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2008年06月13日
政治とは?
遠山清彦です。本来は、今日で終わるはずの国会の通常会期ですが、21日までの延長手続きを与党主導で取りました。理由は報道のとおり、衆院を通過したけれども、参院の外交防衛委員会(民主党議員が委員長)で事実上「たなざらし」の条約(アセアンとの経済連携協定という大切な条約を含む)を成立させるためです。(憲法上、条約案には衆院の優越権があり、参院を通過しなくても、衆院通過後30日経つと「自然成立」することになっています。しかし、参院議員としては、このようなことを容認させた民主党は、情けない政党だと、憤りを感じます。与党に対するせせこましい「いやがらせ」なのかもしれませんが、これでは参院無用論を助長するようなものです。参院だけが民主党の今の「権力」の源泉であるにもかかわらず。)
先日、参院本会議で野党多数により成立した福田総理への「問責決議」も、茶番の極みでした。筋論で言えば、本来野党が本気で政権不信任を訴えたいのであれば、憲法の規定に従い衆院で「内閣不信任決議案」を出せばよいのです。ところが、衆院で野党が少数なので否決されてしまう。「否決されるよりは、憲法上の根拠はないものの、自分たちが多数を占める参院で提出できる問責決議案を出して可決したほうがカッコが良い」、そう思って出したのでしょう。問責決議案を可決しても、与野党で合意した法案のほとんどがその前に成立しているので、与党としては実害はあまりありませんでしたが、とにかく今参院を「支配」している方々は「カッコつけ政治」信奉者としか言いようがありません。そして、「カッコつけ政治」の根底にある哲学は「大衆迎合主義(ポピュリズム)」でしょう。あれだけ小泉元総理を「ポピュリスト」と批判していた民主党が、今どこよりもポピュリストに見えます。皮肉なものです。
政治家として、政治に関する本を定期的に読みますが、最近面白かったのは自民党の与謝野馨衆院議員が書いた『堂々たる政治』。与謝野氏は、最近政界で社会保障財源確保や財政改革実現のために消費税の増税を「堂々と」主張する論客として存在感を発揮していますが、この著作はその思想的背景をわかりやすく説明していて読み応えがありました。本の「はじめに」から彼の最も言いたいことを書いたと思われる部分を引用すると――「本来、政治家の仕事は全人格と人生を賭けて大きな判断をすることである。その時々の流れに迎合することではない。だから、耳障りであっても、事実をきちんとお話しする。時には批判を浴びることがわかっていても、国民に堂々と語りかける。それが政治家としての本道ではないかと思う。」民主党の皆さんは、あまり与党政治家の本は読まないかもしれませんが、この部分だけでも読んであまり幻想的なマニフェストを選挙の時だけ作らないようにしてほしいものです。
それから、書論ついでに、最近マックス・ウェーバーの有名な著作『職業としての政治』からも引用させてください。「政治にタッチする人間、すなわち手段としての権力と暴力性とに関係をもった者は悪魔の力と契約をむすぶものである(中略)悪魔の力は情け容赦ないものである。もし行為者にこれが見抜けないなら、その行為だけでなく、内面的には行為者自身の上にも、当人を無惨に滅ぼしてしまうような結果を招いてしまう。」ウェーバーが見抜いたような政治家・元政治家が日本にもいるような気がしますね。
しかし、ウェーバーは政治を軽視しているわけではありませんでした。「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業である。(中略)どんな事態に直面しても「それにもかかわらず!」と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への『天職』を持つ。」この言葉を胸に刻んで、私も日々頑張っていきたいと思います。
投稿者 t-mode : 2008年06月13日 10:37