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2007年11月28日
グテーレス国連難民高等弁務官に再会
遠山清彦です。今週月曜日の参院本会議で平成18年度決算検査報告について代表質問させていただきました。多くの方がテレビ中継を見ていただいたようで、大きな激励をいただきました。本当にありがとうございます!ただ、ご覧になっていた方はおわかりのように、野党席からものすごい大声の野次が飛び、一時自分の声が聞き取れないほどの喧騒でした。性格的に張り合う方なので、私も大声の演説で対抗しましたが、私は国会で野次を浴びるのは「それだけ質問が良いからだ」と勝手に解釈しているので、良かったです。つまらない質問だと、野次も飛んできませんから。野次を飛ばすということは、その人(野党議員)が中身を聞いてくれている証拠ですし。
さて、昨日夕方は国会での様々な仕事を終えて、表参道の国連大学ビルに行き、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の年末レセプションに参加しました。そこには、UNHCRのトップを務めるグテーレス氏も参加しており、開始前に再会を果たし、少々懇談しました。グテーレス氏のような人に会うと、いつも「こういう人が真の国際人だよなあ」と感嘆してしまいます。
グテーレス氏は、1995年から2002年までポルトガル首相を務め、EU議長の退任も果たしたことのある欧州を代表する政治家のひとりです。首相を辞めた後、2年前から難民支援の最大国際機関であるUNHCRのトップに就任しました。華々しい経歴の政治家ですが、紳士的なだけでなく気さくな人柄で、一若輩政治家にすぎない私とも冗談を交えながら会話してくれます。こういう国際的政治家を日本ももっと輩出していかなければならないと改めて痛感しました。
今回のグテーレス氏の訪日で私が最も注目したのは、日本にアジアで初の「第3国定住受け入れ国」になってほしいという要請を外務大臣や法務大臣にしたことです。この第3国定住とは、すでに欧米各国が実施していますが、一定の数の難民を毎年継続して受け入れ自国での定住支援をするという人道作業です。私は、5年前にニュージーランドに行って難民政策を研究して依頼、この政策を研究してきており、ようやく政府内でも勉強会が立ち上がってきたので、実現に向けて全力を尽くしたいと決意しています。
2007年11月23日
本会議代表質問します!
遠山清彦です。昨日の午後、私が委員長を務めている参議院法務委員会として東京拘置所を視察しました。各党の理事及び委員11名が参加し、死刑が執行されている刑場も視察し、幹部職員とも意見交換をしました。私個人としては死刑制度廃止論者であり、複雑な思いを抱きながらの視察でしたが、委員長として有意義な現地調査となるように心がけました。実際に刑場を見たので、今後委員会審議でも死刑制度について深い議論が行われることを期待しています。
さて、私は来る11月26日月曜日の本会議で、公明党を代表して平成18年度決算検査報告についての代表質問に立ちます。(質疑の様子はNHKでテレビ中継されるそうです。時間は、午後2時から4時の間で、私は3番手で10分間代表質問します。)今まで、決算委員会等で幾度も質疑に立ち、政府の予算執行のあり方・問題点について追及してきましたが、今回は代表質問でもあり、公明党内で蓄積されてきた国民の視点に立った論点を集大成して臨む準備をしてきました。「税金の無駄遣いをなくす!」という強い決意で質疑をさせていただくので、やや野党的な内容になると思いますが、ご関心のある方は是非テレビかラジオ中継を視聴していただきたいと思います。
2007年11月21日
民主党はきちんと対案を提示せよ
遠山清彦です。前回のメルマガで紹介した日曜日の「サンデープロジェクト」の議論では、テロ対策新法に対する民主党・野党側の対応も話題になりました。民主党の浅尾議員は、「対案はある。出している。」という趣旨の発言を繰り返していますが、これは事実と異なります。国会において「対案」とは、法律案の形をとったものでなくては審査の対象にならず、意味がないのです。民主党が示しているのは「考え方」や「(対案の)骨子」と呼ばれている大雑把な文章にすぎません。
