国会議事録

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国連機関誘致、観光振興策、環境問題、金融特区について

○遠山清彦君 

公明党の遠山清彦でございます。

 尾身大臣、連日御苦労さまでございます。

 私は、今日、岩本委員がされた質問の中に私がしようと思っていた質問も幾つかありましたので、重複をいたしておりますけれども、なるべく別の角度からお聞きをしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 まず冒頭、私、お聞きしたいのは、沖縄への国連機関、あるいは、大きく広く国際機関の誘致と言ってもいいかもしれませんけれども、このことについてちょっとお伺いをしたいと思います。

 今回、議題となっておりますこの振興特措法の八十六条には、国は、沖縄の国際化に係る施策の推進に努めるものとするという規定がございます。また、同条の第二項には、沖縄県は、その特性を生かした国際協力、国際交流の推進が必要であるというようなことに言及をされているわけでございます。

 公明党は、以前からこの沖縄への国連機関あるいは国際機関の誘致、積極的に主張してまいりました。小渕総理の時代には、神崎代表が衆議院で、また参議院の方では浜四津敏子代表代行が代表質問でこの問題取り上げまして、小渕総理から前向きな御答弁をいただいている経緯もございます。

 この国連機関とか国際機関の誘致は、確かに難しい、一筋縄ではいかないという問題でございます。これは、国と沖縄県が国連機関を沖縄に呼ぼうという合意をいたしまして何らかの予算を計上しても、相手は国連でございますから、国連やその国際機関が来たいと言わなければなかなかこれ実現しないと。そういう難しさはあえて私、分かった上で、今日ちょっとお時間いただいてお話ししたいんですが、私が強調したいのは、まず沖縄県の県民は非常に強くこの構想を望んでいるということでございます。

 ちょうど今から一年前になりますが、昨年の三月二十九日には、内閣総理大臣、外務大臣、そして国務大臣沖縄北方対策担当あてに沖縄県議会が、当時、国連アジア本部という言葉を使っておりましたが、国連アジア本部沖縄県誘致に関する要請決議というものを出しているわけでございます。

 全部は読みませんが、この中で、どうして沖縄に国連機関を呼ぼうという話になっているかというと、一つは、世界の人口の六割を占めるアジアの地域に国連の拠点がないということでございます。

 大臣御案内のとおり、ヨーロッパにはウイーンとそれからジュネーブに大きな国連のセンターがありまして、アメリカにはニューヨークにある、ワシントンにもかなりの国際機関があるということでありますが、アジアにおいてはバンコクに若干、国連機関がありますけれども、欧米と比べたら比べるべくもない小さな規模でございます。そういった意味で、沖縄だけに限らないかもしれませんが、アジアにもっと国連機関を呼ぼうという前提がまず一つあります。

 それからもう一つは、やはり、沖縄の地理的位置が、ここにも書いてありますが、我が国の最西南端に位置して、唯一の亜熱帯地域に属する気候的条件下にあって、豊かな自然に恵まれ、そしてアジア地域に最も近い南の玄関口としての地理的特性を持っていると。また、歴史的にも、中国や近隣のアジア諸国とのいろんな交流の歴史があると。そして、最後に出てくるのは、第二次世界大戦のときに日本の中で唯一地上戦を経験したのはこの沖縄であると。ですから、沖縄県民の心というのは、沖縄県が、今、観光と基地というお話、岩本委員の方からもありましたけれども、やはり平和のために貢献する沖縄という位置付けをしていきたいという気持ちがあるわけでございます。

 また、日本の有識者の中でも、沖縄に国連機関、誘致した方がいいんではないか、例えば、具体的には明石康元国連事務次長、あるいは財界では寺島実郎さんなんかもこういったことを発言されております。それから、直近では、三月十九日の朝日新聞に、明治学院大学の高原教授が、要するに、今、日本の外交の柱は人間の安全保障であると、この人間の安全保障をやっぱり具体的に進めるために、沖縄において基地依存をこれ以上強めるよりも、鉄道などの社会資本の充実や地元が提唱する国連機関の誘致の方が地域の持続的発展のために有意義なはずだという発言をされているわけでございます。

