国会議事録

« 前の記事 | 国会議事録メインへ | 次の記事 »

沖縄IT化、金融特区に関して

○遠山清彦君 

公明党の遠山清彦でございます。
 
尾身大臣始め内閣府の皆様、連日御苦労さまでございます。

 今日は、この委員会、委嘱審査ということで内閣府の予算を基本的に審議しているわけでありますけれども、私、時間が大変限られておりまして、来週月曜日に振興新法の審議も当委員会でするわけでありますけれども、本日の私の質問も、幾つかこの振興新法に係ってお聞きをすることもあるかと思いますけれども、是非御了承いただきたいというふうに思うわけでございます。

 最初に、沖縄におけるIT化の促進についてお伺いをいたしたいと思います。

 私は、今年の一月、この委員会の委員派遣で、佐藤委員長を始めとしてほかの同僚の委員、理事の方八名と沖縄に行って様々な場所を視察させていただきまして大変に勉強になったわけでございますけれども、その中に名護市のマルチメディア館もあったわけでございます。

 私は、やはり沖縄の経済の自立化を図っていく中で、IT化というのは大変大事であろうと。これは当然、私が申すまでもなく、九八年に沖縄県のマルチメディアアイランド構想が出てから、地元といたしましても、このIT化促進しようじゃないかと大変熱心にやっているわけでございます。

 私は、内閣府から出ている文書とかを読みますと、この沖縄のIT化というのは二つの柱があるというふうに理解をしております。

 一つは、情報通信関連産業の育成並びに誘致ということが一つの柱であると。もう一つは、やはり沖縄県が島嶼県ということで、大変広大な地域にたくさんの離島を抱えている県であるということが一般的には不利といろんな面で言われていたわけですけれども、逆にこの距離があるということを生かして、その一般レベル、草の根レベルでのIT化を進めることによって、はっきり申し上げると、日本のほかの地域よりもIT化の効果が非常に高い、社会に対するインパクトが高いと、それがもう一本の柱であるというふうに私、理解をしております。

 これは、余り沖縄に関係ない話なんですが、私、ある出版社の社長さんと東京でお話をしておりましたら、こういう話を言われました。

 遠山さん、アメリカでIT化が進んで日本でなかなか進まない原因というのは、一つは土地の広大さだと言うんですね。アメリカではもうこの距離がすごく離れている。この人、出版社の社長ですから、最近はインターネットとかコンピューターの画面で本をあたかもバーチャルに読んでいるようにページめくってくれると、こういうのがアメリカでは大変はやっていると。ところが、日本でそれを導入してもなかなか売れないと。何でかといったら、やっぱりみんなコンピューターで本読むよりは本屋さんに行って本を買うと。ところがアメリカでは、本屋さんが何百キロ離れているというところに住んでいる人たちは、やっぱりこのITを使って今まで地元の図書館だとか本屋にはない本も読めるようになったと、こういうことなんですね。

 ですから、私はこういう観点からいうと、沖縄で、一般レベルで、特に離島に住んでいる方々にとってのこのIT化のメリットというのは大変大きいと、同じ理由から思うわけでありますが、ただ、まず最初にここで聞きたいのが、それを前提に、私も宮古島とか石垣島とか何度か、昨年、両方合わせて十回ぐらい行きましたけれども、なかなか、やはり離島に行って島の方々と話をすると、インターネットとかEメールとかコンピューターで本を読むとかと言っても、はあと言われちゃうわけなんですね。必要は発明の母という言葉もありますけれども、やはりニーズを感じなければ、あっても使わないという側面、すごくあると思うんです。