私もあるルートからこの骨子を入手し、読みました。この文章に盛り込まれている個々の論点の中には公明党としても受け入れられる内容が少なからずあります。(それは、番組内でも申し上げました)ただ、大雑把な考え方が示されているだけで、法案化するには具体的につめなければならない技術的な矛盾点も多い、という印象を持ちました。また、民主党が対案を法案化できない理由として、それをしてしまうと共産党はもちろんのこと、社民党の協力も得られなくなり、結局参院でも可決の見込みが立たないという「アキレス腱」があるからだとも思いました。
民主党案は、海上阻止活動への自衛隊参加は想定していませんが、国連決議のある陸上活動のISAFへの自衛隊参加の可能性は排除していません。自衛隊が動く限り、武器使用の問題等が出てきます。共産・社民は「自衛隊は憲法違反」という原則的立場を取っている以上、まず賛成できないと思います。このような状況で結局民主党は「今の政府案には反対だ」ということでしか野党側をまとめることができず、事実上対案を出さないという「あいまい戦術」を取っているわけです。このような不誠実な政治姿勢では、政権を取ってもその運営をすることなどできないということを、民主党は知るべきです。
2007年11月20日
「小委員会」の活用
遠山清彦です。一昨日、初めてテレビ朝日の「サンデープロジェクト」に生出演し、各党参議院議員と約50分間議論させていただきました。初出演だからというよりも、司会の田原総一郎氏と議論するのが私の記憶では約3年ぶりなので、それでいつものテレビ出演よりも緊張感を持ってのぞみました。
番組の冒頭約30分間、町村vs菅のトークがあって、それを司会席の横で聞いているうちにだんだん落ち着いてきました。私の出演する企画が始まると、議論にのめりこんでいったのであまり緊張しませんでした。ごらんになった方には理解いただけると思いますが、私が今回の番組で一番主張したかったことは、国会における「小委員会」の活性化です。
「ねじれ国会」とは、衆参で多数派が異なるため、両院で可決される法案が依然と比べて格段に少なくなる可能性があります。(法案Aは衆院で可決されても、参院で否決。法案Bは参院で可決されても、衆院で否決となる可能性がある、という意味です。)国会は立法府と呼ばれているのに、法律が成立しにくくなれば、その立法機能に疑問符がつけられてしまいますし、そんな状態が長く続けば、国民の政治不信は支持政党に関わりなく高まらざるを得ない、それが私の問題意識でした。
そこで、現在の国会ではあまり活用されていない「小委員会」方式を活性化させるべきだと思います。小委員会は衆参両院に設けられているほぼ行政府の省庁に対応した委員会の委員長の発議で設置ができ、定例日が決まっていないため、理論的には毎日でも法案審査ができます。この小委員会を活用して、政府与党が出す法案と野党が出す対案の審議をし、論点整理をして相違点を浮き彫りにし、その相違点に焦点をあてて本委員会での審議をすれば、法案成立の可能性は少なくとも現状よりは格段に高くなる、というのが私の考えのポイントです。「ねじれ国会は、民意だ!」とよく叫ぶ野党議員がいますが、かといって国民が法律を立てられない国会でも良い、と考えているとは思えません。立法府としての使命を果たすために、国会議員は毎日でも小委員会で議論すべきです。
2007年11月14日
がん検診
遠山清彦です。今朝の公明新聞4面の社説は、「がん検診を受けることの重要性」を強調する内容になっていますが、全くその通りだと痛感しました。国民の2人に1人はかかるというがんは、今や日本人の「国民病」ですが、多くの国民は意外に「自分は大丈夫」と思い込んで、がん検診を受けない人が多いのです。(内閣府の10月調査で、半数以上の人が「一度も受けたことがない」と回答。)
私も、その1人でした。しかし、現実に周囲を見渡すと、30代や40代の若さで突然がんに罹患していることが発覚することも多く、中には発覚時に末期でご家族も含めて大変ご苦労されている人も多いのです。言うまでもなく、がん治療で決定的に大切な要素は「早期発見」です。残念ながら定期健診や通常の人間ドックではがんを発見できないこともあるようです。忙しい人が多い世の中ですが、命あっての人生です。なるべくがん検診を受けるように、心がけましょう。