 そして、長くなりましたので最後にいたしますけれども、ここは参議院でありますので、昨年六月、参議院の国際問題に関する調査会が報告書を出しております。この三十五ページ、六ページに「沖縄への国連機関の誘致」という項目が含まれておりまして、ちょっと引用させていただきますが、国連側のニーズ及びバンコクのアジア・太平洋経済社会委員会の活動との競合に配慮しつつ、この地域の中心に近い沖縄に国連機関の事務所を設置することの検討を提唱する、そして、沖縄を国連シティとして発展していくことを期待しているということをこの参議院の国際問題調査会が提言をしているわけでございます。

 これを受けて、昨年、外務省がアメリカの研究機関とか研究学者に委託いたしまして、この国連アジア本部を沖縄に持ってこれるかと。これに関しては、報告書が昨年の秋に出まして、非常に難しい面があるということを言っているわけでありますけれども、私はやはり、国連、国、県というそれぞれのレベルがあるわけですけれども、これは国連機関を沖縄に呼ぶということは何のマイナス面もないわけでありますから、初めから国のレベルでこれを難しいところが一杯あるからといって排除するんではなくて、やはり沖縄県民も望んでおりますし、また外交の専門家、人間安全保障を進めようという専門家の間でもこういう声があることを踏まえて、是非こういったことを前向きに検討していただきたい、応援していただきたいと思いますけれども、尾身大臣、よろしくお願いいたします。

○国務大臣(尾身幸次君) 

私自身も、沖縄に国連の機関を置きたいというお話には賛成でございます。やはり、私どもが大変大事に思っている沖縄を一つの国際交流の拠点にするという考え方は前からあるわけでございまして、これを進めなければいけないと考えております。

 これは誘致をする方の側での考え方でございまして、誘致をされる方から見ると、そうでなくても国連は無駄遣いをしているというような批判が各地域からあるものですから、それこそ、できるだけ分散している施設を統合したいというようなお話もございまして、そういう中で、言わば国連の行革の流れに逆行するかもしれないような機関をあちらこちらに作るのはどうかというような意味で、国連事務当局などは必ずしも前向きに対応してこないのではないかと思いますが、しかし、日本という国が国連の負担金の二〇%以上も負担しているという事実もございますから、私は、やはり我々の考え方を、国連を始めとする国際機関にどんどんとこの要望を出して前向きにこの問題は取り進めていくことが大事だというふうに考えております。

 実を言うと、そのときに私は、先日、昨日、おとといとシンガポールに行ってまいりました。シンガポールから沖縄にどうやって来るのかなといいますと、成田に来て、成田から羽田へ来て、羽田から沖縄に行くとなるとめちゃくちゃに時間が掛かるんです。そうすると、沖縄に来ようと思うと、台湾に行って台湾から沖縄に来るか、あるいは韓国へ行って韓国から沖縄に行くか、あるいは関空、関西国際空港に行ってそこから戻るかと。昨日一緒に沖縄から行った人は、関西空港に行ってそこから戻るというコースでありますが、ちょうど沖縄は、日本とシンガポールの、日本というか、東京とシンガポールの真ん中ぐらいのところにありまして、シンガポールから関西空港まで来てまた沖縄に戻るというのはいかにも効率が悪い。

 つまり、もうちょっと言うと、地理的にはアジアの中核にありますが、アジアの国々との時間距離でいいますと物すごく遠いというのが実態でございまして、やはりこれから沖縄が国際機関の誘致をしたり、あるいは国際的な拠点として発展するためには、シンガポールを中心とするアジアの国々あるいはアメリカの本土との間の航空便の設置というのが実は大変大事だと。これは大学院大学の問題もそうなんでございますが、これがないと沖縄が本当の意味でアジアの中核にはなれない。国連の機関を持ってくるにしても、それがないと実現できないということでございまして、どちらが鶏か卵かという議論はございますが、やはりそういう航空のアクセスというのをしっかり作っていかなきゃいけないんじゃないかというふうに考えておりますので、この点は是非、御理解と御支援をお願いいたします。

