国会議事録

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沖縄振興策、国連機関誘致について

○遠山清彦君 

公明党の遠山清彦でございます。

 今日は、三名の参考人の方、大変に貴重な意見、ありがとうございました。

 今、私たち、この特別委員会で沖縄振興新法というものを議論をしているわけでありますけれども、私は、これから十年の沖縄の振興、これは環境保全も含めての話だと思っておりますが、やっていくために、やはり中途半端ではいけない、やるならやっぱり徹底的にやらなきゃいけないという思いを持っております。

   〔委員長退席、理事海野徹君着席〕

 今回、この日本で初めての金融特区を沖縄で作るという話もございます。また、IT特区の話、様々に、ある意味、ほかの、他府県の方々から見ればなぜここまで沖縄にというぐらいいろいろな特別な措置というものを盛り込もうということでやっているわけでございます。

 ただ、これが特別だからといって成功するという保証は全くないわけでございまして、これはある官僚の方ですが、この金融特区に絡んでアイルランドのダブリンに行かれたときの話を聞いたそうなんですが、そこで言われたのは、沖縄で金融特区が成功するかどうかのキーワードは一に危機感だと。国の、沖縄関係の関係者の危機感、それから沖縄県民の危機感、これが本当にあるかないかだと。実際に、ダブリンとかバミューダの金融特区をまねて失敗した例の方が多いという話があるわけです。マレーシアとかポルトガルとか、失敗をしております。

 ですから、私は、今回沖縄が新しいことをやるのであれば、やっぱり危機感がなきゃいけないというふうにすごく思っているわけでありますけれども、最初に三参考人全員に、この沖縄県の中で、いわゆる沖縄振興、環境問題も含めて結構ですけれども、県民が今後十年間で本当に──先ほどから前泊参考人が依存型の、基地依存経済の問題あるいは財政依存の経済の問題、私は、これは物質的あるいは財政的な依存だけではなくて、依存的なメンタリティーの部分も、これは前泊さんなんかも論文の中に指摘されておりますけれども、あると思うんですね。そこからやはりこの十年、脱却しなきゃいけないと。そういう意味での危機感がどれぐらいあるのか。ちょっと、率直なところを簡潔にお聞きしたいと思いますので、お願いいたします。

○参考人(尚弘子君) 

確かに痛いところでございまして、御承知のように、自然環境だとか、それから沖縄の人の県民性がいろんなところで分析されております。

   〔理事海野徹君退席、委員長着席〕

 特に、NHKは日本の各県の人たちの特徴というものを調べておりますけれども、沖縄の県民性というのが全国の中でも突出していると。大変にゆったりとといいますか、沖縄から出たがらない。そして、ユイといいます、相互扶助の精神を大事にするというような、それが長寿の一つの大きな要因につながっているかもしれませんけれども、おっしゃるように、戦争であれだけ私どもはすべてを失ってきて、そして今のところまではい上がってきたんですけれども、何かお互いに助け合っていると何とかなるという、方言で言う何とかなるさあというような、ああいう調子の県民性というのが確かに奥の奥にあって、危機感というものを私ども自身がむち打って持っていかなければいけないというふうに感じております。

○参考人(前泊博盛君) 

私も同感であります。

 正に、失業率でいいますと今七・九%、二〇〇〇年の数字ですけれども、全国の倍の失業率の中で沖縄がこれだけ元気でいられるというのは、沖縄の風土がもたらす豊かさだと思います。ユイマールの精神がなければ、恐らく失業者であふれ返っている沖縄でこれだけの安定した生活は望めないかと思います。そのユイマール精神あるいはその沖縄のコミュニティーが支えるバッファー効果といったものに今支えられて沖縄経済は何とか持ちこたえているような気がします。

 ただ、それも一〇%を超えてきたら果たして支えられるだろうかといった部分、この危機感に至らなければ動かないかというと、そういうことはないと思います。悲劇的なところに行く前にやはり振興策は展開されるべきものだと思っています。

○参考人(前川盛治君) 

私は逆に、逆の危機感を持っているんですよ。というのは、例えば沖縄では基地が集中していますよね。それで、例えば去年のテロ事件以来、沖縄の観光が非常に落ち込みました。そういうことがあって、要するに、基地をやっぱり撤去しない限り沖縄の観光の振興はあり得ないというふうに考えているんです。