ところで、国会ですが、私はまた民主党の対応にイライラしています。テロ対策新法は衆院から参院に送付されましたが、民主党はその審議をなかなかさせないで時間切れを狙う戦略を明確にしてきています。私は「反対するなら反対するでいいが、きちんと民主党の対案を出してもらいたい」と思っています。対案提示をせず、ただ反対するならば、昔の万年野党と同じです。
それから国会同意人事の承認が今朝の本会議でありましたが、民主党の反対で3人が任命されませんでした。反対の理由がはっきりしないのですが、どうも「役人OBだから」というのがそれのようです。民主党の衆参国会議員には「役人OB」が多くいることを考えれば、これは自己矛盾ではないでしょうか。民主党議員になる役人OBは「良い役人」で、政府審査会委員になる役人OBは「悪い役人」とでも言いたいのでしょうか。国民のみなさんはあまりこういう細かい矛盾をご存知ないと思うので、あえて書きました。小沢騒動ではないけれども、民主党はもっと一貫性を持って政治に取り組んでもらいたいと思います。
2007年11月12日
あだち若者サポートステーション視察
遠山清彦です。本日午後、衆院テロ特別委員会でインド洋での給油活動継続を主旨としたテロ対策新法が賛成多数で可決されました。明日の衆院本会議で可決され、参議院に送られます。参議院は野党が多数になっており、普通に考えれば否決される見込みが強いです。しかし、民主党内には否決することで、給油活動の継続を支持する国民と、それを期待する国際社会からの批判を恐れて、審議自体を引き延ばし、「採決をしない」という煮え切らない戦術を取る可能性があります。「ねじれ国会」で求められているのは、国民の前で堂々と主張を展開することであり、是非民主党も議論と結論を堂々と天下に示してほしいと思います。
さて、私は本日午後、党雇用格差是正対策本部の視察で東京都足立区にある「あだち若者サポートステーション」(AYSS)に行き、同施設スタッフとニート対策等について率直に意見交換するとともに、施設内を視察しました。足立区の全面サポートを受け、この施設が非常に多くの仕事を探す若者を支援し、成果をあげていることがわかり、発足当初にも視察させていただいた私としては、心の底から感動しました。
AYSSは、生活保護世帯の子弟からニートになる若者が出る傾向に着目し、同世帯を担当するケースワーカーの方々と緊密に連携を取りながら、家庭訪問なども実施して、「ニートの早期発見と早期支援」に努めていることが大きな特徴で、おそらく全国で最も先進的な取り組みをしています。また本当に自立が困難な若者については合宿形式で訓練を受ける「若者自立塾」への入塾につなげるなど、一人ひとりの実情にあったきめ細かい支援を提供しています。
このような地域若者サポートステーションは、来年3月までに全国50ヵ所(昨年度25ヶ所)開設されます。地域によって色々な事情が異なりますが、足立の例などを参考に真に若者にとって役に立つ施設になるよう、公明党は国会議員と地方議員が連携して全力を尽くします。
2007年11月09日
迷走する民主党
遠山清彦です。福田・小沢会談の大連立構想、そして小沢代表の辞意表明からその撤回にいたるまでの「有権者不在の田舎芝居」(日経新聞)が終わり、国民の多くは大きな政治不信を感じているのではないか、と思います。ある民主党若手議員は、今週の初めに会った時に、「小沢さんには代表続投してもらいたい。あの(辞意表明の)記者会見は、参院選勝利で浮かれている民主党議員に活を入れたかっただけだと思う」と私に説明しましたが、党内に活を入れるのに国民の前でテレビ生中継記者会見を開く必要はありません。
まして党首を辞めるという政党にとって最も重い決断だからこその記者会見であったのに、3日たってその決断を撤回するという「茶番劇」に付き合わされた国民は、民主党に期待していただけにその失望もまた深かったのではないか、と思います。いずれにせよ、勝負の舞台は国会論戦と来る衆院選にゆだねられました。「ねじれ国会」でなかなか法案を成立させられない状況ではありますが、「国民のため」という一点で粘り強く公明党らしい戦いを展開していきたいと思います。