○遠山清彦君 

大変前向きな御答弁、ありがとうございます。

 今、大臣の方からも、種々技術的に、あるいはかなり具体的に難しい条件のお話があったわけでありますけれども、実際に持ってくる国連機関の問題もありますし、その交通ネットワークの不備の問題もありますので、私も、この問題に関しては長期的に政治的意志を持って、また県民の民意を受けて、沖縄にかかわる政治家あるいはこの委員会のメンバー、そしてまた政府の方々がやっぱり努力していかなきゃいけないというふうに思います。

 ちなみに、先日の衆議院の沖特の方に参考人で出席をされておりました下地玄栄沖縄大学教授が会長になりまして沖縄国連研究会という、正に国連機関、国際機関を沖縄に誘致しようという運動を在野でここ三年ばかりやっているところございますので、尾身大臣にまだお目に掛かったことないというふうに私に言っておりましたので、是非近いうちにお会いをしていただきたい、お話を具体的に聞いていただきたいと思うわけでございます。

 続きまして、沖縄の観光振興に移りたいと思いますが、まずこれ、国土交通省の方にお伺いしたいんですけれども、この特措法の第八条では、沖縄に外国人の観光客をもっと誘客しようと、そのPRを国土交通省所管の特殊法人の国際観光振興会がやっていただけると、一応努力義務になっておりますけれども。

 私、不勉強で、国際観光振興会をよく分からなかったんですが、このインターネットのホームページ見ますといろいろと書いてあります。海外に事業所が十四か所あるということとか、いろいろ情報も書いてあるんですが、いま一歩まだ全体像がつかめないところもありますので、この特殊法人の国際観光振興会、具体的に、スタッフどれぐらいいて、また予算規模はどれぐらいで、また十四か所世界に海外拠点があるといいますが、それは一体どこで、それで、この特措法が通れば国際観光振興会が責任持って海外で沖縄のPRをやるということなんですが、どの程度やっていただけるのか、今の時点で言えることで結構ですので、御答弁いただきたいと思います。

○政府参考人(伊藤鎭樹君) 

国際観光振興会は、今、委員御指摘のように、我が国に外国人観光客来訪を促進するということで、海外観光宣伝とか国際会議等の我が国への誘致活動、また、訪日外国人に対しまして情報の提供を行うというようなことを行っております。

 その組織でございますけれども、東京に本部が置かれておりまして、国内の出先として東京、京都の観光案内所、二か所でございます。それから、十四の海外観光宣伝事務所がありまして、その位置でございますが、アジア太平洋地域につきましてはソウル、北京、香港、バンコク、シドニー、ヨーロッパではロンドン、パリ、フランクフルト、北米でニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルスそれからトロント、南米がサンパウロということで、職員は全体で、東京の本部の職員も入れまして百十一名でございます。

 また、予算規模でございますが、平成十三年度段階で約四十五億円の予算ということになってございます。

 この国際観光振興会が一般的に我が国の海外事務所等を拠点として観光宣伝等を行っているわけでございますが、具体的にどういうことが振興新法との関係で考えられるかということで、ちょっと今年度の例で申し上げたいと思います。

○遠山清彦君 

手短で結構です。

○政府参考人(伊藤鎭樹君) 

はい。

 今年度につきましては、沖縄につきまして米国同時多発テロの影響でいろんな観光振興の支援ということを行っているわけでございますが、具体的に申しますと、近隣諸国でのテレビ、新聞広告等も行っておりますし、それからまた、これらの国からの旅行会社の担当者ですとか代表者を沖縄に招きまして、これらの国から沖縄へのツアー造成と申しますか、そういうことのきっかけを作るとか、そんなことをやっているところでございます。