 私は是非このITを、インフラ整備とかあるいはITはすばらしいというふうなスローガンだけでいくんじゃなくて、具体的に離島に住んでいる人たちにとってこのIT化、コンピューターとかインターネットはどういうメリットがあるのか、例えば地元の図書館にない本がコンピューターで読めるようになるんですよ、沖縄本島へ行って那覇の大きな本屋さんに行って本買わなくても宮古島で本読めるんですよとか、具体的にそういう啓蒙活動、広報活動していかないと、これ、草の根レベルでのIT化というのはなかなか進まない。進まなければ、やはりITの産業を持ってきても沖縄の地元から出る人材が育たない、出てこないという側面があると思いますので、是非こういった観点の啓蒙活動をもっとやっていただきたいと思うんですが、大臣の御見解をお願いしたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 

私も、正におっしゃるとおりだと考えております。

 特に離島でございますと、アメリカよりもっと時間、距離が長い。情報のセンターにアクセスするための物すごく労力が掛かるわけでございまして、例えばインターネットでいろんな本を読むとか、あるいは物を買うとか、そういうことが本当にできるように既になっているわけでございますが、なっているんだということを体験的に沖縄の人々が理解をしたならば沖縄におけるIT化というのはかなり急速に進むような状況になるんじゃないかと。

 現在ただいまそういう状況にはなっていないと思いますけれども、そのための例えばITの教育とかPRとか、そういうことをやっていくことが大変大事だと思いますし、おっしゃるように、アメリカと同じような意味において離島がかなりある沖縄においては、IT化のメリットというのはほかのいわゆる都市中心部にいる人々にとってよりもはるかに大きいものがあるというふうに私どもは考えておりまして、そういうことも含めて力を入れてPRに努めて、本当に生活とか経済にITのシステムといいますか、そういうものが根を下ろしたような状況を一日も早く作り上げていきたいというふうに考えております。

○遠山清彦君 

大変前向きな御答弁、ありがとうございます。

 今、正に大臣が体験的とおっしゃっておりましたけれども、私、今、日本全国でも高齢者の方とかいろんな方々対象にIT講習とか、我々公明党も頑張って導入したわけでありますけれども、ただ単にコンピューターを使えるようになるということだけではやっぱり人間使わないと思うんですね。だから、逆に言えば、コンピューター使えない人でも、コンピューターを使ったらこんなことができるということが分かれば、だれも教えなくても本人はやると思うんです。

 そういう面で、やはりこれから是非そういう体験的に、コンピューターで本をオーダーしたら本当に本が来て、それで体験的に喜ぶとか、そういう経験を離島の方にしてもらう企画とかイベントとか、そういうことをどんどんやっていただきたいというふうに思うわけでございます。

 続きまして、今度、金融特区のお話をさせていただきたいと思いますが、今、内閣府、これは来年度の予算の中でも、金融産業育成のために内閣府として基盤整備とそれから人材育成が大事だということで事業費を予算で計上しているというふうに理解をしておりますが、二点、お伺いをしたいと思います。

 一つは、金融関連産業の誘致のための基盤整備というのは具体的に、私はちょっと書類、あるんですが、余りにも抽象的なので、具体的に何をやっていくのかということが一つでございます。

 それからもう一つ、金融に係る人材育成のモデル事業と。これは、平成十四年度から十六年度まで二年間で三千万円掛けて内閣府が事業主体になりまして教育研修セミナーを実施すると。

 これは、総受講人数が三百名ということで、金融基礎、コールセンター、金融各論について勉強をするコースをやるということなんですが、まず私が聞きたいのは、この三百名の受講資格、どういう基準で受講者を選んでいかれるのか、これが一つです。

 それからもう一つは、この研修場所はどこなんでしょうか。

 特に、ここで私が気にしているのは、沖縄本島の方も北部から来ると遠いわけですけれども、那覇とかでやる場合、離島からこういう研修に参加したいという方に対してどういう対応をされるのかということと、あともう一つは、この三百名の方が、このセミナーを受講された方が、終わった後に就職のあっせん等をしていただけるのかどうか、あるいは、そういうあっせん等はないんだけれども、研修セミナーを、内閣府のやるセミナーを受けたことでこういうメリットがあるというような観点でお話を聞かせていただきたいと思います。

○政府参考人(安達俊雄君) 