私は今、参院選後に党内に設置された4本部のうち、「雇用格差是正対策本部」の事務局長として精力的に活動しています。ニート支援や、派遣労働者の処遇改善問題、障害者雇用の促進や年長フリーター自立支援など、幅広いテーマについて調査・視察をし、今月末までには政府に提言を申し入れたいと考えています。こういう地道な活動をやり抜くことが、公明党の最大の使命だと思います。
さて、本日夜8時から日本テレビ系列で放映される『太田総理』という番組は、今週月曜日の収録で、やや話題に「時差」がありますが、連立構想の是非や民主党の今後について激論する内容になっているはずです。ご関心のある方は、是非ご覧ください。
2007年11月08日
テレビ出演のお知らせ
明日、11月9日(金)20:00放送予定の「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系列)」に先週に引き続き出演します。今回のマニフェストは「政党の分裂・連立を禁止します」。最後のほうで、ずいぶんイジられました…。番組としては盛り上がったと思います。ぜひご覧ください。
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2007年11月05日
民主党・小沢代表辞任
遠山清彦です。昨日午後4時半からの記者会見で小沢民主党代表が辞任を正式表明しました。私も含めて多くの国民が驚いたと思います。プロ野球で例えるならば、クライマックスシリーズを勝利したチームの監督が日本シリーズの直前に自ら辞めるような話で、常識的には理解しようがない事態です。
もちろん野球と政治は違います。「大連立」構想も、国民のために政治を前進させるという意味で選択肢の一つになりえます。しかし、国民から見れば、選挙であれだけ「今の自公政権はだめだ」と言っていた小沢さんがそこと一緒にやるというのは、党内にも国民に対しても相当な説明をしなければならない話で、その説明プロセスを全く欠きながら総理との二者会談だけで話を決めようとしたところに最初の問題点があったと思います。
また小沢氏の記者会見を見て腑に落ちなかったのは、なぜたった1回の党役員会で自分の意見が否定されたら、代表をやめるのか、ということです。その姿勢に「わがまま」や「傲慢さ」を感じた人も少なからずいるのではないでしょうか。私たちは今年の夏の選挙でも小沢代表の「壊し屋」政治家としての遍歴や今の民主党の党内が結束していないことに言及しました。はからずも、その主張の正しさが、今回の事態で証明されたと思います。
今後、予断を許さない政治状況が続きますが、公明党は国民の視点に常に立って、全ての事態に対応していかなければならない、と考えています。
2007年11月02日
国会論戦:ODA改革
参議院決算委員会2007年10月29日議事録(抜粋)
○遠山清彦君 是非、今後似たような問題が発生しないようによろしくお願いをいたします。
続きまして、ちょっと時間の関係で一問、次の外務省の無償資金プロジェクトの事後評価の質問は飛ばさせていただきます。
この事後評価の関連で、私、今日お伺いをしたかったのは、外務省以外の各省庁も実はODA予算、プロジェクト、持っております。これについて質問したいと思います。
まず、財務省に伺いますが、平成十八年度一般会計予算ベースで外務省以外の各省庁に振り分けられているODA予算の中身と総額についてお答えください。
○政府参考人(香川俊介君) 平成十八年度の一般会計のODA予算は七千五百九十七億円ございますが、このうち外務省所管が四千七百三十三億円、その他省庁の所管が二千八百六十四億円となっております。
この二千八百六十四億円でございますが、うち千九百三十二億円が財務省。このうち、JBICへの出資金が大宗を占めます、千六百五十九億でございます。それから、文部科学省が四百三十二億円。これは留学生交流が大宗を占めることとなります。それから、厚生労働省が九十九億円ございますが、これはWHO、ILO等への拠出金がほとんどでございます。それから、経済産業省が三百二十三億円ございまして、これは専門家の派遣でありますとか研修生の受入れといった技術協力、それからジェトロへの交付金でございます。それから、内閣本府、警察庁、金融庁、総務省、法務省、農林水産省、国土交通省、環境省、合わせて七十八億円。これはほとんどが技術協力、専門家の派遣でありますとか留学生の受入れとか、そういった予算でございます。