 それからもう一つは、先ほども言いましたけれども、要するに国の財政投資があって公共工事がどんどん進んでいく、そういう中で沖縄の自然がどんどん今破壊されている。例えば、先ほども言いました公有水面の埋立てが全国一なんですよね。沖縄の海岸、沖縄というのは海、空、自然が沖縄の売り物ですが、沖縄の海岸のほとんどがもう人工の護岸に変わっていってしまっていると、そういう状況があるわけですよ。

 そういうことに危機感を持って、先ほど言ったように、今後は自然を大事にしていきながらのいわゆるエコツーリズムの振興、これが今後の沖縄の観光の目玉になってほしいということで、あちこちでエコツーリズムのことが今行われているわけですよ。

 ですから、そういう意味でも、是非逆の危機感を持って、沖縄を大事にするような振興策であってほしいというふうに私は考えています。

○遠山清彦君 

ありがとうございました。

 そこで、尚参考人の方にお聞きしますけれども、私も人材育成が大事だということは同感でございます。

 それで、特に今、沖縄は金融特区とかIT特区とか、特区という言葉が、特別区というのがよく付いているわけですが、私は、個人的な意見なんですけれども、こういう大人の社会で特区を成功させるためには、教育も、教育特区というか、そういう発想がないと、それはやっぱり特区を担う人材が出てくるところは教育なわけでして、今沖縄で制度上やろうとしていることというのは、はっきり言うとほかの日本の地域でもそういう人材いるのかと言われてもおかしくないぐらい、かなりユニークな人材というか変わった人材というか、そういうのが求められている。

 例えば、語学に関して言えば、金融特区にしてもIT特区にしてもやっぱり英語は不可欠でありますし、そういった観点から尾身大臣も大学院大学は全部英語で授業をやろうという構想を持たれているわけでありますけれども、語学の問題が一つございます。

 それから、私、以前、大学の講師を九州の宮崎でやっておりましたが、その大学はすべての授業が二十人以下のクラスで少人数でやっておりましたけれども、私、その経験を通して、やっぱりこれは小中学校から全クラス二十人以下にしたら相当教育効果が違うなというような思いを持っていたりするわけですけれども。

 そういった意味で、沖縄の教育の在り方、公立教育の場合なかなかいろんな問題はありますけれども、全国との公平性とかありますけれども、この沖縄の国際化、また人材育成を進めていく上で教育改革は大事だと思うんですが、これについて尚参考人の御意見を伺いたいと思います。

○参考人(尚弘子君) 

先ほど私が申し上げました大学院大学のこと、それから国立高専のことにつきましても、正にこの教育特区というのが沖縄からできたらなということで申し上げました。

 高専はもうここしばらくどこにもできていなくて、沖縄だけがなかったということもございますけれども、そういう点からも、是非、教育特区的な、少人数クラスだとか──それから、今おっしゃるように、もう東南アジア辺りでは高校から英語でしゃべれるような人たちはたくさんいるわけですね。特に英語でやっているシンガポールだとかフィリピンだとかというと、もうそれが大学でも学校でも使われているというところが多うございますので、ですから、そういう国の推薦のシステムという、いわゆる人物保証がなされたような形で沖縄までおいでいただくということになると大変すばらしいと思うんですね。

 と申しますのは、今、沖縄にOICというのがございます。沖縄インターナショナルセンターという、JICAの下にあるんですけれども、そちらの研修生は、大変沖縄に来て何かアットホームな気持ちになれるということも話しておりますので、沖縄というのは南への玄関口として私は立派な機能を果たせると思うんですね。そういう意味で、今おっしゃるように、もう是非そういう形でこれから十年で変わっていけばなというふうに望んでおります。

○遠山清彦君 

次に、前泊参考人にお伺いいたします。

 観光振興、これは沖縄で非常に重要なわけでありますけれども、私は、やはり沖縄に外国人をもっと呼ばなきゃいけないと。これは、私もこの委員会で実は議論しているわけでありますけれども、沖縄に来る観光客の総数は大体四百四十万人、四百五十万人と言われている中で、平成十二年度の実績でいいますと十四万九千人しか外国人の観光客が来ていない。そのうち、ほぼ十二万人ちょっとは台湾から来られているわけでありまして、ほかの国というのは誠に微々たるものなわけでございます。