まず、最初の御質問にお答え申し上げます。

 金融業務特別地区における基盤整備でございますが、具体的な対応に向けて来年度の予算として二千三百万、計上させていただいております。

 総合的な調査検討を行いたいと思っておりますけれども、一番中心として地元自治体からも期待が強いのは、インフラといいますともう道路からすべてということではございますけれども、何といってもやはりこういった企業の受皿となるようなインテリジェンス性を持ったようなオフィス、そういったものをどう整備していくかということが一番要望としては強くございます。したがって、そういったファシリティーをどういうふうに整備していくのがいいのかというようなところがどちらかというと中心的に検討すべき課題ではないかというふうに考えておるところでございます。

 それから、人材の育成でございますけれども、受講資格、研修場所等についての詳細はこれからの検討でございますが、受講資格という面で考えましたときに、一つは、先ほど来議論も出ておりますけれども、若年労働者の失業の問題というのは非常に深刻であるということでございまして、若年層を中心に研修をしていくというのは適当ではないかというふうに考えているところでございます。

 研修場所については全く未定でございまして、今後検討させていただきたいと思いますが、受講資格の関係において申し上げますと、離島からの研修生というのは当然これを歓迎するものでございます。宿泊費までは持てませんけれども、この研修については無料にしたいというふうに思っておるわけでございます。

 それから最後に、就職に結び付くような、例えば就職のあっせんといった対応はできないかという御質問でございます。こういった直接な対応は予定しておりませんけれども、私ども、この人材育成ということと雇用、この面での雇用というのは並行して進めていかないといけないというふうに、ただ供給サイドだけやっていくということではバランスを欠いておるというふうに思っております。したがって、この研修につきましても、既に沖縄に新たに進出いたしました金融関係の企業ともよく相談をしてまいりたいというふうに思っております。

 名護におきまして、最近におきまして投資顧問業、そしてインターネットを通じた証券活動、インターネットの証券、ネット販売といいますか、そういったことを行う企業が立ち上がりまして、インターネット証券、ネット証券の業務としましては今年の五月から業務を開始する予定というふうに聞いているところでございまして、具体的な人材のニーズというのは既に出てきているわけでございまして、うまくこのマッチングができるように行政サイドでもきめ細かく対応していきたいと思っております。

 以上でございます。

○遠山清彦君 ありがとうございました。

 基盤整備に関してオフィスの整備が一番大事だということで、私もそうかなというふうに思いますし、今、金融特区ができたときに、恐らく名護にほぼ決まっていると思うんですけれども、そちらの方に新しくまたオフィスなど整備しなければいけないんだろうと思いますが、金融特区に関しては、今日時間がありませんので、ほかにもいろいろ質問あるんですが、あと一点だけ質問させていただきたいというふうに思います。

 これは、振興新法の五十六条に書いてある内容ですし、また以前、特定自由貿易地域でも同じような要件があったと思うんですけれども、この特区の中に誘致をする金融業者の一つの条件として常勤従業者の下限を政令で定めると。これは、もうマスコミに出ているとおり二十名ということになっているわけでありますけれども、確かにこれは沖縄の雇用対策の一環としてこういう政令が出ているんだろうというふうに私は理解をしております。それはそれで分かるんですが、しかし、今、金融業の中でハイレベルの金融の企業の中には少数精鋭で知識集約型でオペレーションしているところもたくさんあると。つまり、二十名以下で大変に生産性の高い金融取引を扱う企業というものがあると言われております。そうすると、この二十名という下限があると、こういった企業、来れないと。

 私は、日本で初めて、沖縄でも初めて金融特区をやるということであれば、なるべく要件は緩和をしていろんな企業が、小規模のところも入ってくるようにした方がいいのではないかというような考えをちょっと持っておるんですけれども、それについて御見解を伺いたいと思います。

○政府参考人(安達俊雄君) 

御指摘のように、この金融業務特別地区におきます要件として雇用人数二十人以上ということが、具体的にはこの税制の決定の中で既に方針として出されておるわけでございます。