 以上でございます。

○遠山清彦君 

分かりました。

 是非、この沖縄の海外でのPR、これは国際観光振興会は恐らく沖縄だけじゃなくて日本全体をPRしなきゃいけないというミッションもお持ちでしょうから、またスタッフも、今日初めて知りましたけれども、百十一名ということでなかなか難しいところもあると思いますけれども、是非頑張っていただきたいというふうに思います。

 そこで、観光に関連しまして尾身大臣にまたお聞きしたいんですが、私、今ここに国交省さんからいただいたデータがあるんです。これは、日本への外国からの観光客の数のデータなんですが、平成十二年でいいますと、日本全体に来た外国人観光客は四百七十五万人というふうになっております。じゃ、沖縄にどれぐらい外国人が来ているかということなんですが、平成十二年で十四万九千人という数でございます。

 実は、沖縄に来る観光客全体は、大臣御存じのように四百四十三万人ぐらい、平成十二年はですね。ですから、そうすると、四百四十三万人の沖縄に来る全体の観光客のうち外国人は十四万九千人、実はこのうち十二万人以上が台湾の方なんですが。そうすると、沖縄に来る観光客の三・三%ぐらいしか外国人じゃないんです、その三・三%のうち八割以上が台湾の方というような状況なんですけれども。

 今、日本政府としては、外国からもっと日本に観光客来てもらおうということで新ウェルカムプラン21というキャンペーンを実はやっております、余り我々聞きませんが。これによりますと、二〇〇七年までに訪日外国人旅行者を八百万人にしようと。今、去年で四百七十万ぐらいですかね。四百七十万ぐらいをあと五年後までに八百万にしようというキャンペーンをやっているわけです。

 沖縄は今、十四万九千人、約十五万弱というところなんですが、大臣、沖縄にすごい近い台湾、ここが、一年間の外国人観光客というのは二百二十六万人なんですね。沖縄が十五万のときに台湾、二百二十六万人なんです。

 私、今回のこの振興新法では沖縄に外国人をもっと呼ぼうということが条文にも明らかなようになっているわけでありまして、是非、大臣の決意として、沖縄へ来る外国人観光客を今後十年間ぐらいで今十五万人なのをどれぐらいまでしたいのか、具体的に決意をお伺いできればと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 

今の日本が四百七十五万から八百万というと、二倍弱ということを全体として目指すということでございますが、私も、そういう意味からいえば少なくとも二倍程度は五年間に伸ばすということが最低限必要だろうと思います。

 ところが、実際の問題として見ると、日本の、これは国土交通省の問題でございますが、外国から来て日本に、沖縄に来るというためには、通常ならば国際便で成田に来て羽田に行って羽田から行くということになるわけで、東京の玄関を通って沖縄に入ってくるというチャネルが、空港が二つに分かれているために実際にはうまく使えない。関空に行って関空から沖縄に来るというようなことになるわけでございまして、私は日本における成田と羽田の関係というのが実は日本の国際化の大きな障害になっていると思いますが、沖縄という問題を考えるときにもこの問題が実は物すごく大きな障害になっている。

 だから、羽田を国際空港化して、羽田に来ていただいて、羽田から沖縄に来るということならアメリカから来るお客様もそう不便はないわけでございますけれども、やはり日本の国から沖縄に行く場所に国際線が入っていないとなかなかうまくいかない。あるいは直行でアメリカから沖縄に行くか、あるいはシンガポールとかアジアの国から沖縄に直行便をつなげるとか、先ほども大学院大学の話で申し上げましたが、そういう国際便というのをきちっと整備しないと、PRをやってもそれだけではなかなかうまくいかないのではないかというふうに考えます。

 沖縄の観光資源を増やすことも大事なんですけれども、同時にこの航空アクセスをもうちょっと良くしないといけない。これは日本全体に言えることでもありますが、沖縄の場合には特にそういうことを痛感をしておりますので、私どもも努力をいたしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○遠山清彦君 

分かりました。
 私も実は、後で時間があれば金融特区のお話を聞くんですが、そこで正に交通ネットワークの問題をちょっと取り上げようと思っておりましたが、今、大臣のお話は倍にしたいということですので、私の解釈では三十万人ぐらいにこの五年間でしていこうということだと思いますので、私も私の立場でそれに向けて頑張ってまいりたいというふうに思います。