 当然、これは尾身担当大臣も何度もおっしゃっているんですけれども、先ほども、ベトナムへ行くのに沖縄から羽田、成田、ベトナムという、そしてまた帰りもそうだったというお話がありましたけれども、やはりこの国際交通ネットワークというものが沖縄でなかなか確立されていないということが一つの大きな問題だとは思うんです。

 ただ、これはちょっと長期的に考えていかなきゃいけない問題だと思うんですが、私、直近の課題として、やはり今後、中国がこれから経済発展、高い経済成長率を持っておりますので、人口も十二億人以上いるわけでありますから、もし中国の本土の一割の方が海外旅行へ行けるとなったらこれは一億二千万人を超えるわけでありまして、しかも上海から二時間ぐらいでしたっけ、飛行機で、というふうに非常に近いということもありますので、これは沖縄にやはり中国語圏、これは当然、香港、台湾、中国本土と含めての話でありますけれども、中国をやたら脅威と見るんではなくて、やはり大事なお客様、将来、近い将来になるんだというような意識で、沖縄辺りでもこの中国語圏からもっと誘客を大規模に行うというような戦略も必要ですし、その上でほかの国々からもお客さん持ってこようという、そういうのが大事なんじゃないかと私、思っているんですが、それについて所見をいただければと思います。

○参考人(前泊博盛君) 

正に本当に先生おっしゃるとおりで、外国からの観光客をどう迎え入れるかというのが恐らく、この四百五十万人、これから七百万人あるいは一千万人を目指す沖縄にとってはもう不可欠の課題だと思います。

 実際に台湾の方たちに聞きました、どうやれば来てくれるのかと。幾つかの要望があって、その中にはノービザといったものがありました。もう少し来やすいビザ制度にしてほしいと。それから、ほかには、観光ビザだけではなくてビジネスのビザも欲しいと。ビジネスでこれだけ交流をしているのに、やはりちょっとした長期の滞在になるとかなり厳しい制限があると。具体的なものはその中でも指摘もされていたんですけれども、そういったものを、目に見えない障壁をどう取り除いていくかといったものも課題かと思います。

 それから、台湾の航空会社からは、やはり航空交渉が二国間協定であるということで、路線の拡充がかなり厳しいと。この路線の認可を沖縄に限って特例を設けて国際路線については認めてくれないかといった話もありました。

 それから、国際線のターミナルの問題ですね。これは、国内の観光客に向けてサミットの際に十分なものを造っていただきました。ところが、その隣にある国際線、これを見ますと本当に悲しくなります。夏場のピークになりますと、入管の手続をする方たちが暑い外に列をはみ出してしまう。これだけの施設しかないのに観光客に来てくださいとは、今は申し訳ないけれども言える状況にはないと思います。この辺りのハードの整備も含めて、急がなければならない課題だと思っています。

○遠山清彦君 

もう時間がなくなってきましたので、最後の質問でありますが、私あるいは私が所属している公明党は、沖縄に是非国際機関あるいは国連の機関を誘致をしたいと。

 これはいろんな意味がございまして、沖縄が唯一の地上戦の舞台に第二次世界大戦中になってしまったという意味もありますし、また基地があるということを、どうそこから、だれも基地があることをいいとは沖縄で思ってはいないわけですが、しかし、これを現実的に減らしていったときに、その経済的なマイナス効果とかいろんなものを相殺していくために、代替案として私どもはやはり国際機関をもっともっと沖縄に誘致をしていって、沖縄を本当に国際交流、平和の発信地にしていきたいという思いがあるんですが、これについて尚参考人と前泊参考人から一言ずつ。

○参考人(尚弘子君) 

確かにおっしゃるとおりで、私も大学におりましたころ、国連のいろいろな資料を大学内に置くようなその誘致ということで委員を務めたことがございます。今、そのコーナーもできまして、大きなメリットを得ていますけれども、沖縄に国連の、特に南に開かれた形のそういうネットワークを作る意味での国連の機関ができれば大変有り難いというふうに思っております。

○参考人(前泊博盛君) 

私も同感であります。是非、平和につながるものを中心に沖縄に置いていただければと思っています。

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このページは、t-modeが2002年3月28日 13:02に書いたブログ記事です。

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