制度をスタートさ せました。さらに、今委員おっしゃられたとおり、本日から大手のホテルに ついても中小企業向けと同様の緊急特別融資制度をスタートさせたわけ でございます。

この貸付限度額でございますけれども、大手企業の資金需要に柔軟に 対応するということで特段上限等は設けておりませんけれども、民間金融 機関との協調を図るという観点から必要額の七割ということにさせていた だいているところでございます。

○遠山清彦君

それで、私が公庫の方でプレスリリースしていただいた方に──これは ちゃんと通告していなかったと思うんですが、貸付額のうち八千万円まで を限度として無担保というようなことになっておりまして、私はそれを高く 評価するんですが、新聞を読んでおりましたら、場合によっては二億円以 下の企業に対しては事情に応じた担保免除の特例を設けたと書いてあ るんですが、これは私、二億円まで借りても無担保になるのか、それとも 企業の資本金のことを言っているのか、ちょっとこの記事だけだとよくわ からないんですが、これはどういう意味でしょうか。

○政府参考人(武田宗高君)

御説明申し上げます。

この貸付制度につきましては、八千万までを無担保ということにいたし ております。なお、これを超える資金需要がございました場合には、個々 に企業の方の御相談に乗らせていただきまして、場合によりましては担 保を軽減、あるいは担保がない場合は無担保でも二億円までは貸し出 せるという制度でございます。

○遠山清彦君

わかりました。

大変に困っている企業にとってはすばらしい政策かなというふうに思っ ておりますが、ちなみに、この制度を利用できる条件として、貸付対象の ところで三つ条件があります。

一つは最近の売上高が一〇%以上減少していること、二番目として最 近二カ月の売上高が前年の同期を下回っていること、あるいは、三番目 の条件としては最近の取引条件が回収条件の長期化または支払い条件 の短縮化等により悪化していることということになっているわけですが、も うテロ事件の風評被害が始まってから大分たっております。幾つぐらい の、どれぐらいの利用があると見込んでいらっしゃるか、ちょっと教えてい ただけますでしょうか。

○政府参考人(武田宗高君)

公庫の方では窓口を設けておりまして、既に大手のホテル等につきまし ても個別にいろいろ相談に応じております。

一応、沖縄におきまして今回設けられました大手ホテル向けの産業開 発資金でございますが、これの対象になりますいわゆる観光関連の業界 というのは約三十社ございます。現在、窓口に十社弱の御相談が寄せら れておりまして、ただこれはまだ御相談の段階でございますので、具体的 な融資にどういう形で結びついていくかというのはこれからの話であろうと いうふうに思っております。

○遠山清彦君

わかりました。

それで、実は今回と同じような緊急の融資支援を、この沖縄公庫の中 の産業開発資金、これはもともと設備投資に融資すると、大手の場合、と いうことを今回この運転資金に融資できるという形にしたということで、実 はこれと同じようなことを平成十年から十二年ぐらいまで、やはり平成十 二年度末までの時限措置としてやっている。

今回も、このペーパーを見ますと、取扱期間が来年の十月二十八日ま でということで、約一年の時限措置ということになっているわけですが、ま ず最初に、これの延長は可能なんでしょうか。例えば、一年たってもまだ 沖縄の経済がなかなか立ち直らなくて、観光業中心に、延長しなきゃい けないという状況になったときに延長は可能なんでしょうか。

○政府参考人(武田宗高君)

本制度はテロによります観光の急激な落ち込みという極めて異例な緊急 の事態に対する特別措置ということで時限的に実施をすることにいたして おります。ただ、これは今後の状況でございますが、状況次第では延長 措置も含めて適切に対応していくということになろうと思います。

○遠山清彦君

延長が可能ということで、弾力的に対応する可能性はあるということで、 それは私、多としたいと思うんですが、ただ、次の質問で、ちょっと長くな るかもしれませんけれども、私は、こういったいわゆる観光業に限らず、 沖縄の中堅、大手の企業に対して長期的な運転資金を貸し付けする制 度を、こういう緊急事態が起こったときの時限措置という形ではなくて、常 時そういうことができるような形の制度に制度として常設した方がいいん じゃないかというふうに思っております。

ここからは提言の話になりますが、その理由としてはたくさんあると思う んですけれども、私、きょう二つだけ申し上げたいと思っております。

一つは、沖縄の預金残高が非常に自己完結型であって、県の経済成 長がその与信能力に大きな影響を与えるということは御存じだと思いま す。沖縄の銀行、そんなに多くありませんし、地域で自己完結型ですか ら、預金量が長期的に不足をした場合、金融機関の限界与信能力が非 常に低下をしてしまう。その一方、地元の中堅企業は、中堅企業であって も資本蓄積がなかなか少ないというようなところがあるわけです。来年は さらに、予定どおりで行きますとペイオフの解禁ということもあるわけでし て、いわゆる地元の中堅企業の新規の独立投資とか、あるいは急に運 転資金の需要が今回のテロの風評被害みたいに出てきたときに、地元 の金融機関が対応できるだけの体力がないという意味で公庫にその運 転資金の貸付制度を常設すべきではないかと。