○遠山清彦君 外務省にお伺いします。
今御答弁あったように、政府全体のODA予算、ずっと削られてきているわけでありますが、十八年度、昨年度の予算ベースで七千五百九十七億円あると。外務省はそのうち大体六二%分ぐらいを使っておるわけでございまして、残りは他省庁の所管で使われているわけでございます。一般的にODAというと外務省というイメージがあるわけですが、この予算の数字を見ても、他省庁もかなりの割合を実際には占めているということでございます。
そこで、外務省にお伺いをいたしますが、外務省は、他省庁のODA予算の使われ方についてどの程度把握をし、また、例えばその使われ方等について国際標準的なODAの評価基準から問題があった場合に助言や勧告を行っているのか、そういう権限は与えられていないかもしれませんけれども。また、他省庁が行った技術協力分野などのODAプロジェクトの事後評価等にかかわっているでしょうか、お答えください。
○政府参考人(小田克起君) 外務省以外の各省庁は、所管する政策目的の実現のため、各々設置法に基づき、それぞれの専門性を生かしつつ事業を実施しているものと承知しております。これらの事業につきましては、国際協力をその内容とすることから、外交政策との整合性の確保や重複を回避することにより我が国ODAの効率的実施に努める必要があると考えております。
外務省といたしましては、外務省設置法上定められた所掌事務に照らしまして、技術協力連絡会議を開催して各省庁が実施する個別事業について情報交換を行い、また平成十八年度当初からは各省庁の実施予定案件に関する情報をデータベース化しております。こうして得られました情報につきましては、関係在外公館とも共有し、我が国の援助方針とそごがないかの確認はしております。また、各省庁が実施しましたODA事業に関する評価結果につきましても、外務省は毎年、経済協力評価報告書として取りまとめているところでございます。
なお、各省庁の予算について、各省それぞれが取得したものでございますので、外務省がその執行について勧告を行ったということはございません。
以上でございます。
○遠山清彦君 今の審議官の御答弁にあったように、高村大臣はよく御存じだと思いますが、他省庁に振り分けられたODA予算というのは実はデータとして集約されていないんですね。私、参議院には今、ODA特別委員会もありますし、それから私、決算委員会でいろんなODAの案件を扱ってきましたけれども、外務省所管のODAとか、あるいは、まあ財務省ですけれども、JBICの関係とかというのはかなり透明性の高い、今まで国民にいろんな御批判もありましたので透明化を図り評価基準も公表してやっているわけでありますが、他省庁というのはほとんどないんですね。
後ほど若林大臣、農水省のプロジェクトを具体的に取り上げてお聞きしますけれども、例えば農水省所管のODA予算でやっているプロジェクトは、多分、農水委員会ではほとんど取り上げられたことがないんですね。かといって、じゃ外交防衛委員会でも取り上げられないし、あえて言えば予算委員会とか決算委員会、こういうところで取り上げるしかないんですけれども、国民の皆さんも国会議員のほとんどの皆さんもODAイコール外務省になっていますから、ほとんど聞かないんですね。聞かない中で、世界的には事後評価ちゃんとやれというふうになっているのに、そこだけ実は抜けているというふうに私は感じているんです。
それからもう一つは、政府全体のODA事業を総合的にモニターする機能あるいは援助効果が本当にある事業をやっているのかどうかということを統括する、チェックする機能が政府に欠けておるわけです。これは、国会でも従来から開発援助庁みたいなところをつくればいいんだとかいろんな議論ありましたが、財政再建やっているさなかにそういう新しい行政官庁をつくるわけにはいかないので、私自身としては、後ほど聞きたいと思っていますけれども、何らかの形で政府のODA全体を見る機能なり部署なりをそろそろ明確化した方がいいんではないかというふうに思っているわけです。
ところで、この私が申し上げた一点目の、他省庁のODAの事業が余りかいま見られていないということの一つの例として、私、若林大臣に意趣はないんですが、農水省のODA予算に焦点を当てて聞かせていただきたいと思います。