 次に、また観光に関連して、私は、沖縄の外国人観光客を増やすのに、やはり近隣のまずアジア諸国からの誘客というものに力を入れていくべきであるというふうに思うわけです。

 もう私たちみんな知っているように、中国には十二億人以上の人口がおりまして、今、経済状況上あるいは国の制度上、なかなか海外の観光に行くということじゃないかもしれませんけれども、今の高い経済成長率を中国が維持していけば、いずれ早い期間に少なくとも中国の人口の一割ぐらい、もう一割で一億人超えますから、一億二千万人の人が海外旅行へ行けるようになると。そうしたら、沖縄はすごく近いですので、ですからちょっと来れば百万、二百万すぐ増えてしまうというようなことが見込めるわけでございます。

 ただ、現状では、私、今データ持っていますが、平成十二年で台湾から沖縄に来る人は十二万九千八百五十四人、中国本土からは何とたったの七百四十一人、そして香港からは九百七十五人と、非常に心細い状況なわけでございます。これは、向こうのお国の事情もありますから我々どうこうということではないんですけれども、ただ私は、中国語圏から観光客が一気に増えるとしたら一気に来るんではないか、急増するんではないかというような感覚を持っております。

 そこで、やはり沖縄でも、英語というものもありますけれども、やはり地理的位置とか歴史的な関係を考えたら、中国語でいろんな沖縄の町に案内があるとか、中国語の観光通訳がたくさんいるという体制を先手を打って整えておいた方が、中国の本土の方がもっともっと観光に行けるといったときに、沖縄に行けば、日本語できなくても、英語もちょっとできなくても、中国語で結構遊べるというようなことになれば、一気に沖縄に来るんではないかというような思いを持っておるんですが、この点についていかがでしょうか。

○国務大臣(尾身幸次君) 

確かに、言われてみるとおっしゃるとおりだと思いますから、観光の振興のためにはあらゆることをやらなければいけないと思うわけでございまして、今のお話もしっかりと胸に畳んで私どもも政策を実行してまいりたいと思います。

○遠山清彦君 

ありがとうございます。

 次に、ちょっと私、例の特定民間観光関連施設の中に宿泊施設が外れている、ホテルが外れているということで質問する予定だったんですが、岩本委員が既に質問しておりまして、ただ、ここで一点だけ申し上げたい。

 もしこれ、安達統括官、何かあれば御答弁いただきたいと思いますが、先ほど、統括官の御答弁、岩本委員の質問に対する答弁の中で、要は、この特定民間観光関連施設の中に宿泊施設を入れて税法上の特例措置を享受できるようにしてしまうと、大手資本が沖縄に、その施設に入ってきて、参入してきて地元の宿泊施設を運営している業者が圧迫されるんではないか、特に去年はテロの問題があったんでというような御答弁があったんですけれども。

 私、沖縄のホテル、旅館関係者の人たちとこの件についてお話をしたときには、もしその特例措置があってそれで大手が沖縄にどどっと入ってくるんであれば、そういう大手は既に本土からもあるいは海外からももう来ていると、今さら限定された区域で特例措置をやったからといって、一気に沖縄の地元の旅館業者が圧迫されるような形で入ってくることはないんじゃないかというような反論をしておりました。

 また一部で、この施設の問題というのは税法上の公平性の問題があると。つまり、宿泊施設に特例措置を認めて、いわゆる私的営利企業にこういった課税上の特例措置を認めると、じゃ何でほかの業種の営利企業は駄目なんだというような不公平感が出てくるというお話もあったんですが。

 しかし、私、この振興新法の関連、十六条ですかね、見まして、この特定民間関連施設に指定されている施設の中に、例えば休養施設というのが入っているわけですよね。これ、昼間休養する施設は課税特例受けられて夜休養する宿泊施設は受けられないというのは、ちょっとやっぱり無理のある話なんではないかというふうに思うんですけれども。

