2019年(平成最後の)年頭にあたって

デイリーメッセージ, 志力の政治, 遠山清彦を知る

新年、明けましておめでとうございます。

今年は、平成最後の年。天皇陛下のご退位、皇太子殿下のご即位に伴い5月1日から新元号に変わる大きな歴史の節目となります。公明党も本年11月17日には結党55周年を迎えます。私たちは、連立政権の一翼を担う与党として、経済成長と国民生活や国益に直結する外交・安全保障等に強い責任感を持って国会と政権の運営を担っていかなければなりません。10月に予定されている消費税増税とそれに伴う軽減税率導入、かけこみ需要・反動減対策や少子高齢化に直面する日本社会にマッチした社会保障改革、財政再建努力、等々、国政の課題は尽きません。

衆議院議員遠山清彦、1月2日、鹿児島中央駅前の新年街頭演説

1月2日、鹿児島中央駅前の新年街頭演説

私自身は、党幹事長代理として斉藤幹事長を支えるとともに、山口代表を先頭として活発に展開している党外交・議員外交を党国際委員長として、さらに推進してまいります。また、党憲法調査会事務局長として、北側会長(党副代表)の下に、憲法改正問題へ慎重に対処してまいります。

年末年始のマスコミ報道の一部には、「現在の安倍政権の成果はあまりないため、総理がレガシー(政治的遺産)として憲法改正の実現に邁進するのでは」という趣旨の主張が散見されましたが、私は異なる意見を持っています。

そもそも、現在の安倍政権の成果は非常に大きいと思います。ここでは、いちいち細かい数字は挙げませんが、政権発足時の2012年と比較して、景気・経済・雇用等の指標は軒並み上向いており、昨年の経済分野の最大の課題は「人手不足」でした。株式市場のリスクもどちらかというと国内よりも海外に起因するものが多いと思います。私の海外の友人の一致した見解は、「日本は安定した政権のもと、予見可能性の高い経済運営をしており、信頼性が最も高い国である」というものです。

国会においても多数の新たな法律案や法改正案を成立させてきました。その中には、北朝鮮情勢をはじめとして日本の安全保障環境が厳しくなる中で、平和憲法下で許容される自衛の措置の限界を明確にした上で自国防衛のために必要な新たな措置を盛り込んだ安保法制や、昨年末の外国人材受け入れ拡大の法改正など、画期的なものが含まれています。

この6年間、安倍総理や歴代外務大臣等を中心に展開してきた政府の外交成果も、戦後外交史の中では突出して大きいことも指摘しておきたいと思います。米国・ロシア・英国・ドイツ・フランスなどの主要国首脳と頻繁に直接対話を行うだけでなく、これまで総理・外相が未訪問の国々への訪問も実現し、日本の外交基盤は大きく強化されました。日中・日韓関係にはいまだ多くの困難な課題はありますが、安倍政権下の日本は今や名実共にグローバルリーダーの一角としての地位を確立したと言っても過言ではありません。外国人訪日客も3000万人を超える時代を迎え、大きな意味で日本の存在感は高まってきました。

こうした事実を念頭に、憲法改正の問題を考えた時、私はレガシー論には違和感を覚えます。そもそも論として、「一総理、一政権のレガシーにするために憲法改正を成し遂げる」という考え方自体が危ういと感じます。

憲法は、日本の最高法規であり、他の法律と決定的に異なります。改正する主体者が国会議員でも内閣でもなく、国民だからです。国会は改正案を発議することができますが、最後は国民投票で決まります。国会が問われるのは、国民投票の対象になり得るしっかりとした憲法改正案を発議できるかどうかです。憲法改正が必要なのかどうか、改正すべき条項・加えるべき条項は何か、その理由は何か等々、まずこれらを国会の憲法審査会において与野党議員間で真剣に議論しなければなりません。こうしたプロセス抜きに、単なる数の論理で改正発議に進むことは、私はあってはならないと思います。

昨年私は単身訪英し、元BBC記者で世論調査分析で有名なカウリング氏とロンドンで意見交換する機会を得ました。同氏の分析によれば、2016年6月23日の国民投票において英国のEU離脱が僅差で決定された最大の要因は、キャメロン首相(当時)が国民投票を自らの政治的利益確保(保守党内のEU離脱派抑え込み等)のために利用しようとした意図が、国民に見透かされ、強い反発を招いたことにある、とのことでした。言い換えれば、EUをめぐる国民投票の意義が、キャメロン政権への事実上の信任投票へと変容してしまい、肝心のEU離脱に関する冷静な議論が置き去りにされたということです。

衆議院議員遠山清彦、元BBC記者で英国の国民投票分析の権威であるカウリング氏と

元BBC記者で英国の国民投票分析の権威であるカウリング氏と

私たちは、この英国の教訓から学んだ上で憲法改正の国会議論に臨むべきと考えます。公明党は、現行の日本国憲法を高く評価した上で、足らざるところがあれば加える「加憲」という立場です。これを堅持した上で、他の政党・国会議員との論戦に積極的に参加していきたいと思います。

さて、今年は「亥年の選挙イヤー」、すなわち統一地方選挙と参院選挙が12年に一度重なる厳しい政治決戦の年です。公明党の最大の特徴の一つは、地域密着型のネットワークであり、その基盤は全国に約3000人いる地方議員です。4月の統一選では、まず地方議員候補者の全員当選を期してまいります。また、12年前の2007年参院選での与党敗北がその後の深い政治混乱を招いたことを考えれば、参院選挙も確実に与党で勝利していくことが必要です。

本年も、党員支持者をはじめ国民の皆様からのご指導ご鞭撻を賜りながら、しっかりと戦ってまいります。どうかよろしくお願い申し上げます。

公明党幹事長代理・衆議院議員 遠山清彦