平成十八年度の同省ODA予算は、約四十八億円でございます。その四分の一に当たる約十二億二千七百万円が財団法人海外漁業協力財団に拠出をされております。私、この財団を調べましたけれども、財団の理事長は元水産庁長官、それから常勤の専務理事一名は元財務省、それからもう一名は水産庁の資源管理部審議官、それから非常勤の理事、監事十名ほどおりますけれども、水産庁次長、林野庁長官、水産庁次長、水産庁研究部長と、四名水産庁のOBが入っております。誠に申し訳ないんですが、これ普通に見たら典型的な役人の天下り組織なんですね。そこに農水省のODA予算の四分の一が委託をされているわけでございます。
そうしますと、大臣、ここで御答弁いただきたいんですが、これ見方によっては何か、農水省のODA予算少ないんですよ、四十八億ですから。しかし、何か農水省というか、この場合、水産庁、林野庁が出てくるわけです。しかも、長官ですけれども、その農水省の役人のOBの天下り先確保というか仕事確保のために農水省のODA予算が使われているという非難をされても致し方ない面があるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(若林正俊君) 海外漁業協力財団におきます役員の構成につきましては、委員が御指摘のとおりでございます。
しかし、そういう天下りをねらってこういうものをつくったというんではなくて、二百海里の問題が起きまして、公海におきます我が国漁業の領域というのが、大変に今までどおり漁獲をすることが難しい環境が出てきました。そこで、アフリカでありますとかアジアでありますとか、そういう沿岸諸国の水産業の振興開発というものに支援をしながら、我が国の海外漁場を確保するための協力事業というのがないと我が国の漁業が海外において活動する場がだんだんと縮小されていってしまうと、そういう事態に直面したわけでございます。そういう中で、海外漁業の協力を通じまして、我が国の海外漁場を確保するための協力事業を実施するという趣旨で設けられたものでございます。
この財団が、農林水産省出身の理事等が委員御指摘のとおりおられるわけでありますが、水産行政とか開発途上国への支援の経験と、これは従来から公海におきます漁業の活動というものは海外と、海外諸国と非常に関連が深い、連携を取りながらやってきたということがございますので、それらの経験を有する人たちを、それぞれ財団の運営に必要な見識があり、役員としてふさわしい人材であるということで、これ財団でございます、その財団自身の判断によりまして理事への就任が依頼され、そしてそれぞれが理事に就任したものと、このように理解をしております。
○遠山清彦君 若林大臣、私、漁業における海外協力、それから二百海里の問題の重要性、認識をいたしております。
ただ、例えば大臣、今のおっしゃったことからいうと、ランクでナンバーツーになっております専務理事の、常勤の専務理事の方は関東財務局長出身ですから、全然漁業に詳しくない方で、ただこれは財務省のOBですから、大臣が擁護する必要はないと思いますけれども、そういう面もございます。
それからもう一つ、大臣、この財団がちゃんとODAの評価基準に堪え得る仕事をしていれば、私はそんなに批判的ではないんですね。この財団のホームページを私、拝見したんですが、評価委員会というのが設置をされていて、それで有識者評価委員による現地評価調査というのをやっていますと書いてあるんです。ただ、インターネットでは一般論しか書いていなくて、具体的にどういう評価をして、どういう成果を出したのかが全く国民の供覧に付されていないんですね。
私、先週の金曜日、質問通告のときに要求をいたしまして、今朝、この三冊、今持っていますけれども、この財団が作った海外漁業協力事業評価報告書をいただきました。ちょっと苦言呈せば、二〇〇六年度のやつは、一ページ目開いたら全部逆さまの英語が出てきまして、製本ミスの評価書を持ってきて、ちょっと心情は害したんですが、それはおいておきまして、例えば直近の二〇〇七年の七月に財団が出された報告書なんですけれども、これは財団から聞いたら、大体一年間で二十件ぐらいの案件をODA、やっていると言っているんですけれども、事業評価したのは一件だけなんですね、キリバスの。だから、私はこの評価システム自体は、冒頭にずっとこれ毎年同じ内容が出されているんですが、冒頭の評価基準はこうですよ、視点はこうですよとか、フローチャートとか、これはなかなか専門性があるなと私は見直しました。