 ですから、私の論点は、岩本委員と同じように、やはり今後の課題としてホテルを入れていった方がいいんではないかということなんですが、簡潔に、もし何かあれば。

○政府参考人(安達俊雄君) 

大手が入ってくるからということでなくて、沖縄全体の宿泊の施設の稼働率が非常に下がっておった去年の秋から冬に掛けての状況の中でなかなかコンセンサスが得られなかったということでございまして、内外を問うというようなことで言っているものではございません。

 また、そういったビジネスの施設であるということについては、もとより、この観光振興地域に係るスポーツ・レクリエーション施設等、皆、法人税を納めるという、これは私企業であるから納めるわけでありまして、すべてそういう面においても同じでございます。

 ただ、そういう経緯の中で対象としては認められなかったということでございますが、先ほど御説明申し上げたのは、中小企業の経営革新支援法の特例という、この法律の別途の規定については政令によって対象業種を定め得るということでございましたので、その中で対象化するという方向で検討をさせていただいているという御報告をさせていただいたわけでございます。

○遠山清彦君 

その議論は先ほど聞いて──大臣、じゃお願いします。

○国務大臣(尾身幸次君) 

お話ししますと、今度対象にするのは中小企業だけでございますから、したがって、大手を入れて中小企業者を圧迫するという御懸念は今度の検討している内容についてはないと考えております。

○遠山清彦君 

分かりました。

 来年に向けてまたこれはちょっと私も議論していきたいと思いますので、今、現時点での対応としては了といたしますけれども、今後のまた検討課題としていただければというふうに思います。

 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、環境問題。私、これも、赤土の問題について聞こうと思っておりました。岩本委員のいろんな御議論で出てきたところもありますので、私が今日まず聞きたいのは石垣島、私も実は行って調査してきております。

 実は、田中直紀前農林水産副大臣が現地に行ったときに、いわゆる今まで地域に合った農業土木をやってきていなかったと。つまり、この赤土の問題というのは、農水省が中心にやってきた土地改良事業がいわゆる沖縄の特性を考えずに本土式で全国一律にやっちゃった結果こうなったんだということなわけでございます。つまり、地域性を余り考えていなかった。それからもう一つは、やっぱり環境との調和を考えていなかった。

 そこで、この田中副大臣が、昨年、これは八月十三日付けの八重山毎日新聞という地元の新聞に出ておりますけれども、今後の基本的な考え方は環境との調和だと。この環境との調和をキーワードにした土地改良事業あるいは農業土木をある意味、石垣島を代表的なモデルで今後やっていきたいということを言っているわけでございますので、まず、私は環境省じゃなくて農水省さんにこの点について伺って、それから、済みません、これ大臣もちょっと赤土問題、特にこの石垣島に関してどう対処されていくのか、お話しいただきたいと思います。

○政府参考人(太田信介君) 

お答え申し上げます。

 沖縄における赤土流出は様々な要因で進んでおるわけでございますが、例えば、侵食を受けやすい土壌条件、あるいは強い降雨などの自然条件というのがまずございますし、農作業の機械化、大型化が進んでおります。あるいは、サトウキビ畑での長期の未作付けといった営農状況、さらには、農業関係だけでなくて様々な各種開発事業の増加といったものがその要因であろうかというように考えておりますが。

 土地改良事業について申し上げますと、四十七年度の本土復帰以来、亜熱帯地域の特性を生かしながら生産性の高い農業の確立を目指すということで進めてきておりますが、特に圃場の整備を本格化いたしました五十一年度、これがスタートになるかと思いますが、侵食を受けやすい土壌条件等を勘案して、既にその時点で全国基準に比べて緩い圃場の勾配でスタートはしたということでございます。ただし、まだそれでは必ずしもということもございまして、その後の事業の進展を踏まえまして基準を累次見直しをしてきております。