それから、二点目の理由といたしましては、沖縄は株式で上場企業が 六つしかないんですね。ですから、直接金融から成長資金を調達できな い、間接金融に非常に大きく依存をしている。まあ、日本全体でそういう 傾向があるわけですが、特に沖縄はすごいと思うんですね。ですから、金 融機関が、ある一つの企業に対して設備投資にも融資をして、そして運 転資金にも融資をするということで、いわゆるあわせ貸しという形で、金 融機関がもともと平常から一つの企業に対して貸付残高が非常に高いと いう状況なんですね。それで今回のテロの風評被害みたいにどかんと緊 急事態が起こりますと、これ、地元の民間金融機関がお金貸せと言われ ても貸せないという状況があると思うんです。

先ほど局長が言っておりましたけれども、沖縄公庫は政府系の金融機 関ですから民業補完の原則というもとでやっているというふうに私も理解 しておりますが、しかし沖縄振興のこの流れの中で、設備投資ということ よりも、私、きょう時間がなくなってきてあれなんですけれども、時間があ れば雇用問題にも関係ある話なんですけれども、やはり運転資金という のは人件費に、雇用に結びついていく資金ですので、ぜひこういった沖縄 の事情にかんがみて、沖縄公庫の中に今やっておられるような制度を常 設するような方向で検討していただけないかと思うんですが、これ、いか がでしょうか。

○政府参考人(武田宗高君)

沖縄公庫でございますけれども、基本的には民間の金融機関を補完す るという観点から、中堅・大手企業向けの資金につきましては、設備投資 を主体に、民間金融機関では対応が困難な非常に長期の資金供給を行 うということで役割を果たしておるところでございます。一方、民間金融機 関の方は主として運転資金の供給を担っている、こういう役割分担の中 で、沖縄の中堅・大手企業が全国に比べて特に資金調達が困難であると いう状況とは認識をいたしておりません。

現に、平成十年、先ほど委員御指摘のように、沖縄公庫が民間金融機 関の貸し渋りという異常な信用収縮の際に、中堅、大手向けに金融安定 化長期運転資金という、そういう制度を導入いたしました。そのときの利 用実績は実は三件でございまして、それも平成十年だけでございまして、 十一年、十二年においては実績がゼロであったというようなこともござい ます。そういう意味では、沖縄の中堅・大手企業が恒常的資金需給の逼 迫状況にあるということでは必ずしもないのではないかなというふうに 思っております。

ただ、今回の大手ホテル向けの運転資金の融資制度というのは、やは り米国同時多発テロを契機とした沖縄の観光客が急減するという非常に 異常な事態、これを受けて観光関連産業の売り上げが急減するとか資 金繰りが悪化する、そういった緊急特別の措置として実施をするものでご ざいます。

御指摘のような中堅・大手企業に対して運転資金の融資制度を常設す るということにつきましては、一つの御意見として承りたいと思いますが、 ただ、沖縄におきましてそういう恒常的な資金逼迫という状況にないとい うこと、あるいは遠山委員御指摘のとおり、民間でできることは民間です る、民間にゆだねるという特殊法人改革の原則といったものが今強く主 張されておるわけでございまして、こういった点も十分しんしゃくする必要 があるのかなというふうに考えておるところでございます。

○遠山清彦君

もう時間もありませんので、今のお話は私も地元の企業の方の話と認識 がちょっと違うかなと思いますが、ただ一方で、政府系の金融機関が余り 肥大化するのも私も好ましいとは思っておりませんので、また今回の措 置の状況を、利用状況等を見た上で議論させていただきたいと思いま す。

最後に、いろんなところで取り上げられておりますが、沖縄の高校生の 就職希望者の就職率、内定率が五・九%で全国最下位ということが今新 聞等で話題になっておりますが、私、この問題の根っこは、よくデータを 見ますと、そもそも有効求人倍率が〇・一五なんです。びりから二番目の 北海道、ここは一四・九%の内定率で全国で下から二番目なわけです が、ここは有効求人倍率が〇・四四なわけです。

ですから、沖縄の問題というのは、内定率の問題というよりも、もともと 求人数が極めて少ないということがあるわけでありまして、去年の卒業し た高校生の例でいいますと、一万七千百三十四人の卒業生のうち、大学 に進学、専門学校進学、就職した人を抜かして、どこへ行ったかよくわか らないという高校生が四千八百九十三人と、ほぼ三分の一近くいる。こ れは、毎年五千人近く進学もしない、就職もしないという人がこの一万七 千人しか卒業生がいない沖縄で起こるということは、これは非常に沖縄 の社会全体にとって大きな問題だと思うんですが、若者の雇用対策とい うことで、もう時間ありませんので答弁はいいと思いますけれども、ぜひ 尾身大臣、また厚労省の方にも、今後も全力で取り組んでいただきたい と申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

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このページは、t-modeが2001年11月28日 12:02に書いたブログ記事です。

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