しかしながら、それを使って実際に調査したプロジェクトは一個しかないというふうになりますと、やっぱり国民の血税を原資としたODA予算が十億円以上入っているわけですから、これは幾ら農水省といっても、だから、結局、若林大臣おっしゃったように、水産行政に明るい方々だから役人のOBが天下ってもいいんだと、そうおっしゃるならば、もっと専門家が見ても国民が見ても、ああ、これだけの事業をやってこれだけの評価をやって、これだけの国益に貢献しているんだなと分かるものじゃないと、これだとちょっと私は大臣の先ほどの御答弁が、大臣のせいじゃないですよ、現場でやっているこのプロジェクトとその評価の内容のレベルから見ると、ちょっと浮いてしまうのかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。これは水産庁長官、答えるの。
○政府参考人(山田修路君) 海外漁業協力財団におきますその評価でございますが、これはただいま遠山委員から御指摘がありましたように、ガイドラインをつくり実施をしているということで、実施の仕方につきましては委員からお話がありましたように、四つの段階で、事前評価、中間評価、それから終了時評価、事後評価という形でやっております。それから、評価の基準については、OECDのDACの委員会でつくりました五つの評価項目にプラスして、先ほど大臣からお話ししましたように、海外漁場の確保との関連性も見るということで、財団独自の基準もプラスして実施をしている状況でございます。
それで、委員が御指摘がありましたその報告、あるいは実際にどういう形で実施をしているかということなんですが、この財団の評価につきましては、内部の委員会と外部の第三者委員会がございます。内部の委員会におきましては、対象となる事業についてはすべて目を通して実施をしております。ところが、外部の委員会にお願いをするのは、外部が実際に外部委員会の委員の方々、現地へ行って見るもの、それについてはそこに報告しております一件、外部委員会が現地へ行って調査をしたということでございまして、内部委員会の評価の結果はその外部委員会に出して、チェックをしていただいております。そこの報告書でまとまっておりますのは現地調査のものを詳細に報告しているということでございまして、一応その内部委員会ですべて見て、その状況は外部委員会に報告し、更に外部委員会が現地調査をしてその報告書がそこにまとまっていると、こういう形でございます。
○遠山清彦君 いや、そしたら何で私のところにその内部委員会が評価したものを持ってこないんですか。与党の議員でもね、資料要求したって持ってこないんだから。だから、そういう隠ぺい体質なんだ。
で、大体、長官ね、そういうこと言うんだったら、じゃ、この海外漁業協力事業の評価なんて、私が多分取り上げるまでだれも興味ありませんよ、国会議員も国民も。だけど、国民の血税十億以上使っているんだから、ちゃんと私に言われなくたってインターネットに公表しなさいよ、自信あるんだったら。それをやらずに言い訳するから、言い訳するから、ちょっとこうやって怒っちゃうんですよ。
それから、あと内部評価委員会が全部のプロジェクトちゃんと評価しているんだったら、それも見せてくださいよ。外務省は今やっていますよ、ちゃんとそういうことを。それはやる前は私、怒りましたけれどもね。あの無償協力のあの評価をちゃんとやってなかったから。今は物すごいやっている。だから、私は委員長に、ここに、もう時間なくなってきたので、怒って忘れる前に提案します。提案いたします。
理事会の協議に後刻、付していただきたいと思いますが、会計検査院に対して、当委員会として、外務省以外の他省庁のODAのプロジェクトについて、特に援助効果が本当に上がっているのかどうか、こういう観点から検査を要請することを御検討いただきたいと思います。
○委員長(小川敏夫君) ただいまの申入れにつきましては、後刻理事会で協議いたします。
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