 そういった意味で、全国基準をそのまま適用するということではなくて、地域の実情に応じたきめの細かい赤土流出防止に努めてきておると。その一環として、特に水質保全対策事業というのを平成五年に設けたんですが、これは、沈砂池の整備とかのり面保護といった、そういうハード的な対応だけではなくて、グリーンベルトを設けるとか圃場の緩傾斜化を実施する中で、十四年度、来年度から、正に先ほどのお話を受けたような形になろうかと思いますけれども、計画の中で営農面等の対策をどうしていくかということをはっきり書くということを義務付けてこの事業を始めるということに今踏み出そうということでございます。

 特に、営農面の対策としては、サトウキビの夏植えから春植え、あるいは株出し等への栽培方式の転換ということが効果的でありますし、また、収穫後から次の植付け時まで裸地になりますこの期間をできるだけ短くしようというようなこと、あるいは、マメ科作物等の導入によって地面を覆いましてそういうことをなくしていくということ、そういったことでこれらを活用したいということでございます。

 土地改良法の改正で「環境との調和に配慮」ということも入れましたので、正にそういうことを進めていきたいということで、よろしくお願いしたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 

これは、私も石垣島に参りまして、赤土問題の深刻さは自分で見てまいりました。

 土地改良などの公共事業と赤土問題などの関係については、私どもは今まで以上に反省をして、昔はなかったわけでありますから、そのことをしっかり考えて、今までのやり方の抜本的な変更をしないと私はうまくいかないと考えております。

 ですから、ずっと今まで例えば土地改良等の公共事業に携わってきた方々は、昔やったことについて、これは間違いだったというのは言いにくいことでございますが、しかし、赤土問題の深刻さを考えてみますと、全部この根元から洗い直して検討をして、この赤土問題を解決するようなことをしっかり考えていかなければならないのではないかというふうに私は考えております。

○遠山清彦君 

ありがとうございます。

 私も、この赤土問題に関しては、やはり、農水省だけじゃないと思いますけれども、政府全体として、過去に全国一律でやったこの土地改良事業が間違っていたという厳しい反省の上に立って今後新しい施策を進めていくべきだというふうに思っております。

 そこで、大臣の大学院大学に関連してお話をちょっとお伺いしたいんですが、先ほど岩本委員もおっしゃっていましたけれども、沖縄周辺は世界の海で最も緊急に保護が必要とされるサンゴ礁であるということが今年の二月十五日付けのアメリカ科学誌サイエンスに載っております。これは沖縄の新聞にも大きく報じられたわけでありまして、ですから、このサンゴ礁の保全という問題については今、世界じゅうが沖縄に注目しているという状況であります。

 私は、尾身大臣が作られようとされているこの大学院大学の中に是非、沖縄が世界に誇るサンゴ礁、あるいは希少生物などの保護に関係する、学部まで行けないにしても、学部あるいは何らかの小さな研究所なんかを作っていくべきではないかというふうに私は思っております。

 今、石垣島にはこういう国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターというものも財団法人として作られておりまして、こういうところと連携をしながら、やはり沖縄の特性を生かしてこの大学院大学を世界にアピールするということであれば、こういったサンゴ礁の保全なども含まれる環境保全、これはすごく大事ではないかと思うんですけれども、大臣の御所見をいただきたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 

沖縄は、亜熱帯地域の島嶼地帯であるという意味で、大変に世界的に見てもユニークな地理的な環境がそろっていると言われております。したがいまして、そこでの研究テーマといいますか、その地理的条件を考えれば、例えば深層水の研究とか、例えば海洋生物の研究とか、例えば海洋バイオの研究、そういういろんなことが考えられるわけでございまして、もとよりそういう点の研究開発は大変大事でございまして、何らかの形でそういうものも取り上げていきたいと考えております。

 この大学院大学につきましては、むしろ今のバイオインフォマティクスというような、バイオとケミカルとフィジックスとITの四者の融合領域という、これから二十一世紀に世界全体で花が開くような分野で世界最高水準を目指すということでございまして、これは非常に厳しい道でございますが、私どもとしては、そういう方向をこの大学院大学に方向の役割を担わせていきたいというふうに考えております。