 ちょっと正確に申し上げますと、この金融特区制度に関連する税制は二つの制度の選択制になっております。法人所得控除三五%、これ、先進国としての我が国の税制としては目一杯でございます。タックスヘーブンの閾値に近いところまで来ているわけでございますけれども、この法人所得控除という制度が一つ。もう一つは、一五%の投資税額控除、これも我が国では例を見ない水準の投資税額控除でございます。

 この二つの制度を選択適用、選択すればいいということになっておりまして、投資税額控除につきましては、実際の投資に見合って税制の恩典が付与されていくわけでございますので、こういった要件は課しておりません。したがって、法人所得控除ということで見た場合にということでございます。

 このいきさつでございますけれども、実は、この制度というよりは三年前に特別自由貿易地域制度を設けましたときに、正に沖縄の特殊事情ということで思い切った制度をということが強く望まれ、その際も法人所得控除三五%が同様に選択制度として認められたわけでございます。

 しかし、一方におきまして、NIRA研究会における議論の中で憲法上の平等論ということがございました。場所が違うだけで同じ国民、法人も含めまして、全く税率が違うというのは明らかに憲法の平等権に反しておる、どういう工夫が必要なのかという議論がございました。そういった議論、与党サイドも含めた議論の中で、やはり沖縄経済への貢献とそして思い切った税制による受益という、貢献とその受益と、貢献による負担と受益というもののバランスという考え方が重要ではないかという議論がございました。それとともに、それじゃ貢献といった場合に政策的に何が一番貢献が期待されるのかというと、雇用問題でございます。

 というような中で、最低限の水準として二十人以上ということが決定されたといういきさつがございます。その点の御理解を賜りたいと思っております。

○遠山清彦君 

ありがとうございます。

 安達さん始めとして内閣府の方々が大変難しいこの金融特区の問題で政府内で御尽力されてここまでこぎ着けたということは、私は高く評価をしておりますし、今、選択制ということで、この法人税の所得控除制度を利用しない場合、もう一個の方を利用した場合にはこの要件はないということでございますので、それはそれで理解をいたします。

 ただ、この金融特区に関しましては、元々モデルにしたのがアイルランドのダブリンにある国際金融サービスセンターというところでありまして、これに関しては、私、次の機会にちょっともう一回深い議論をしたいと思うんですけれども、いろんな要件がアイルランドの場合、あったと言われております。

 アイルランドのケースと沖縄を比べると、やはり幾つかの条件で大変沖縄が後れている、未整備である、あるいは条件が悪いというようなところがありますので、こういったところを克服するということも考えたときに、やはりアイルランドと比べても、ちょっと言い方は悪いですけれども、異常なくらい優遇措置を取らないとうまくいかないんではないかというような感じを私は持っておりますので、その点を今日は強調させていただいて終わりたいと思います。

 国交省さん、今日来ていただいて申し訳ないんですが、また次の機会に観光振興についてちょっとお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 これで終わります。

« 前の記事 | 国会議事録メインへ | 次の記事 »

« 一つ前のページへ戻る

「遠山が語れば、政治がわかる。身近になる」
遠山清彦は、3つの無料メールマガジンを発信しています。ぜひご購読ください。

熱い思いを一通250文字にギュッと圧縮。あなたの元に届けます。

遠山スピリット」 携帯電話限定メルマガ

遠山清彦の政治理念、活動が良くわかる。powered by まぐまぐ!

遠山清彦の国会奮戦記(PC版)」 パソコン向けメルマガ

携帯電話でもしっかり読みたい。powered by ミニまぐ!

遠山清彦の国会奮戦記(携帯版)」 パケット定額向けメルマガ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

このブログ記事について

このページは、t-modeが2002年3月22日 12:30に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「PKO活動、外務省改革、人間の安全保障、麻薬問題等について」です。

次のブログ記事は「国連機関誘致、観光振興策、環境問題、金融特区について」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。