 しかしながら、同時に、例えばサンゴ礁の問題とか希少生物の問題とか深層水の問題とか海洋バイオの問題等々につきましては、それはそれでまた琉球大学もございますし、その他いろんな研究機関の活用を通じてこの地理的特性を生かしたような研究開発を進めていきたいと今いろいろと検討しているところでございまして、今、今日ただいま具体的なことを申し上げるわけにいきませんが、そういうものの研究も是非進めていって、この沖縄の地理的特性を生かしていきたいと考えております。

○遠山清彦君 

ありがとうございます。

 最後に、金融特区に関連して質問をさせていただきます。

 いろいろとあったんですけれども、もう時間もなくなってまいりましたので、私はこの沖縄での金融特区、日本で最初の金融特区を沖縄でやるというのは非常に大きな意味がありますし、また壮大な実験であるというふうに思っております。ここで私たちがやはり銘記しなければいけないことは、やるからには絶対成功させなきゃいけないということだというふうに私は思っております。

 個人的に、アイルランドのダブリンで成功したと言われているこの特区の問題ですが、客観的に沖縄が持っている条件とアイルランドのダブリンが持っている条件を比べたら、沖縄での金融特区を成功させるのは大変に難しいと言わざるを得ない状況であります。ダブリンは、ロンドンへの飛行機だけで一日五十便ぐらい持っているというような交通アクセスがあるところでありまして、また英語ができる人材がいるであるとかいろんな要件があるわけでありますから、この沖縄での特区を成功させるというのは並大抵ではないと。

 そこで、これは衆議院の沖特でも出たようでありますけれども、私はキャプティブ保険会社の導入というものを是非金融特区で考えていくべきであるというふうに思っております。

 これはちょっと難しい話ではありますけれども、キャプティブ保険会社というのは、大臣御存じのとおり、自分が保険契約を結んだ保険会社がその再保険として海外に自分たちの再保険を出したときに、その一部を自分たちの企業の小会社の、これキャプティブと言いますが、引受けさせると。

 つまり、通常、日本では、保険会社に保険掛けたら掛け捨てになるわけですが、このキャプティブを使いますと、自分が保険会社に保険料を払うと。しかし、自分たちがリスクマネージメントをしっかりやってリスクのすごく低い企業になれば、それが配当利益としてキャプティブ会社を通じて自分に戻ってくると。ですから、これがインセンティブになってリスクマネージメントを一生懸命やろうというふうになるわけですね。今、世界では、こういったキャプティブ保険会社が四千社ございます。しかし、日本はたった八十社というような状況でありまして、今後、私は日本でもこのキャプティブ保険会社は増えていくんではないかというふうに思っているわけであります。

 ただ、当然、キャプティブ保険というのはかなり金融業界でもハイレベルなものでございまして、ハイレベルであるがゆえに、単純に導入してしまったりタイミング間違って導入してしまったりすれば、これはデメリットもあるというふうにいろいろと言われているわけでありますけれども、ただ私は、冒頭に申し上げましたように、沖縄特区を成功させるためにはいかなるオプションも排除しないという姿勢を持っていくという意味で、最初はコールセンターとかインターネット証券の電子商取引とか、そういうところから始まるのかもしれませんけれども、やはり世界でもう四千社もキャプティブ保険があるというところでありますから、是非、日本で初めて特区を作る沖縄でこれ、やっぱり真剣に検討していただきたいと思うわけでありますけれども、最後に大臣の御見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(尾身幸次君) 

このキャプティブ保険の問題は、今お話をお伺いしてそう思ったんでございますが、検討する価値があると思いましたが、実は、この話が私のところに参りましたのはこの法案を提出する前の日でございまして、我々、この問題をまだ本格的な検討をしていない状況でございます。

 金融特区の問題は、日本の全体の経済システムの中で極めて例外的な扱いをするということでございますので、それなりの制約も付けているわけでございますが、キャプティブ保険問題につきましては、今お話のありましたような問題もありますので、今後の検討課題としていきたいと思っております。

○遠山清彦君 

以上で終わります。

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